Malinconico
マリンコニコ
意味
憂鬱に、物悲しく
解説
晴れない心を表すような、重く湿り気を帯びた響き。ショパンのワルツなどに見られる独特の哀愁です。
音楽用語辞典 & チューナー・メトロノーム
マリンコニコ
憂鬱に、物悲しく
晴れない心を表すような、重く湿り気を帯びた響き。ショパンのワルツなどに見られる独特の哀愁です。
Malinconico は「憂鬱に」。ギリシャ語の melan(黒)と kholē(胆汁)に由来する語です。
古代ギリシャの体液説では、人間の気質は4つの体液の配分で決まると考えられ、黒い胆汁が多い状態が憂鬱な気質にあたるとされていました。melancholy、Melancholie、malinconia はいずれもこの語に由来します。語源が示すのは、一時的な悲しみではなく、気質や状態としての憂鬱です。
mesto や dolente が悲しみそのものを指すのに対して、malinconico は原因が特定されない沈んだ状態を指します。何かを失った嘆きではなく、晴れないという状態です。この違いは、演奏で嘆きの対象を示すか示さないかという扱いの差になります。
名詞形 malinconia を使った con malinconia も同じ内容の指示です。表記の選択の違いです。
弦楽四重奏
原因の特定されない沈んだ状態を出すには、和声が着地せず宙づりのまま進む箇所で、テンポを揺らしすぎずに響きの不安定さそのものを聞かせることが有効です。
ベートーヴェン 弦楽四重奏曲第6番 作品18-6 終楽章「ラ・マリンコニア」
楽章の序奏部分に "La Malinconia" という表題が付され、大胆な和声転換と沈黙を伴う、憂鬱そのものを描いた序奏として知られます。