Dolce
ドルチェ ・ イタリア語
甘く、優しく、柔らかに
お菓子のような甘さだけでなく、角の取れた温かい響きを要求します。愛する人に語りかけるような、親密な場面で使われます。
→ Dolce の詳しい解説を読む音楽用語辞典 & チューナー・メトロノーム
315語を掲載(うち88語は詳しい解説ページつき)
このカテゴリの用語は数が多く、訳語だけ並べると似たものばかりに見えます。しかし語源をたどると、そのほとんどが日常生活の動作や状態を表すイタリア語で、感情そのものではなく「どう触れるか」を指していることが分かります。
Carezzevole(愛撫するように)の carezza は、手で優しく撫でる動作です。Angoscioso(苦悩して)はラテン語の angustia(狭さ、窮屈さ)に由来し、英語の anguish や anxiety、ドイツ語の Angst と同じ語根です。Abbandonatamente(身を委ねて)の abbandono は「自制を捨てる」こと。いずれも、悲しい気持ちになれという指示ではなく、音の出し方をどう変えるかという指示です。感情を作ろうとするより、語源が指す動作を音に置き換えるほうが確実に伝わります。
表情用語は語形にはっきりした規則があります。con + 名詞は「〜をもって」(con brio、con fuoco、con moto)。-mente で終わるのは副詞形(dolcemente、tranquillamente)。-oso は「〜に満ちた」(grazioso、amoroso、maestoso)。-ando / -endo は現在分詞で「〜しながら」(scherzando、cantando)。senza + 名詞は「〜なしで」(senza rigore)。この5つを押さえると、初めて見る語でも意味の方向はほぼ掴めます。同じ語幹の派生形が並んでいるのも、この規則のためです。
Cantabile(歌うように)、Marcia(行進曲風に)、Recitativo(叙唱風に)のような指示は、詩的な比喩ではなく、実在する演奏様式への参照です。Cantabile なら、歌手が息継ぎをする位置でフレーズが切れ、母音が伸びて子音が短いという、歌の物理的な特徴を器楽に持ち込むことを意味します。Marcia なら歩幅の一定さと拍頭の重さ。何のように弾くのかを具体的に思い浮かべられれば、指示は自動的に技術的な内容に変換されます。
Allegro ma non troppo, con brio のように複数の語が並ぶ場合、それぞれが別の側面を指定しています。ma non troppo(しかし過度にならず)は直前の語への制限、con brio は性格の追加です。すべてを同時に強めようとすると矛盾するので、まず主となる語を決め、残りを「どこまで」「どの方向に」の修飾として読みます。特に ma non troppo と poco(少し)は制限の語なので、これがある指示は控えめに解釈するのが原則です。
ドルチェ ・ イタリア語
甘く、優しく、柔らかに
お菓子のような甘さだけでなく、角の取れた温かい響きを要求します。愛する人に語りかけるような、親密な場面で使われます。
→ Dolce の詳しい解説を読むカンタービレ ・ イタリア語
歌うように、表情豊かに
楽器を人間の声のように響かせること。旋律の抑揚(イントネーション)を意識し、一音一音に呼吸を持たせることが大切です。
→ Cantabile の詳しい解説を読むアジタート ・ イタリア語
激しく、興奮して、落ち着かなく
心が動揺しているような、せっかちな動き。単に速く弾くのではなく、内面的な焦燥感や嵐のような激しさを表現します。
→ Agitato の詳しい解説を読むマエストーゾ ・ イタリア語
堂々と、荘厳に、威厳を持って
王者の歩みのような、立派で誇り高い雰囲気。一音一音をどっしりと置き、響きの広がりを重視します。
→ Maestoso の詳しい解説を読むトランクィッロ ・ イタリア語
静かに、穏やかに、平穏に
波ひとつない湖面のような、深い静寂と心の安定。余計な力みをすべて取り除き、透明感のある音色が求められます。
→ Tranquillo の詳しい解説を読むエスプレッシーヴォ ・ イタリア語
表情豊かに
演奏者の個性を最大限に発揮し、感情を音に乗せる指示。音量の変化や微妙な「溜め」を使い、心に訴えかける演奏を目指します。
→ Espressivo の詳しい解説を読むグラツィオーゾ ・ イタリア語
優雅に、上品に、しとやかに
宮廷での舞踏会のような、洗練された美しさ。軽やかで気品のある動きを意識し、粗野な表現を避けます。
→ Grazioso の詳しい解説を読むアマービレ ・ イタリア語
愛らしく、魅力的に
親しみやすく、微笑みかけてくるような心地よい表現。聴き手の心を解きほぐすような、柔らかなタッチが有効です。
アパッショナート ・ イタリア語
熱情的に、情熱を込めて
魂を揺さぶるような深い熱量。溢れんばかりの感情を力強い音色と豊かなヴィブラートで表現します。
→ Appassionato の詳しい解説を読むブリランテ ・ イタリア語
輝かしく、華やかに
宝石がきらめくような明るい音色と、鮮やかな技巧(テクニカル)が要求されます。自信に満ちた華麗な表現です。
→ Brillante の詳しい解説を読むカプリッチョーゾ ・ イタリア語
気まぐれに、奔放に
規定の枠にとらわれない、遊び心のある表現。突然の緩急や音色の変化を楽しみ、即興的な雰囲気を作ります。
フェローチェ ・ イタリア語
荒々しく、野生的に、激しく
文明を離れた原始的な怒りや強さ。鋭いアクセントと、叩きつけるような打撃音で衝撃を与えます。
ジョコーゾ ・ イタリア語
楽しげに、愉快に、おどけて
子供たちが遊んでいるような、明るく無邪気な喜び。弾むようなリズムと軽快なスタッカートが効果的です。
