奏法の音楽用語
223語を掲載(うち108語は詳しい解説ページつき)
同じ記号でも、楽器が変われば操作が変わる
奏法の指示は、楽器の構造と直結しています。スタッカートひとつ取っても、弓を止めるのか、舌で切るのか、指を離すのかは楽器ごとに違います。訳語ではなく「自分の楽器では何をすることになるのか」に置き換えて読む必要があります。
スタッカートは「短く」ではない
staccato の語源は staccare(切り離す)で、音を短くすることではなく、前後の音から切り離すことを指します。結果として短くなることは多いのですが、目的は分離です。そのため、遅い楽章のスタッカートと速い楽章のスタッカートでは実際の長さがまるで違います。テヌートやレガートと対比される概念だと理解すれば、「どのくらい短くするのか」ではなく「どのくらい離すのか」で判断できるようになります。
アーティキュレーションと奏法
スラー、スタッカート、テヌート、アクセントは、音のつなぎ方・切り方を指定するアーティキュレーションです。一方、ピッツィカート、コル・レーニョ、フラッタータンギング、ソルディーノは、楽器の扱い方そのものを変える奏法指示です。前者はどの楽器にも共通する概念ですが、後者は特定の楽器にしか存在しません。スコアを読むときは、この区別がついていると、自分のパートに関係のある指示かどうかがすぐに判断できます。
スラーは二つの意味を持つ
弦楽器にとってスラーは運弓の指示で、その範囲を弓を返さずに弾くことを意味します。管楽器にとってはタンギングの指示で、その範囲を舌で切らないことを意味します。ピアノや声楽ではフレーズの区切りを示す記号として使われることが多く、必ずしも物理的な奏法の指定ではありません。同じ記号が、楽器によって「操作の指定」だったり「フレーズの指定」だったりするため、他パートのスラーを自分の楽器の感覚で読むと誤解が生じます。
記号の位置が意味を変える
奏法記号は、音符の上下どちらに書かれているか、符頭のすぐ横か離れているかで意味が変わることがあります。弦楽器の運弓記号(∏ と ∨)は音符の上に、ピッツィカートやアルコは文字で、指番号は数字で書かれます。強弱記号は五線の下(声楽では上)が原則で、複数パートが同じ五線を共有する場合は、どちらのパートへの指示かを符尾の向きで判断します。楽譜は記号の種類だけでなく配置にも意味を持たせているので、位置も含めて読む習慣をつけると誤読が減ります。
装飾音は「いつ始めるか」が問題
トリル、モルデント、ターン、前打音などの装飾記号で最も判断が必要になるのは、装飾を始める音と、拍のどこで始めるかです。バロックから古典派にかけてのトリルは上の音から始め、拍の頭に置くのが原則でしたが、ロマン派以降は主要音から始める例が増えます。アッチャカトゥーラ(短前打音)は拍の直前に置くか拍の上に置くかで印象が変わります。版によって実施例が異なるため、校訂報告や信頼できる演奏を参照して判断するのが現実的です。
ペダルは耳で決める
ピアノのペダル記号(Ped. と ✳、あるいは水平の括線)は、踏む位置と離す位置を示します。ただし楽譜どおりに踏んでも、楽器とホールが違えば響きは変わります。ペダルの本質は和声を濁らせずに音をつなぐことなので、最終的な判断基準は記号ではなく耳です。和声が変わる瞬間に踏み替える、低音域では浅めに踏む、といった調整が常に必要になります。ウナ・コルダ(左ペダル)は音量ではなく音色を変える装置で、弱音のためだけに使うものではありません。
奏法の用語一覧
Staccato
スタッカート ・ イタリア語
短く、音を切り離して
音の長さを半分程度にし、軽快に跳ねるようなキャラクターを与えます。音楽にリズムのキレと軽やかさをもたらします。
→ Staccato の詳しい解説を読むTenuto
テヌート ・ イタリア語
音の長さを十分に保って
指定された音符の長さを最後までしっかりと、わずかな重みをかけて響かせます。言葉を強調するように大切に弾くのがコツです。
→ Tenuto の詳しい解説を読むFermata
フェルマータ ・ イタリア語
ほどよく延ばす、一時停止
イタリア語で「停留所」。時間の流れを一時止め、その音の余韻や緊張感を十分に味わうための記号です。
→ Fermata の詳しい解説を読むPizzicato
