臨時記号と変化記号 — シャープ・フラット・ナチュラル
公開 2026-10-18
音の高さを半音単位で変える記号が、変化記号です。曲の途中で一時的に使われると臨時記号と呼ばれます。シャープ・フラット・ナチュラルなどの意味と、調号との違いを、事典の記述に沿ってまとめます。
変化記号とは
デジタル大辞泉は、変化記号を、音楽で、ある音を上げ、または下げることを示す記号の総称とし、嬰記号・変記号などを挙げています。世界大百科事典(改訂新版)は、ハ長調の音階に含まれる音(ピアノの白鍵に相当)を幹音または本位音とし、これを半音一つまたは二つ分変化させた音を派生音と呼ぶと説明しています。
記号の種類
世界大百科事典(改訂新版)は、幹音を半音高くする嬰記号(シャープ)、半音低くする変記号(フラット)、半音二つ分高くする重嬰記号(ダブル・シャープ)、半音二つ分低くする重変記号(ダブル・フラット)、そして、これらすべての効力を消して派生音を幹音に戻す本位記号(ナチュラル)の5種があるとしています。日本大百科全書も5種類を挙げています。一方、日本国語大辞典の「変化記号」の項は、嬰記号・変記号・重嬰記号・重変記号の四種としており、本位記号を数えていません。
嬰記号と変記号
デジタル大辞泉は、嬰記号を、ある音を半音上げるための♯の記号、変記号を、ある音を半音下げるための♭の記号としています。ブリタニカ国際大百科事典は、変記号について、臨時記号に用いられる場合は符頭の左側に付し、調号の場合は音部記号の右にまとめて示すと説明しています。
臨時記号
デジタル大辞泉は、臨時記号を、楽曲の途中で、ある音の高さを一時的に変化させるための記号とし、符頭の左側につけられた変化記号・本位記号をさすと説明しています。日本大百科全書は、臨時記号に5種類のすべてが用いられ、それが記された音符以降、同一小節内の同一音高にのみ有効であると述べています。
調号との違い
日本大百科全書は、楽曲の初めにまとめて記された変化記号を調号とよび、臨時記号とは用法が異なるとしています。世界大百科事典(改訂新版)によると、調号として用いられるのは、嬰記号と変記号、それに転調時の本位記号だけで、重嬰記号と重変記号は臨時記号としてしか使われません。
歴史の一端
日本大百科全書は、変化記号が、10世紀ごろ、ロ音と変ロ音を区別するために用いられた記号に由来すると説明しています。