→ Giocoso の詳しい解説を読むラメントーゾ ・ イタリア語
悲しげに、嘆き悲しんで
深い悲哀。溜め息のような重いフレーズや、消え入るようなデクレッシェンドで「喪失感」を描写します。
ミステリオーゾ ・ イタリア語
神秘的に、謎めいて
霧が立ち込める森のような、不透明で幻想的な世界観。ペダリングや残響を駆使し、非日常的な響きを作ります。
→ Misterioso の詳しい解説を読むノービレ ・ イタリア語
高貴に、気高く
背筋をすっと伸ばしたような品格のある演奏。感情に流されすぎず、節度のある美しさを保つことが求められます。
ペザンテ ・ イタリア語
重々しく、どっしりと
大きな岩を動かすような、重圧感のある響き。一つ一つの音にしっかりとした重心を感じさせるように弾きます。
→ Pesante の詳しい解説を読むリゾルート ・ イタリア語
決然と、きっぱりと
迷いのない、強い意志を持った表現。鋭いリズムと明確なアタックで、音楽の方向性をはっきりと示します。
→ Risoluto の詳しい解説を読むスケルツァンド ・ イタリア語
おどけて、遊び心を持って
ユーモアたっぷりの軽快な表現。聴き手を「おっ」と思わせるような、意外性のあるタイミングや強弱がポイントです。
→ Scherzando の詳しい解説を読むテーネロ ・ イタリア語
優しく、愛情深く
壊れやすいものを守るような、繊細で大きな慈しみ。触れるような柔らかいタッチで、温かい音を奏でます。
コン・アニマ ・ イタリア語
魂を込めて、生き生きと
「anima (命、魂)」を音楽に注ぎ込みます。内側から湧き出る感情を、瑞々しい響きと共に表現します。
コン・フオーコ ・ イタリア語
火のように、激しく
文字通り「火」のような激しさと爆発力。冷静さを失わずに、極限のパッションを音にぶつけます。
→ Con fuoco の詳しい解説を読むコン・グラツィア ・ イタリア語
優雅に、しとやかに
洗練された美しさと品格。指先まで意識の行き届いた、滑らかで整った表現が求められます。
コン・センティメント ・ イタリア語
感情を込めて
心の琴線に触れるような繊細なニュアンス。過剰にならず、心の深層から湧き出る想いを音にします。
コン・スピーリト ・ イタリア語
元気に、活気溢れて
「spirito (精神、活気)」。知的でハツラツとしたエネルギーを保ち、音楽に躍動感をもたらします。
デリカタメンテ ・ イタリア語
繊細に、優美に
壊れてしまいそうなほどの微細なタッチ。クリスタル(水晶)のように透明感のある音色が理想です。
ディスペラート ・ イタリア語
絶望した、自暴自棄の
救いのない深い悲しみや焦燥感。震えるような弱音や、激しくも空虚な強音で、不穏な空気を描きます。
エレガンテ ・ イタリア語
優雅に、上品に
洗練された立ち振る舞いのような美しさ。無理のない自然な流れと、心地よい響きを維持します。
エネルジコ ・ イタリア語
精力的に、力強く
力強い前進。筋肉質なエネルギーを感じさせる、キレのあるリズムと明確な音色で演奏します。
フェスティーヴォ ・ イタリア語
祝祭的な、お祭りのように
華やかなトランペットの響きを連想させるような、明るく祝典的な輝きを持った音色。
ルジンガンド ・ イタリア語
おもねるように、愛嬌たっぷりに
聴衆をそっと誘い込むような、甘く親密な表現。フレーズの終わりにわずかな「溜め」を作ると効果的です。
マリンコニコ ・ イタリア語
憂鬱に、物悲しく
晴れない心を表すような、重く湿り気を帯びた響き。ショパンのワルツなどに見られる独特の哀愁です。
→ Malinconico の詳しい解説を読むレリジオーゾ ・ イタリア語
信心深く、厳かに
教会の中で祈りを捧げるような、清らかで私心のない響き。雑味のない澄んだ音色が求められます。
ソスピランド ・ イタリア語
溜め息をつくように
「sospir (溜め息)」。フレーズの冒頭をわずかに弱め、吐息のようなニュアンスで悲しみや憧れを伝えます。
スピリトーゾ ・ イタリア語
精神を込めて、才気溌剌と
ウィット(知的な機転)に富んだ、活発な表現。音楽が知的に踊っているような軽快さです。
フレービレ ・ イタリア語
哀れな、弱々しい、悲しげに
泣き声が漏れるような、か弱い響き。今にも途切れてしまいそうな繊細な表現に適しています。
カロローゾ ・ イタリア語
熱心に、温かく、情熱的に
「calore (熱さ)」。内側からじんわりと温まってくるような、深い共感を呼ぶ豊かな音色を目指します。
アルデンテ ・ イタリア語
燃えるように、情熱的な
激しく燃え盛る火。冷めることのない高い熱量を保ち、聴き手を圧倒する迫力を生みます。
メスト ・ イタリア語
悲しい、憂鬱な
深い悲しみが沈殿しているような、暗く淀んだ響き。劇的な嘆きではなく、静かに耐える悲しみです。
パカート ・ イタリア語
穏やかな、落ち着いた
凪(なぎ)のような平穏。激しい展開の後に、安らぎを取り戻す場面などで重要な役割を果たします。
セリオーゾ ・ イタリア語
真剣に、まじめに
冗談を排した、ひたむきで真面目な態度。音楽の構造を重んじ、背筋の伸びた強固な演奏をします。
ヴィゴローゾ ・ イタリア語
精力的な、力強い
肉体的な躍動感と精神的な強さ。アスリートのようなしなやかで強靭なリズムが求められます。
グランディオーゾ ・ イタリア語
壮大な、堂々と
巨大な建築物を見上げるような、圧倒的なスケール感。音の厚みを増し、壮麗な響きを追求します。
ラングィド ・ イタリア語
物憂げな、弱々しい、気だるい
夏の昼下がりのような気だるさ。力が抜け、どこか官能的で弛緩した独特の美しさを表現します。
フリオーゾ ・ イタリア語
猛烈に、荒れ狂って
狂気を感じさせるほどの激しさ。制御不能な嵐の中にいるような、切迫した強奏部分に現れます。
ア・ピアチェーレ ・ イタリア語