ピッツィカート ・ イタリア語
弦を指ではじく
弓を使わず、右手の指で弦をはじいて短く鋭い音を出します。チェロやコントラバスでは、ジャズのようなウォーキングベースの基盤になります。
→ Pizzicato の詳しい解説を読むGlissando
グリッサンド ・ イタリア語
音の間を滑らせて
離れた2音の間を、隙間なく滑らかに撫でるように移行します。トロンボーンやハープで非常に効果的な表現です。
→ Glissando の詳しい解説を読むTrill
トリル ・ イタリア語
2音を高速で往復させて震わす
主音とその上の音を細かく、素早く反復。装飾として音楽に華やかさや、鳥のさえずりのような質感を与えます。
→ Trill の詳しい解説を読むMarcato
マルカート ・ イタリア語
はっきりと、一音一音を力強く
一つ一音にアクセントを置き、聴衆の心に打ち込むように。行進曲やドラマチックな主題の提示で不可欠です。
→ Marcato の詳しい解説を読むSostenuto
ソステヌート ・ イタリア語
音の響きを十分に保持して
音の緊張感を緩めず、豊かに響かせ続けます。ピアノでは「ソステヌートペダル」を使うことで、特定の音だけを共鳴させることが可能です。
→ Sostenuto の詳しい解説を読むTutti
トゥッティ ・ イタリア語
全員で、総奏
協奏曲などでソリストひとりの場面から、オーケストラ全力の演奏に切り替わる、最もエネルギーの大きな瞬間を指します。
→ Tutti の詳しい解説を読むAppoggiatura
アッポジャトゥーラ ・ イタリア語
前打音、倚音(いおん)
旋律の骨格となる音の前に置かれる装飾音。不協和音から協和音への解決を演出し、強い感情の揺れを生みます。
→ Appoggiatura の詳しい解説を読むPortato
ポルタート ・ イタリア語
一音一音を柔らかく区切る
レガートとスタッカートの中間的な奏法。柔らかい息遣いで、一粒一粒を包み込むように丁寧に演奏します。
→ Portato の詳しい解説を読むLegatissimo
レガティッシモ ・ イタリア語
極めてなめらかに
レガートよりもさらに濃密に音を重ね、切れ目を完全に排した神秘的な響きを作ります。
→ Legatissimo の詳しい解説を読むStaccatissimo
スタッカティッシモ ・ イタリア語
鋭く、非常に短く切って
スタッカートよりもさらに鋭く、針で突くような瞬発力のある点のような音を要求します。
→ Staccatissimo の詳しい解説を読むAlberti bass
アルベルティ・バス ・ イタリア語
分散和音による伴奏
クラシック期のピアノ曲(モーツァルト等)で多用される「ドソミソ」のような伴奏形。軽やかなリズムを作ります。
→ Alberti bass の詳しい解説を読むAltissimo
アルティッシモ ・ イタリア語
極めて高い音域
管楽器等で、標準的な音域を超えた超高音域。倍音操作を駆使した高度な技巧が必要です。
Arpa
アルパ ・ イタリア語
ハープ
ハープを模した奏法や、楽器そのものを指します。分散和音(アルペッジョ)の語源でもあります。
Articolato
アルティコラート ・ イタリア語
はっきりと、明瞭に区切って
一音一音が埋もれないよう、滑舌よく発声(または打鍵)することを要求します。
Battements
バットマン ・ フランス語
拍動、揺らぎ
弦楽器や管楽器で、二つの音の微かな干渉を利用した独特の響き。色彩に陰影を与えます。
Becker
ベッカー ・ ドイツ語
シンバル
ドイツ語圏のスコアでシンバルを指します。鋭い衝撃音の象徴です。
Betont
ベトント ・ ドイツ語
アクセントを置いて
Marcatoに相当。特定の音を力強く、または重みを加えて際立たせます。
Bocca chiusa
ボッカ・キウザ ・ イタリア語
口を閉じて、ハミングで
「鼻歌」のように口を閉じ、柔らかなエコーのような響きを合唱で作ります。
Bouche fermée
ブーシュ・フェルメ ・ フランス語
口を閉じて、ハミング
Bocca chiusaのフランス語。ドビュッシーの「夜想曲」第3楽章などで印象的な効果を上げます。
Bow
ボウ(弓) ・ 英語
弓
弦楽器の表現の要。弓の速度、重さ、場所を変えることで、無限の音色を創り出します。
