強弱記号の少ないバロックの楽譜を読む手がかり
公開 2026-08-20
バッハやヘンデルの時代の楽譜には、強弱記号がほとんど書かれていないものが多くあります。書かれている場合も、現代の楽譜と同じ意味とは限りません。資料で確認できる手がかりを紹介します。
書かれた f と p の意味
バッハの《イタリア協奏曲》BWV971 には、当時の鍵盤作品としては珍しく f と p が書かれています。この記号は楽器から出す音量そのものではなく、当時の合奏協奏曲の慣習に従った総奏(トゥッティ)と独奏の交替、2段鍵盤のチェンバロでは鍵盤の持ち替えを示すものと解説されています。
和声の手がかり
18世紀のフルート奏者クヴァンツは、不協和の度合いが強いほど大きく奏することを勧めています。和声のどこに不協和が現れるかは、強弱を考えるときの手がかりのひとつになります。
舞曲の性格
組曲の各曲には舞曲名が付いています。たとえばサラバンドは3拍子のゆっくりとした舞曲で、2拍目に重みが置かれることが特徴とされています。舞曲名から、その舞曲の拍子や重心の置き方を調べておくことも手がかりになります。
決めたら書き込む
手がかりから決めた強弱は、鉛筆で楽譜に書き込んでおくと、次に練習するときや、合奏で共演者と共有するときに役立ちます。