望みのままに、自由に
演奏者の解釈にテンポや表現を完全に委ねる指示。自身の音楽性を最大限に発揮し、作品に新たな息吹を吹き込みます。
→ A piacere の詳しい解説を読むアジタティッシモ ・ イタリア語
極めて激しく、騒然として
Agitatoの最上級。理性を失うほどの興奮や、嵐のような混乱。非常にダイナミックで切迫した表現が必要です。
アレグロ・アパッショナート ・ イタリア語
速く、かつ情熱的に
快活な速度の中に、深いパッションを込めます。ブラームスの「ピアノ協奏曲第2番」の第2楽章などが代表例です。
アマレヴォーレ ・ イタリア語
愛らしく、優しく
Amabileに近いが、より「愛着」や「慈しみ」を感じさせる、しっとりとした親密な表現です。
アンゴショーゾ ・ イタリア語
苦悶して、苦しげに、切迫して
精神的な苦痛や死への恐怖。歪んだ旋律や、不安定な音色で、追い詰められた心理状態を描写します。
アニマート ・ イタリア語
活気を持って、生き生きと
音楽に命を吹き込みます。わずかにテンポを速め、リズムに弾みをつけることで、場面を明るく転換させます。
アッペーナ ・ イタリア語
かろうじて、わずかに
「Appena udibile (かろうじて聞こえる程度に)」など、極限の微細な変化を指定する際に用いられます。
アルディート ・ イタリア語
大胆に、勇敢に
躊躇のない、はっきりとした表現。困難なパッセージでも自信を持って、毅然とした音を奏でます。
ベリコーゾ ・ イタリア語
勇ましく、好戦的に、勇壮に
戦いへ赴くような力強さと緊張感。金管楽器のファンファーレを思わせる鋭い音色が似合います。
ベン ・ イタリア語
十分に、よく、はなはだ
「Ben marcato (十分にはっきりと)」のように。後に続く言葉のニュアンスをより強調する際に使われます。
ブルスカメンテ ・ イタリア語
不意に、ぶっきらぼうに
突然の変化。前置の美しさを断ち切るような、少し乱暴で驚きを与える表現です。
ブルレスコ ・ イタリア語
おどけて、こっけいに
「パロディ」的な面白さ。少し大げさな表現や、歪んだリズムで、コミカルな雰囲気を演出します。
カミンナンド ・ イタリア語
歩くように、止まらずに
Andanteに近いが、より「前へ進む」歩みが強調されます。停滞せず、心地よいリズムを維持します。
カレッツェーヴォレ ・ イタリア語
愛撫するように、優しく愛らしく
そっと触れるような、この上なく柔らかなタッチ。聴き手を優しく包み込む、温かく繊細な響きです。
コレリコ ・ イタリア語
腹を立てた、怒った
怒りを滲ませるような、鋭く不安定な表現。攻撃的なアタックが効果的です。
コモド ・ イタリア語
気楽に、適当な速さで
無理のない、自分にとって心地よいテンポ。余裕を持った演奏が、音楽に安定感を与えます。
コン・アバンドーノ ・ イタリア語
身を任せて、気ままに、奔放に
自意識を捨て、音楽の奔流に身を委ねます。情熱的ですが、どこか脱力したような自然な表現です。
コン・アッフェット ・ イタリア語
愛情を込めて、優しく、慈しんで
「親愛の情」を音に。身近な大切な人へ語りかけるような、心のこもった温かい響きです。
コン・アジリタ ・ イタリア語
敏捷に、軽快に
鳥が空を飛ぶような、軽やかで素早い動き。重さを感じさせない、流麗なテクニックが求められます。
コン・アモーレ ・ イタリア語
愛を込めて、熱心に
音楽への深い愛を表現します。甘く、情熱的で、一音一音が輝くような演奏を目指します。
コン・カローレ ・ イタリア語
温かく、熱情を込めて
「con(〜を伴って)」+「calore(熱さ)」。Calorosoが奏者の性質そのものを指すのに対し、こちらは「熱を込めて弾く」という行為を促す指示です。音を強く出すのではなく、ヴィブラートやテヌート気味の発音で音の芯を厚くし、フレーズの頂点へ体温を乗せていくイメージで演奏します。
コン・デリカテッツァ ・ イタリア語
繊細に、優雅に、上品に
最上の洗練。壊れやすい宝物を扱うような、細心の注意を払った美しいタッチが必要です。
コン・デヴォツィオーネ ・ イタリア語
献身的に、信心深く
自己を消し、音楽や神への祈りに没頭します。純粋無垢で、雑味のない透明な響きです。
コン・ドローレ ・ イタリア語
嘆き悲しんで、苦しげに
肉体的、精神的な痛みを伴う悲しみ。低音を響かせ、重たい足取りで進むようなニュアンスです。
コン・エレガンツァ ・ イタリア語
優雅に、上品に
立ち振る舞いの美しさ。非の打ち所がない、整った音楽のプロポーションを維持します。
コン・エスプレッシオーネ ・ イタリア語
表情を込めて
Espressivoと同義。より「表現(Expression)」を前面に出すことを促す指定です。
コン・フォルツァ ・ イタリア語
力を込めて、力強く
筋肉的なエネルギー。しっかりとした打鍵(奏法)で、力強い響きを会場に届けます。
コン・インペト ・ イタリア語
激しく、衝動的に、猛烈に
抑えきれない衝動。爆発的な加速を伴うことが多く、非常にドラマチックな効果を生みます。
コン・レッジェレッツァ ・ イタリア語
軽やかに、しなやかに
羽根のような軽さ。重力から解放されたような、流れるようなスムーズな動きを意識します。
コン・マリンコニア ・ イタリア語
憂鬱に、物悲しく
秋の夕暮れのような淋しさ。少し暗い音色と、沈み込むような旋律を描写します。
コン・モルビデッツァ ・ イタリア語
柔らかに、しなやかに、柔軟に
「morbido (柔らかい)」。硬さを徹底的に排除し、絹のような滑らかな感触の音を目指します。
コン・ノスタルジーア ・ イタリア語
追憶を込めて、郷愁を誘うように
過去の美しい記憶を慈しむように。少し遠くを見るような、内省的で温かい表現です。
コン・パッシオーネ ・ イタリア語
情熱を持って、熱情的に