Bras
ブラ ・ フランス語
腕
奏者の腕の使い方。大きなストロークや、繊細な手首の動きを意識することを指す場合もあります。
Broken chord
ブロークン・コード ・ 英語
和音を崩して弾く
Arpeggioに近いが、より不規則に、和音の構成音をバラバラに鳴らす表現。独特の質感を生みます。
Acciaccatura
アッチャカトゥーラ ・ イタリア語
短前打音
「砕く」が原義。主音とほぼ同時に、あるいは極めて速く弾かれる装飾音。鋭いスパイスのような効果があります。
→ Acciaccatura の詳しい解説を読むAccompagnato
アッコンパニャート ・ イタリア語
伴奏を伴う
Recitativo accompagnatoのように、オーケストラの伴奏を伴う劇的な叙唱部分を指します。
→ Accompagnato の詳しい解説を読むBreak
ブレイク ・ 英語
一時的な沈黙、間
主にジャズやポップスで、リズム隊が一時的に止まり、独奏者が短いフレーズを奏でる劇的な間です。
Sync
シンク ・ 英語
同期
リズムやピッチを他の楽器や映像、メトロノームと完全に一致させること。
Release
リリース ・ 英語
消音の瞬間、余韻の扱い
音の終わり方。丁寧に消すのか、余韻を響かせるのか、演奏の丁寧さが表れます。
Register
レジスター(音域) ・ 英語
音域、特定の高さの範囲
高音域(アッパー・レジスター)や低音域(ロウアー・レジスター)など、音色の個性を指します。
Dämpfer
デンプファー ・ ドイツ語
弱音器(ミュート)
「Mit Dämpfer (弱音器をつけて)」。音量を下げ、音色の色彩をくぐもった幻想的なものに変えます。
Gehalten
ゲハルテン ・ ドイツ語
十分に保持して
Sostenutoに相当。音を短く切らず、フレーズの最後までしっかりとエネルギーを維持します。
Key-click
キー・クリック ・ 英語
キイを叩く音
管楽器で、息を入れずにキイを強く叩くことで生まれる打楽器的な音。現代曲でよく使われます。
Slap tongue
スラップ・タンギング ・ 英語
舌を強く弾く奏法
サックスなどで、舌をリードから急激に引き離し「パチッ」という鋭い音を出します。
Multiphonics
マルチフォニックス(多重音) ・ 英語
単音楽器で和音を出す
特殊な運指と息の制御により、一つの管楽器から同時に複数の音(和音)を響かせます。
→ Multiphonics の詳しい解説を読むSinging while playing
吹きながら歌う ・ 英語
演奏と同時に発声する
楽器の音と奏者の声が干渉し、唸るような独特の響きを生みます。フルートやトロンボーンで効果的です。
Prepared piano
プリパレード・ピアノ ・ 英語
細工をしたピアノ
ジョン・ケージが考案。ピアノの弦にゴムやネジを挟み、打楽器のような音色に変えて演奏します。
→ Prepared piano の詳しい解説を読むString piano
ストリング・ピアノ ・ 英語
内部奏法
鍵盤を弾かず、ピアノの中の弦を直接指で弾いたり(撥弦)、擦ったりして幻想的な音を出します。
→ String piano の詳しい解説を読むSnap pizzicato
スナップ・ピッツィカート ・ 英語
バルトーク・ピッツィカートと同義
弦を強くはじき、指板に当てる音。パチンという衝撃音が音楽にアクセントを加えます。
→ Snap pizzicato の詳しい解説を読むBridge glissando
ブリッジ・グリッサンド ・ 英語
駒の上を滑らせる
弦楽器で、駒の上を弓で横に滑らせ、ノイズ混じりの不気味な高音を出します。
Artificial harmonics
人工ハーモニクス ・ 英語
押弦と接触を併用する倍音
一本の指で弦を押さえ、別の指で軽く触れて倍音を出します。複雑な旋律も倍音で奏でられます。
→ Artificial harmonics の詳しい解説を読むScrape
スクレイプ ・ 英語
こする奏法
シンバルを撥の柄でこすったり、弦を爪でこすったりして、金属的な摩擦音を発生させます。
Dead note
デッド・ノート ・ 英語
音程のない打撃音
弦をミュートして弾き、音程を消した「アタック音」だけを強調します。ファンク等で重要です。
