Pianississimo
ピアニッシッシモ ・ イタリア語
できるだけ弱く
物理的な音量の限界としての弱音。単に小さな音というだけでなく、聴衆が息を呑むような「静寂の緊張感」を表現します。
→ Pianississimo の詳しい解説を読む音楽用語辞典 & チューナー・メトロノーム
40語を掲載(うち36語は詳しい解説ページつき)
p や f は音量の絶対値ではありません。同じ f でも、独奏曲と管弦楽曲、バロックとマーラーではまったく別の音量です。強弱記号が実際に指定しているのは、音量そのものよりも「音の質」と「前後との関係」です。
ppp から fff まで段階があると、つい8段階の音量目盛りのように考えたくなります。しかし実際には、その曲・その楽器・そのホールの中での相対的な位置づけしか意味しません。ベートーヴェンのピアノソナタの ff と、マーラーの交響曲の ff は物理的にまるで違う音量です。判断の基準になるのは、直前直後に何が書かれているか。同じ楽章の中で f が一度しか出てこないなら、それは頂点として扱われます。
p や pp は、力を抜けば出るものではありません。音量を落とすと、多くの楽器では音の芯や輪郭が同時に失われます。しかし pp が求めているのは「聞こえにくい音」ではなく「小さいのに届く音」です。弦楽器なら弓の速度と圧のバランス、管楽器なら息のスピードを落とさずに量だけ減らすこと、ピアノなら打鍵の速度を落としつつ底までコントロールすること。強い指示より弱い指示のほうが、はるかに技術的な難度が高いのが普通です。
クレッシェンドで最もよくある失敗は、書き出しから強くしてしまい、途中で行き場がなくなることです。クレッシェンドは「今から強くする」という指示ではなく、「どこかに到達する」という指示だと考えてください。まず終点の音量を確認し、そこから逆算して開始点をどこまで落とすかを決めます。長いクレッシェンドほど、前半は動かさずに我慢するほうが結果的に大きく聞こえます。poco a poco(少しずつ)が添えられている場合はなおさらです。
sf・sfz・fp・rfz は、持続的な強弱ではなく一点の出来事を指します。混同しやすいのですが、sf(sforzando)はその音だけを周囲より際立たせる指示で、絶対的な強さではありません。p の中の sf は、f の中の sf よりずっと小さい音です。fp は強く入って即座に弱くする指示で、モーツァルトやベートーヴェンで劇的な効果を生みます。rfz(rinforzando)は一点ではなくフレーズ単位の補強で、sf より持続的なニュアンスを持ちます。
バロック期の楽譜には強弱記号がほとんど書かれていません。これは「一定に弾け」という意味ではなく、当時は演奏者が判断するのが当たり前だったためです。同様に、記号が書かれていない箇所でも、フレーズの形(上行するか下行するか)や和声の緊張度に応じた自然な増減は前提とされています。強弱記号は「そこだけ特別に指定した点」であって、記号のない場所が平坦であるべきという意味ではありません。
ピアニッシッシモ ・ イタリア語
できるだけ弱く
物理的な音量の限界としての弱音。単に小さな音というだけでなく、聴衆が息を呑むような「静寂の緊張感」を表現します。
→ Pianississimo の詳しい解説を読むピアニッシモ ・ イタリア語
とても弱く
非常に繊細で、遠くから聞こえてくるような響き。楽器の音色をコントロールし、芯のあるピアニッシモを目指すのが美しく聴かせるコツです。
→ Pianissimo の詳しい解説を読むメゾフォルテ ・ イタリア語
少し強く
心地よい日常の話し声程度の強さ。アンサンブルにおいて、他の楽器と調和を取りやすい中心的な音量です。
→ Mezzo Forte の詳しい解説を読むフォルティッシモ ・ イタリア語
とても強く
聴衆を圧倒する輝かしい響き。重厚感と広がりを伴う、オーケストラのクライマックスで多用される強さです。