激しく揺れ動くパッション。理性を超えた感情の昂りを、ダイナミックな音量変化で表現します。
コン・スケルツォ ・ イタリア語
おどけて、冗談まじりに
Scherzandoと同義。ユーモアを大切にし、聴き手を楽しませる軽妙さが必要です。
コン・テネレッツァ ・ イタリア語
優しく、愛情を持って
Teneroの精神を。優しさが溢れ出し、周囲を包み込むような豊かな響きを作ります。
デチジーヴォ ・ イタリア語
決然とした、決定的な
迷いを断ち切る強い意志。誰にでもわかる明確なアクセントとリズムで演奏をリードします。
デクラマンド ・ イタリア語
朗読するように、力強く説得して
演説家のような堂々とした言葉。一音一音に意味を乗せ、聴衆に訴えかける「説得力」が鍵となります。
ディニトーゾ ・ イタリア語
威厳のある、尊厳に満ちた
自分を高く保つ誇り。静かな中にも動かせない強さを感じさせる、格調高い表現です。
ドルチッシモ ・ イタリア語
極めて甘く、この上なく優しく
Dolceの最上級。天使の歌声のような、地上を超越した極上の美しさと繊細さを追求します。
ドレンテ ・ イタリア語
悲しい、痛ましい、嘆きを込めて
深い心の傷を感じるような表現。震えるような弱音と、溜め息のようなメロディラインを描きます。
ドラマティコ ・ イタリア語
劇的な、ドラマチックな
舞台の主役のような、波瀾万丈な表現。強弱の対比を最大にし、感情の起伏を克明に描写します。
エローイコ ・ イタリア語
英雄的な、勇壮な
英雄の勝利や苦闘。ベートーヴェンの「エロイカ」のように、巨大なスケールと不屈の精神を表現します。
エジタンテ ・ イタリア語
ためらいながら、躊躇して
一歩踏み出すのを迷うような、不安定なリズム。揺らぎを持たせることで、心理的な葛藤を表します。
エスタティコ ・ イタリア語
有頂天の、恍惚とした
日常を離れた幸福感やトランス状態。輝かしい響きの中に、陶酔しきったような表情を込めます。
ファンタスティコ ・ イタリア語
幻想的な、気まぐれな
夢の中のような、論理を超えた展開。色彩豊かな音色を使い分け、魔法のような世界観を作ります。
→ Fantastico の詳しい解説を読むフィエラメンテ ・ イタリア語
激しく、誇り高く、勇敢に
「fiero (誇り)」を持って。自分を安売りしない、毅然とした強い態度で音楽を提示します。
フレビルメンテ ・ イタリア語
悲しげに、か細い声で
Flebileの精神を。消え入るような悲しみ。弱々しくも、聴く者の心を打つ繊細なニュアンスです。
フレスコ ・ イタリア語
爽やかな、新鮮な
朝露のような瑞々しさ。重たさを一切感じさせない、クリアで明るい音色が重要です。
フオコーゾ ・ イタリア語
火のように、熱情的な
Con fuocoと同等。燃え盛る情熱。常に高い緊張感と推進力を失わずに演奏します。
ガーヨ ・ イタリア語
陽気に、楽しく、陽動に
一点の曇りもない明るさ。聴いている人が思わず笑顔になるような、自然な喜びを音にします。
ガルバート ・ イタリア語
上品に、優雅に、礼儀正しく
洗練された立ち振る舞い。粗さのない、丁寧で美しいフレージングを積み重ねます。
ジェンティーレ ・ イタリア語
優しく、親切に、穏やかに
他者を思いやるような温かい表現。角を立てず、包容力のある豊かな響きが必要です。
ジョイオーゾ ・ イタリア語
楽しい、喜ばしい
心からの歓喜。躍動する旋律。明るく、エネルギーに満ちた演奏でお祝いの気分を伝えます。
インカルツァンド ・ イタリア語
せき立てて、追い込んで
Stringendoに近いが、より「心理的な切迫」が強い。息をつく暇もないような緊張感を生みます。
→ Incalzando の詳しい解説を読むインノチェンテ ・ イタリア語
無邪気に、清純に
一点の汚れもない子供のような心。作為を捨てた、素朴で純粋な美しさを奏でます。
インクイエート ・ イタリア語
不安な、落ち着かない
何かが起こりそうな不穏な予感。ざわつくようなリズムや、不安定な音程感でスリルを描写します。
→ Inquieto の詳しい解説を読むラグリモーゾ ・ イタリア語
涙を流して、ひどく悲しんで
「lacrima (涙)」。涙がこぼれ落ちるような、痛切な悲哀。過剰なくらいの表情が必要な場面もあります。
→ Lagrimoso の詳しい解説を読むラングエンテ ・ イタリア語
物憂げな、憧れに満ちた、病的な
力が尽き果てたような、しかし何かを強く求めているような、官能的な気だるさ。
→ Languente の詳しい解説を読むレッジャードロ ・ イタリア語
優雅な、風流な、愛らしい
洗練された美しさ。軽やかできびきびとした動きの中に、品格を感じさせる表現です。
レッジェリッシモ ・ イタリア語
この上なく軽やかに
Leggeroの最上級。重力学を無視したような、真の軽やかさ。指先が鍵盤や弦に触れるか触れないかのような繊細さ。
→ Leggierissimo の詳しい解説を読むリベロ ・ イタリア語
自由に、心のままに
規則に縛られず、音楽が求めるままに表現を解放します。演奏者の個性が最も問われる指示です。
リエーヴェ ・ イタリア語
軽い、わずかな、優しく
そよ風のような軽さ。存在感を出しすぎず、音楽の背景を美しく彩るような響きです。
ルグーブレ ・ イタリア語
葬送の、悲痛な、陰気な
死を予感させるような、重苦しく暗い響き。ショパンの「葬送行進曲」のような深淵な暗黒です。
ルミノーゾ ・ イタリア語
光り輝いて、明るく、透明な
「lume (光)」。影のない、澄み渡った青空のような音色。高音域をクリアに響かせ、希望に満ちた表情を作ります。
ロンターノ ・ イタリア語
遠くから、かすかに
地平線の彼方から聞こえてくるような、遠近感のある表現。音量を下げるだけでなく、響きをぼかすことで距離感を演出します。
→ Lontano の詳しい解説を読むオスクーロ ・ イタリア語
