Piacevole
ピアチェーヴォレ
意味
楽しく、心地よく
解説
ストレスのない、穏やかな喜び。聴き手の耳を愛撫するような、素直で美しいメロディを奏でます。
音楽用語辞典 & チューナー・メトロノーム
ピアチェーヴォレ
楽しく、心地よく
ストレスのない、穏やかな喜び。聴き手の耳を愛撫するような、素直で美しいメロディを奏でます。
Piacevole は「心地よく」。piacere(気に入る、喜ばせる)から派生した語です。
piacere は「〜の気に入る」という意味の動詞です。したがって piacevole は、演奏者が感じることではなく、聴き手にとって心地よいという状態を指します。amabile が「愛されるにふさわしい」を意味するのと同じく、指示の向きが聴き手の側にあります。
心地よさが目標であるため、強い主張や角のある音とは方向が違います。緊張を作らず、抵抗なく受け取れる響きを保つことが求められます。ただし、平坦にすると退屈になります。無理のない流れを保ちながら、音楽としての起伏は残すという調整が必要です。
a piacere(好きなように)も同じ動詞から来ていますが、こちらは演奏者の裁量を指す語であり、内容がまったく違います。字面が近いため混同されやすい2語です。
ニールセンの弦楽四重奏曲第4番は、第1楽章に「Allegro piacevolo ed indolente」(心地よく、そして気だるく)と記しました。綴りは piacevole ではなく原譜の piacevolo です。この曲は当初、この楽章の指示にちなんで「Piacevolezza」(心地よさ)という題で呼ばれていました。1919年の改訂版では楽章の指示が「Allegro non tanto e comodo」に改められ、題も外されています。piacevole は速度標語の後ろに添えて、その楽章の性格を決める語としても使われることが分かります。
弦楽器
弓を深く沈めず、圧を軽く保ちます。音の始まりに角を立てないことが、聴き手にとっての心地よさに直結します。
管楽器
タンギングを柔らかくして、息の流れを一定に保ちます。強い立ち上がりを作らず、フレーズ全体を一つの流れとして扱います。
ピアノ
打鍵を柔らかくし、内声を出しすぎないようにします。旋律と伴奏の音量差を保ったまま、全体を穏やかに揃えます。
ニールセン 弦楽四重奏曲第4番 第1楽章
1906年2月〜7月に作曲され、1907年11月30日に初演された。第1楽章に「Allegro piacevolo ed indolente」の指示があり、当初はこの楽章にちなんで「Piacevolezza」と題されていた。