Celesta
チェレスタ ・ イタリア語
天国のような音の楽器
ピアノに似た鍵盤楽器だが、金属板を叩いて澄んだ鐘のような音を出します。「くるみ割り人形」で有名。
→ Celesta の詳しい解説を読むHarpsichord
ハープシコード(チェンバロ) ・ 英語
爪ではじいて鳴らす鍵盤楽器
バロック時代を象徴する楽器。音量の強弱はつけにくいが、きらびやかで繊細な響きが魅力です。
→ Harpsichord の詳しい解説を読むGlass harmonica
グラス・ハーモニカ ・ 英語
グラスを回転させて音を出す楽器
水の入ったグラスを擦る音。モーツァルトが愛した、極めて幻想的で透き通った音色です。
→ Glass harmonica の詳しい解説を読むTheremin
テルミン ・ 英語
手を触れずに奏でる電子楽器
電磁場の中で手を動かしてピッチと音量を操ります。幽霊のような、滑らかなスライド音が特長です。
→ Theremin の詳しい解説を読むOndes Martenot
オンド・マルトノ ・ フランス語
フランスの初期電子楽器
鍵盤やリングで音を操り、人間の声を模したような歌うような音色から爆発音まで多彩に表現します。
→ Ondes Martenot の詳しい解説を読むDidgeridoo
ディジュリドゥ ・ 英語(原住民)
オーストラリアの民族楽器
蟻が食い抜いたユーカリの木で作る。循環呼吸を使い、倍音豊かな独特のドローン音を出し続けます。
→ Didgeridoo の詳しい解説を読むShamisen
三味線 ・ 日本語
3本の弦を持つ日本の撥弦楽器
大きな撥で弦と皮を同時に叩き、打楽器的な要素と「サワリ」と呼ばれる独特な唸りが共存します。
→ Shamisen の詳しい解説を読むKalimba
カリンバ(親指ピアノ) ・ アフリカ諸語
親指で金属片を弾く楽器
オルゴールのような素朴で優しい音。箱の共鳴を利用し、温かみのあるメロディを奏でます。
Steelpan
スティールパン ・ 英語
ドラム缶から作られた旋律打楽器
カリブ海のトリニダード発祥。カリビアン・ブルーを思わせる、陽気で瑞々しい響きが特長です。
→ Steelpan の詳しい解説を読むBandoneon
バンドネオン ・ ドイツ語/スペイン語
タンゴに不可欠なアコーディオンの仲間
「タンゴの魂」。蛇腹を開閉し、時に激しく、時にすすり泣くような深い哀愁ある音を奏でます。
→ Bandoneon の詳しい解説を読むSenza
センツァ ・ イタリア語
〜なしで
「Senza sordino (弱音器なしで)」のように、特定の奏法をしないことを指示します。
Con
コン ・ イタリア語
〜を伴って
「Con brio (活気をもって)」のように、特定の表情や奏法を伴うことを指示します。
Souple
スープル ・ フランス語
柔軟に、しなやかに
硬さを嫌い、水の流れのように自由でしなやかなフレーズ運びを要求します。
Tacet
タセット ・ ラテン語
休み、沈黙
その楽章や長いセクションの間、全く演奏しないことを指示します。
Breath mark
ブレス記号 ・ 英語
息継ぎ
演奏の区切りで息を吸います。歌や管楽器だけでなく、弦楽器やピアノでも「音楽の呼吸」として重要です。
→ Breath mark の詳しい解説を読むSimile
シーミレ ・ イタリア語
前と同様に続けて
スタッカートなどの指示を書き続ける代わりに、「同様に」と省略する記号です。
Coll'ottava
コル・オッターヴァ ・ イタリア語
オクターブを重ねて
記された旋律に、自動的に1オクターブ上(または下)の音を加えて弾くことを指示します。
Bartók pizzicato
バルトーク・ピッツィカート ・ 英語
強くはじき上げるピッツィカート
弦を指で垂直につまみ上げ、指板(指押さえ)に強く叩きつけます。「パチン」という鋭い打撃音が発生します。
→ Bartók pizzicato の詳しい解説を読むCol legno
コル・レーニョ ・ イタリア語
弓の棹(木の部分)で弾いて
弓の毛ではなく、木の部分で弦を叩いたり、こすったりします。カサカサとした乾燥した独特の音がします。
→ Col legno の詳しい解説を読むSul ponticello