暗く、不透明な
光の届かない深い淵のような響き。低音域を強調し、重苦しい空気を纏わせる演奏をします。
オスティナート ・ イタリア語
しつこく、執拗に
同じリズムや旋律を何度も繰り返します。聴き手に強烈な印象を与え、呪術的な高揚感や執着心を表現します。
→ Ostinato の詳しい解説を読むパルランテ ・ イタリア語
語るように、話すように
言葉の抑揚を音楽に。旋律を滑らかに繋ぐよりも、一つ一つの音節をはっきりと発音するように演奏します。
→ Parlante の詳しい解説を読むパスティッチョ ・ イタリア語
寄せ集めの、混ぜ合わせの
様々な要素が混ざり合った、複雑で変化に富んだ表現。場面転換の鮮やかさが求められます。
→ Pasticcio の詳しい解説を読むパテティコ ・ イタリア語
悲劇的な、哀れを誘う
「パトス(受難、激情)」。ベートーヴェンの「悲愴 (Pathétique)」のように、深い苦悩と熱情を伴います。
→ Patetico の詳しい解説を読むピアチェーヴォレ ・ イタリア語
楽しく、心地よく
ストレスのない、穏やかな喜び。聴き手の耳を愛撫するような、素直で美しいメロディを奏でます。
→ Piacevole の詳しい解説を読むピアンジェンド ・ イタリア語
泣きながら、哀願するように
嗚咽(おえつ)を堪えるような、震える響き。非常に痛切な、助けを求めるような弱々しい美しさが宿ります。
プラチド ・ イタリア語
静かに、落ち着いた、穏やかな
荒れた心が静まるような、癒やしの響き。淀みのない、一定の穏やかな流れを保ちます。
ポンポーゾ ・ イタリア語
豪華な、華やかな、これ見よがしの
少し大げさなほどの華麗さ。派手な金管楽器の響きや、装飾の多い旋律に適した表現です。
→ Pomposo の詳しい解説を読むプレチピトーゾ ・ イタリア語
真っさかさまに、急いで、せっかちに
崖から突き落とされるような、制御不能な加速。恐怖と興奮が入り混じった、スリリングな場面を作ります。
ラフレナンド ・ イタリア語
抑えて、速度を落として
高まった感情にブレーキをかけます。理性を冷静に取り戻すような、意図的な減速です。
ラウコ ・ イタリア語
しわがれた、枯れた
少し荒れた、ハスキーな音色。使い古された道具のような、哀愁と深みのある響きをあえて出します。
リゴローゾ ・ イタリア語
厳格に、正確に
メトロノームのような正確さと、一切の妥協を許さない真面目な態度。構造の美しさを際立たせます。
ルスティコ ・ イタリア語
田舎風の、素朴な
素朴で土の匂いのするような響き。洗練されすぎていない、力強いリズムとシンプルな音色が特長です。
シンティッランテ ・ イタリア語
火花を発する、きらめく
星のまたたきや、火花の輝き。高音域を鋭く、かつ美しく響かせ、色彩豊かな変化を与えます。
センプリチェ ・ イタリア語
単純に、素直に、飾り気なく
余計な装飾を削ぎ落とした美しさ。作為を感じさせない、ありのままの旋律を奏でることが最も難しい挑戦です。
→ Semplice の詳しい解説を読むセンプレ ・ イタリア語
常に、絶えず
「Sempre legato (常にレガートで)」のように、ある状態を一定期間、不動のまま維持することを要求します。
センシビーレ ・ イタリア語
感受性豊かに、敏感に
微かな空気の変化にも反応するような繊細さ。ピアニッシモの中での彩り豊かな変化が重要です。
センティート ・ イタリア語
深く感じ入った、心のこもった
自身の経験や想いを音に投影します。説得力のある、血の通った温かい響きを目指します。
シレンズィオ ・ イタリア語
静寂、沈黙
音が止まった後の静寂も音楽の一部です。息を止め、空間が震えるのを感じながら、次の音を待ちます。
スランチオ ・ イタリア語
跳躍、はずみ、一気呵成
「Con slancio (勢いよく)」。抑えられていたエネルギーを一気に解放し、音楽を前へ突き動かします。
ソリダメンテ ・ イタリア語
堅固に、がっしりと
揺るぎない土台。建築の骨組みを示すような、強固なリズムと芯のある音色を維持します。
ソット ・ イタリア語
〜の下に
「Sotto voce (声をひそめて)」などの基となる言葉。物理的に低い、あるいは精神的に抑えられた状態。
スピアナート ・ イタリア語
平らな、なめらかな、穏やかな
凹凸のない、滑らかな水面のような表現。ショパンの「アンダンテ・スピアナート」が最も有名です。
→ Spianato の詳しい解説を読むスピーリト ・ イタリア語
精神、活気
「Con spirito (元気に)」。生命力に溢れ、迷いのない、ハツラツとした演奏を要求します。
アッファービレ ・ イタリア語
愛そうよく、親しみ深く
親しみやすく、語りかけるような柔らかな表情。聴き手に安心感を与えるような温かい音色が理想です。
アッファンナート ・ イタリア語
息を切らして、苦しげに、せっかちに
焦燥感や動揺を隠せない、不安定な表現。拍がわずかに前のめりになるような感覚で演奏されます。
アッフェットゥオーゾ ・ イタリア語
愛情を込めて、優しく
「affetto (愛情)」。心温まる、情愛に満ちた表現。ロマン派の緩徐楽章などで、内面的な美しさを伝える際に使われます。
アジェーヴォレ ・ イタリア語
軽快に、楽に
難解なパッセージも、まるで簡単であるかのように軽々と演奏します。透明感のある澄んだ音色が求められます。
アッラ・マルチア ・ イタリア語
行進曲風に
きっぱりとしたリズムと、はっきりとしたアーティキュレーション。勇壮な歩みを連想させる表現です。
→ Alla marcia の詳しい解説を読むアッラ・ポラッカ ・ イタリア語
ポロネーズ風に
ポーランドの舞曲、ポロネーズ独特のリズムと気品を備えた表現。格式高い、堂々としたテンポが求められます。
