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Crescendo

クレッシェンド

強弱 🌐 イタリア語

意味

だんだん強く

解説

物語が核心に迫るような高揚感を作ります。最終的な目標となる音量から逆算して、段階的に強めていくのがポイントです。

Crescendo は crescere(成長する)の現在分詞で、「大きくなりつつある」。到達点ではなく過程を指す言葉です。うまくいかない原因のほとんどは、始めた瞬間に大きくしてしまうことにあります。

まず「どこまで」を決める

crescendo(cresc.)や松葉の記号は、どこまで大きくするかを明示しないことがほとんどです。そのため、記号を見た瞬間に音量を上げると、頂点に着く前に音量を使い切ってしまい、いちばん盛り上がるべき場所で行き場がなくなります。手順を逆にしてください。まず crescendo の終点を探し、そこで出したい音量を決め、そこから逆算して現在地を決める。最初の数拍はむしろ抑えぎみに入るくらいで、ちょうど良く聞こえます。

音量以外で「大きくなった」と感じさせる

人の耳は音量の変化だけで高揚を感じるわけではありません。音色の明るさ、和音の厚み、アーティキュレーションの鋭さも「強くなった」という印象を作ります。とくに音量の幅が限られる楽器や、すでに f に近い場面では、音量を足すより響きの密度を変えるほうが効果的です。ラヴェルの「ボレロ」が、単一の旋律を繰り返しながら15分かけて一つの巨大な crescendo を成立させているのは、音量ではなく楽器の重ね方で厚みを増しているからです。

演奏のヒント

ピアノ

旋律だけを強めても厚くなりません。内声や左手の音数の多い声部を先に増やすと、自然に膨らんで聞こえます。

弦楽器

弓速と圧を同時に増やすと音が潰れます。まず弓速を上げ、圧は最後に足すと荒れません。

管楽器

息の量を増やすとピッチが上ずりがちです。crescendo の頂点で音程が高くなっていないか、録音で確認してください。

混同しやすい用語

この指示が使われる曲

ロッシーニ「セビリアの理髪師」序曲

同じ音型を繰り返しながら楽器を足していく手法は「ロッシーニ・クレッシェンド」と呼ばれます。

ラヴェル「ボレロ」

曲全体が一つの crescendo。音量ではなく音色の厚みで増大を作る、究極の実例です。

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