→ Fortissimo の詳しい解説を読むフォルティッシッシモ ・ イタリア語
できるだけ強く
極限の音量。肉体的なパワーだけでなく、爆発的な感情の昂りを表現するために用いられます。
→ Fortississimo の詳しい解説を読むクレッシェンド ・ イタリア語
だんだん強く
物語が核心に迫るような高揚感を作ります。最終的な目標となる音量から逆算して、段階的に強めていくのがポイントです。
→ Crescendo の詳しい解説を読むデクレッシェンド ・ イタリア語
だんだん弱く
緊張が解き放たれ、静寂へと向かうプロセスの表現。ただ音を下げるだけでなく、響きの密度を保ったままフェードアウトさせる技術が求められます。
→ Decrescendo の詳しい解説を読むディミヌエンド ・ イタリア語
だんだん弱く
音を「減じさせる」。音楽が静かに閉じられる場面や、次のフレーズへ優しく繋ぐ際に使用されます。
→ Diminuendo の詳しい解説を読むスフォルツァンド ・ イタリア語
その音だけ強く
不意の衝撃や、強い心理的なアクセント。周囲とのコントラストを明確にすることで、音楽に躍動感を与えます。
→ Sforzando の詳しい解説を読むフォルテピアノ ・ イタリア語
強く、すぐに弱く
鋭いアタックの直後に、影に隠れるような急激な変化。モーツァルトやベートーヴェンの作品で劇的な効果を生みます。
→ Forte Piano の詳しい解説を読むリンフォルツァンド ・ イタリア語
急に強く、目立たせて
フレーズ全体を一時的に補強するように強調します。sfzよりも「持続する強調」というニュアンスがあります。
→ Rinforzando の詳しい解説を読むスフォルツァート・ピアノ ・ イタリア語
アクセント後、即座に弱く
雷のような鋭いアタックの後に、一転して霧の中に消えるような変化。非常に高度な表現です。
ペルデンドシ ・ イタリア語
消えゆくように
「見失う、道に迷う」が原義。音がぼやけていき、どこへ消えたかわからなくなるような幻想的な効果。
→ Perdendosi の詳しい解説を読むソット・ヴォーチェ ・ イタリア語
声をひそめて
秘密を打ち明けるような、内性的で抑えられた響き。直接的な表現を避けたい深い感情の場面で使われます。
→ Sotto voce の詳しい解説を読むアル・ニエンテ ・ イタリア語
無になるまで
niente(ゼロ)の状態へ。最後の一音が聞こえなくなった後も、余韻を保ち続けることが大切です。
→ Al niente の詳しい解説を読むダル・ニエンテ ・ イタリア語
無から徐々に
静寂の中から、いつの間にか音が生まれてきたように。開始のタイミングを悟らせない繊細なアタックが必要です。
→ Dal niente の詳しい解説を読むポーコ・ア・ポーコ ・ イタリア語
少しずつ、徐々に
他の指示と組み合わされ(例:cresc. p.a.p.)、非常に長い時間をかけて変化を起こすことを要求します。
→ Poco a poco の詳しい解説を読むアウメンタンド ・ イタリア語
増しながら、強くしながら
Crescendoと同義だが、より「増大していく」という物理的なニュアンスを含みます。
ソット・ピアノ ・ イタリア語
極めて弱いピアノ
単なる弱音ではなく、底の方から響くような、重みと奥深さを伴うピアニッシモです。
→ Sotto piano の詳しい解説を読む段丘強弱法 ・ 英語
階段状の強弱変化
バロック時代のオルガンやチェンバロに見られる、中間奏法のない「いきなりの強弱交代」。対比を鮮明にします。
→ Terraced dynamics の詳しい解説を読むメッザヴォーチェ ・ イタリア語
半分の声で。抑えた声量で歌う指示
完全な弱音ではなく、感情を込めながら声量を絞る、声楽特有のニュアンス。
クワジ・ニエンテ ・ イタリア語
無に近いほどに。消え入るような極小の音量
nienteそのものではなく、ぎりぎり聞こえる限界の音量を求める指示。