→ Alla polacca の詳しい解説を読むアッラ・ルスティカ ・ イタリア語
田舎風に
素朴で野性味のある表現。ヴィヴァルディの協奏曲などで、飾らない力強さを出す際に使われます。
→ Alla rustica の詳しい解説を読むアッラ・シチリアーナ ・ イタリア語
シチリア舞曲風に
独特の付点リズムを持つ、穏やかで牧歌的な美しさ。バロック時代の緩奏楽章で多用されます。
→ Alla siciliana の詳しい解説を読むアッラ・ズィンガラ ・ イタリア語
ジプシー風に
自由奔放なリズムと、情熱的な旋律。ブラームスのハンガリー舞曲などで見られる独特の「うねり」です。
→ Alla zingara の詳しい解説を読むアンゴーシャ ・ イタリア語
苦悩して、苦しげに
「Con angoscia」。深い悲しみや不安、追い詰められた心理状態を音に託します。
アニモ ・ イタリア語
魂、精神
「Con animo (魂を込めて)」。表面的な技術を超えた、内面からの強い意志を込めます。
アッパッショナータメンテ ・ イタリア語
情熱的に、熱烈に
Appassionatoをさらに強調した副詞形。全身全霊を傾けた、激しい表現を促します。
アルデンテメンテ ・ イタリア語
燃えるように
Ardenteの強調。冷めることのない高い熱量を保ち、熱心な表現を持続させます。
アルモニオーゾ ・ イタリア語
調和のとれた、和声豊かな
響きのバランスを重視。美しく整った、澄んだハーモニーを追求します。
アスペラメンテ ・ イタリア語
厳しく、荒々しく、ざらついた
不快なほどの鋭さや硬さ。あえて美しさを排した、衝撃的な表現に使われます。
アウダーチェ ・ イタリア語
大胆に、無謀なほど勇敢に
躊躇を捨てた、一気に突き抜けるような表現。難易度の高い箇所で自信を示す言葉です。
アウスドルック ・ ドイツ語
表現
「Mit Ausdruck (表情豊かに)」。内面的な独白を大切にするドイツ音楽の核心です。
アヴナン ・ フランス語
愛想よく、魅力的な
さらっとした、しかし人目を惹くような軽やかな美しさを指します。
ベガイステルト ・ ドイツ語
感激して、熱狂的に、霊感を受けて
「Geist (精神)」を伴う。高い精神的な昂りと、強い情熱を込めて演奏します。
→ Begeistert の詳しい解説を読むベハークリヒ ・ ドイツ語
心地よく、悠々と、快適に
マーラーの交響曲などで、家庭的な平穏や、くつろいだ満足感を表現する際に使われます。
ベルーィゲント ・ ドイツ語
静まっていく、落ち着いた
興奮を抑え、徐々に平穏を取り戻す過程を描写します。Calando的な要素を含みます。
→ Beruhigend の詳しい解説を読むビッザッロ ・ イタリア語
奇妙な、風変わりな、奇抜な
予期せぬ跳躍や、歪んだ音色。聴き手を驚かせるような、個性的な表現に合います。
ブリオ ・ イタリア語
活気、元気
「Con brio (活気に満ちて)」。聴き手をワクワクさせるエネルギーとスピード感です。
ブッフォ ・ イタリア語
喜劇的な、こっけいな
イタリア語で「滑稽」。オペラでの喜劇役者のための面白おかしい表現を指示します。
カルキュレイテッド ・ 英語
計算された、計算通りの
感情に流されず、精緻に組み立てられた数学的な美しさを強調します。
カルマ ・ イタリア語
静寂、平穏
「Con calma (静かに、落ち着いて)」。凪(なぎ)のような心の平安を保ちます。
カローレ ・ イタリア語
熱さ、熱情、温かみ
「Con calore (温かく、熱情を込めて)」。内側から熱を感じさせる豊かな音色。
ツェーロ ・ イタリア語
熱心に、熱烈に
「Con zelo (熱意を持って)」。ひたむきに、高い集中力を保って演奏することを促します。
ツィンガレーゼ ・ イタリア語
ジプシー風に
「Alla zingarese」。自由奔放なリズムと、野性的な情熱。即興的な揺らぎと鋭いアクセントが魅力です。
→ Zingarese の詳しい解説を読むアドロラート ・ イタリア語
悲しみでいっぱいに
深い悲痛さを湛え、溜め息のようなメロディラインを強調します。胸が締め付けられるような表現です。
→ Addolorato の詳しい解説を読むミット・アウスドルック ・ ドイツ語
表情豊かに
Espressivoに相当。内面から湧き出る感情を、音の抑揚に変えて伝えます。
クレフティヒ ・ ドイツ語
力強く、精力的に
ForteやEnergicoに相当。芯のある、がっしりとした響きで音楽の骨組みを示します。
ファイエルリヒ ・ ドイツ語
おごそかに、祝典的に
Maestosoに近いが、より「儀式的な厳粛さ」を伴います。宗教的な深みを持って演奏されます。
レープハフト ・ ドイツ語
快活に、生き生きと
Vivaceに相当。弾むようなリズムと明るい音色が特長です。
インニヒ ・ ドイツ語
心の底から、親密に、深く
ドイツ語特有の表現。外側への誇示ではなく、内面の深い独白のような親密さを追求します。シューマンの作品で重要です。
クラフトフォル ・ ドイツ語
力強く、エネルギーに満ちて
Kräftigと同義。物理的な強さだけでなく、内側から溢れるパワーを表現します。
→ Kraftvoll の詳しい解説を読むライデンシャフトリヒ ・ ドイツ語
情熱的に、熱情を込めて
Appassionatoに相当。ロマン派の激情を、厚みのある響きで伝えます。
→ Leidenschaftlich の詳しい解説を読むニーダーシュラーゲント ・ ドイツ語
意気消沈して、打ちひしがれて
絶望感や、重い沈黙。低音を強調し、暗く重たい響きを作ります。
エスリアル ・ 英語
この世のものとは思えない、軽やかな
非常に高い音域や、透明な音色。天上から降り注ぐ光のような、神秘的な表現です。
ヴェーニヒ ・ ドイツ語
少し、わずかに
Pocoに相当。変化の度合いを抑え、繊細なニュアンスを加えます。
ドゥ ・ フランス語
心地よい、甘い、静かな
イタリア語のDolce。ベルベットのような柔らかな質感。ドビュッシーやラヴェルの作品で多用されます。
レジェ ・ フランス語
軽やかに
Leggero。空気に溶け込むような、重さを感じさせない滑らかな動きです。
トリスト ・ フランス語
悲しい
MestoやDolente。都会的な孤独や、洗練された哀愁を感じさせる響きを作ります。
グラシュー ・ フランス語
優雅に
Grazioso。宮廷風の気品と、フランス流の洒落たエスプリを効かせます。
ミステリユー ・ フランス語
神秘的に
Misterioso。霧が立ち込めるような、輪郭のぼやけた幻想的な響き。
タンブル(音色) ・ フランス語
楽器の持つ独特の音の性質
同じドの音でも、ピアノとフルートでは「色」が異なります。音楽の豊かな彩りを決める要素です。
→ Timbre の詳しい解説を読むローファイ ・ 英語
あえて音質を落とした心地よい音響
レコードの雑音、カセットの揺れ。デジタルにはない不完全な温もりが、現代的なリラックス感を生みます。
→ Lo-fi の詳しい解説を読むアンダーライニング ・ 英語
下線を引くような強調
映画音楽などで、特定の感情や動きを音楽でなぞるように強調すること。聴き手の注意を一点に集めます。
ブラヴーラ ・ イタリア語
技巧的、華麗、勇壮
「Con bravura (華麗に)」。難度の高いパッセージを難なくこなし、演奏者の卓越した技量を見せつける指示です。
→ Bravura の詳しい解説を読むデコラム ・ 英語/ラテン語
端正、適切、品の良さ
行き過ぎを戒め、その曲のスタイルに最もふさわしい、規律ある演奏を保ちます。
ニュアンス ・ フランス語
微妙な音色の変化
強弱や速度だけでは表せない、繊細な「影」や「彩り」。演奏者の感性が最も試される、デリケートな表現です。
→ Nuance の詳しい解説を読むクァジ ・ イタリア語
〜のように
「Quasi una fantasia (幻想曲風に)」など、限定的、あるいは比喩的な表現を指示する際に使われます。
→ Quasi の詳しい解説を読むホーカス・ポーカス ・ 英語/古典
手品のような、不思議な
意表を突く展開や、魔法のような音色の変化。聴き手を煙に巻くようなユーモラスな表現です。
マンハイムの溜息 ・ ドイツ語/英語
下降する2度のアクセント
ため息をつくような、感情的な下降2度フレーズ。古典派の優雅な哀愁を表現する重要な語彙です。
→ Mannheim sigh の詳しい解説を読むシュトゥルム・ウント・ドラング(疾風怒濤) ・ ドイツ語
激しい感情の爆発
18世紀後半の思潮。ハイドンの中期交響曲などに見られる、短調の激しく不安定な情熱を描きます。
→ Sturm und Drang の詳しい解説を読む多感様式 ・ ドイツ語
繊細な感情表現
C.P.E.バッハなどが確立。一音一音に込められた、移ろいやすく繊細な感情の動きを大切にします。
→ Empfindsamer Stil の詳しい解説を読むアフェクト論(情念論) ・ ドイツ語
音による感情の図式化
バロック時代の理論。特定の音型や調性が特定の感情(喜び、悲しみ等)を表すとされ、客観的な表現を重視します。
→ Affektenlehre の詳しい解説を読む情念論(英語) ・ 英語
アフェクト論の英語名
バロック音楽において、音楽が聴き手の魂に働きかけ、特定の心理状態を引き起こすという理論的基盤です。
→ Doctrine of Affections の詳しい解説を読むマドリガリズム ・ 英語
歌詞の内容を音で描写すること
「天に昇る」で旋律が上がり、「ため息」で音が切れるなど、音楽で言葉を絵画的に表現する技法です。
→ Madrigalism の詳しい解説を読むワード・ペインティング ・ 英語
音による言葉の描写
Madrigalismと同義。音楽を通じて視覚的なイメージや感情を強烈に想起させるルネサンスの粋です。
→ Word painting の詳しい解説を読むアッカレッツェーヴォレ ・ イタリア語
愛撫するように、愛らしく
非常に柔らかく、慈しむようなタッチ。
アニマンド ・ イタリア語
いきいきと、活気づいて
次第にエネルギーを増していく過程。
デリカート ・ イタリア語
繊細に、優美に
壊れそうな美しさ、丁寧な扱い。
デチーゾ ・ イタリア語
きっぱりと、決然と
揺るぎない意志。明確なアタック。
ファストーゾ ・ イタリア語
派手な、贅沢な
輝かしく、圧倒的な存在感。
フォコーゾ ・ イタリア語
燃えるような、熱烈な
Con fuocoと同義。勢いのある表現。
フレッド ・ イタリア語
冷たい、客観的な
感情を排した、ひんやりとした質感。
インペトゥオーゾ ・ イタリア語
激しい、衝動的な
せき立てられるような怒動。
レスト ・ イタリア語
素早い、器用な
てきぱきとした、機敏な動作。
リエート ・ イタリア語
楽しい、嬉しい
明るい喜びに満ちた、晴れやかな表情。
リーリコ ・ イタリア語
叙情的な
内面から湧き出る歌。詩的な情緒。
パチフィコ ・ イタリア語
穏やかな、平和な
波のない海のような、深い安らぎ。
ソアーヴェ ・ イタリア語
甘美な、柔らかな
シルクのような滑らかな質感。
ソノーレ ・ イタリア語
朗々と、響き豊かに
楽器全体を存分に鳴らすオープンな音。
ティモローゾ ・ イタリア語
おずおずと、臆病な
自信なげな、震えるような表現。
ゼローゾ ・ イタリア語
熱心な、熱のこもった
一生懸命さが伝わる、誠実な力強さ。
テネラメンテ ・ イタリア語
優しく、慈しんで
深い愛おしさを伴う表現。
アッバンドナタメンテ ・ イタリア語
身を任せて、情熱的に
制御を解き放ち、感情の流れに身を委ねる。
アンゴシャメント ・ イタリア語
苦しげに
不安と苦悩の入り混じった表情。
カレッザンド ・ イタリア語
愛撫するように
非常に柔らかいニュアンス。
コン・アバンドーノ ・ イタリア語
身を任せて
奔放な感情の露出。
コン・カルマ ・ イタリア語
冷静に、落ち着いて
興奮を抑え、安定した演奏。
デエレガンテ ・ イタリア語
優雅さを欠いた
わざと粗野に、荒っぽく。
デテルミナタメンテ ・ イタリア語
決然と、きっぱりと
迷いのない力強さ。
デヴォート ・ イタリア語
敬虔な、献身的な
祈りを捧げるような響き。
ディスクレツィオーネ ・ イタリア語
控えめに、慎み深く
出すぎず、バランス重視。
エーデル ・ ドイツ語
気高く、上品な
ドイツ語における高貴さ。
アンプレスマン ・ フランス語
熱心に、せっかちに
前のめりなエネルギー。
アントゥジアズム ・ フランス語
熱狂、情熱
昂揚した気分。
エヴォカティブ ・ 英語
喚起させるような
何かの情景や記憶を呼び起こす。
エグザルテーション ・ フランス語
有頂天、高揚
最高潮に達した精神。
フェストリヒ ・ ドイツ語
祝祭的に
華やかな祝いの気分。
フィアーヴォレ ・ イタリア語
弱々しい
か微かな、消え入りそうな。
フレッシビレ ・ イタリア語
柔軟に
硬直せず、音楽にゆとりを。
フリーヴォロ ・ イタリア語
軽薄な、気楽な
真面目すぎない、遊び心。
フレーリッヒ ・ ドイツ語
楽しく
ドイツ語の陽気さ。
ガルバタメンテ ・ イタリア語
上品に、しとやかに
Graziosoに近い。
ジェスティクラント ・ イタリア語
身振りたっぷりに
視覚的な動きを感じさせる演奏。
アバンドーノ ・ イタリア語
気ままに、身を任せて
深い情念と自由。
アッドルチェンド ・ イタリア語
だんだん甘く、和らげて
表情の軟化。
アファシナンテ ・ イタリア語
魅力的な、うっとりさせる
吸い込まれるような美しさ。
アジタタメンテ ・ イタリア語
激しく、昂ぶって
Agitatoの副詞形。
アマビルメンテ ・ イタリア語
愛らしく、優しく
親しみやすい演奏。
アンゴショサメンテ ・ イタリア語
苦しげに
精神的な苦痛の表現。
アニモーゾ ・ イタリア語
いきいきと、勇壮に
魂の込もった力強さ。
アウスドゥルックスフォル ・ ドイツ語
表情たっぷりに
Espressivoのドイツ語。
バッランド ・ イタリア語
踊るように
舞曲のリズムを感じて。
キアーロ ・ イタリア語
澄んだ、明瞭な
にごりのない響き。
チヴェッタンド ・ イタリア語
媚びるように、気どって
あざとい可愛らしさ。
コメ・ソープラ ・ イタリア語
上の(前の)ように
直前の表現を繰り返す。
コン・アバンドーネ ・ イタリア語
(感情を)捨てて、なりゆきで
無造作な情熱。
コン・アッレグレッツァ ・ イタリア語
喜びを持って
明るく活発に。
コン・アウダーチャ ・ イタリア語
大胆に
恐れを知らぬ演奏。
コン・ブラヴーラ ・ イタリア語
妙技を持って
技巧の煌めき。
コン・エントゥジアズモ ・ イタリア語
熱中して
昂揚感。
コン・エスパンシオーネ ・ イタリア語
広がりを持って
伸びやかな響き。
コン・フェルヴォーレ ・ イタリア語
熱烈に
心の底からの情熱。
コン・フランケッツァ ・ イタリア語
率直に、大胆に
嘘偽りのないストレートな響き。
コン・ガルボ ・ イタリア語
優雅に、礼儀正く
節度ある美しさ。
コン・グスト ・ イタリア語
趣味良く、味わい深く
自分なりの表現の工夫。
コン・ラッビア ・ イタリア語
怒り狂って
抑えきれない怒りの爆発。
コン・スランチオ ・ イタリア語
躍動して
勢いのある飛躍。
コン・スアヴィタ ・ イタリア語
優雅に、快く
心地よい柔らかさ。
コン・トリステッツァ ・ イタリア語
悲しみを伴って
静かな悲痛。
コン・ヴィゴーレ ・ イタリア語
活力に満ちて
若々しい力強さ。
コン・ゼーロ ・ イタリア語
熱心に、精出して
ひたむきな努力の響き。
コンフィデンツァ ・ イタリア語
確信を持って、親しげに
落ち着きと自信。
ドルチェメンテ ・ イタリア語
甘く、優しく
Dolceの副詞形。
エネルジカメンテ ・ イタリア語
精力的に
力を込めた強いアタック。
フォコサメンテ ・ イタリア語
熱烈に
火の出るような。
ガウディオーゾ ・ イタリア語
喜びの、嬉しい
華やかな祝い。
ジェメンド ・ イタリア語
うめくように、嘆いて
深い悲しみ。
ジェネローゾ ・ イタリア語
寛大な、豊かな、気高い
出し惜しみしない響き。
ジョコサメンテ ・ イタリア語
陽気に、おどけて
楽しげな副詞。
グランデメンテ ・ イタリア語
雄大に、非常に
スケール感。
グラツィオサメンテ ・ イタリア語
優雅に
上品な副詞。
フュリューズマン ・ フランス語
猛烈に、荒れ狂って
凄まじいエネルギーをぶつける。
リーヴル ・ フランス語
自由に
厳格な枠組みから解放された演奏。
ピアチェーレ ・ イタリア語
好みのままに
自由なテンポや表現(A piacere)。
プーラメンテ ・ イタリア語
純粋に、ありのままに
過剰な味付けを排した、混じり気のない響き。
クイエタメンテ ・ イタリア語
静かに
深い平穏。安らぎに満ちた。
スカテナート ・ イタリア語
鎖を解かれた、野生的に
爆発的な、奔放な力。
セレーノ ・ イタリア語
晴れやかな、穏やかな
雲ひとつない青空のような透徹した心境。
スマニオーゾ ・ イタリア語
狂おしく、いらいらして
焦燥感を伴う激情。
コン・アッリツィオーネ ・ イタリア語
苦しみを持って、悲痛に
内面的な痛みの吐露。
アモローゾ ・ イタリア語
愛らしく、優しく、恋するように
恋愛の情感を込め、柔らかく甘やかな表情を求める指示。
トリオンファンテ ・ イタリア語
勝ち誇ったように、凱旋するように
勝利の喜びを表す、輝かしく力強い表情を求める指示。