スル・ポンティチェロ ・ イタリア語
駒の近くで弾いて
弦を支える「駒」の極めて近くを弓でこすります。倍音が多く含まれ、金属的で不気味な音がします。
→ Sul ponticello の詳しい解説を読むSul tasto
スル・タスト ・ イタリア語
指板の上で弾いて
指板(指で押さえる板)の上で弓を動かします。音がこもり、フルートのような柔らかい音色になります。
→ Sul tasto の詳しい解説を読むFlautando
フラウタンド ・ イタリア語
フルートのような音色で
弓を速く、かつ軽く動かすことで、息が漏れるような透明感のある音を出します。Sul tastoと併用されることが多いです。
→ Flautando の詳しい解説を読むPortamento
ポルタメント ・ イタリア語
滑らかに音を繋いで
一音から次の一音へ、わずかに音をずらしながら繋ぐ奏法。声楽や弦楽器で、感情の揺れを表現するのに使われます。
→ Portamento の詳しい解説を読むTremolo
トレモロ ・ イタリア語
音を震わせて
非常に速い反復。弦楽器では弓を細かく動かし、ピアノでは音を素早く交互に弾きます。緊迫感や高揚感を生みます。
→ Tremolo の詳しい解説を読むArpeggio
アルペッジョ ・ イタリア語
和音を順に弾いて(分散和音)
和音の構成音を、下から上へ(あるいは上から下へ)順番にバラして弾きます。ハープのような広がりが出ます。
→ Arpeggio の詳しい解説を読むMartellato
マルテラート ・ イタリア語
ハンマーで叩くように
「martello (金槌)」。一音一音を非常に力強く、鋭く切り離して弾き、強烈なアクセントを与えます。
→ Martellato の詳しい解説を読むDouble tongue
ダブルタンギング ・ 英語
舌を2回動かして速く区切る
「トゥ・ク」という舌の動き。シングルタンギングでは追いつかない速いパッセージを、管楽器で奏する際に用います。
→ Double tongue の詳しい解説を読むFlutter-tongue
フラッター・タンギング ・ 英語
舌を震わせて奏する
巻き舌(ドイツ語のRの発音)をしながら楽器を吹き、唸るような刺々しい特殊な響きを出します。
→ Flutter-tongue の詳しい解説を読むFrullato
フルッラート ・ イタリア語
フラッター・タンギング
Flutter-tongueのイタリア語。ドビュッシーやマーラー、シュトラウスの作品で重要な色彩効果です。
→ Frullato の詳しい解説を読むOpen
オープン ・ 英語
弱音器、あるいはストップを外して
装着していた弱音器を外し、楽器本来の鋭く開放的な響きに戻します。あるいは金管楽器の手を離す指示です。
Stopped
ストップ奏法 ・ 英語
ベルを塞いで奏する
ホルンのベルに右手を深く差し込み、音量を抑えて刺すような鋭い音色を出します。音程が半音程度上がるため運指で工夫します。
→ Stopped の詳しい解説を読むGestopft
ゲシュトップト ・ ドイツ語
ストップ奏法
ホルンの特殊奏法。イタリア語では「chiuso」。非常に緊張感のある、金属的でくぐもった響きが求められます。
→ Gestopft の詳しい解説を読むBouche
ブーシェ ・ フランス語
閉じて、ストップして
StoppedやGestopftのフランス語。ホルンのベルを塞ぐことを指示します。
Con sordino
コン・ソルディーノ ・ イタリア語
弱音器をつけて
Muteと同義。内省的でデリケートな場面、あるいは特殊な音響効果を狙う際に現れます。
→ Con sordino の詳しい解説を読むSenza sordino
センツァ・ソルディーノ ・ イタリア語
弱音器を外して
弱音器による制約を解き放ち、楽器が持つ本来の輝かしい響きを完全に取り戻します。
Scordatura
スコルダトゥーラ ・ イタリア語
変則的な調弦
弦楽器の音程を標準とは異なる設定にします。本来出せない音を出したり、独特の共鳴を得るための技術です。
→ Scordatura の詳しい解説を読むHarmonics
ハーモニクス ・ 英語
倍音、フラジオレット
弦を完全には押さえ込まず、特定の箇所にそっと触れることで、澄んだ笛のような高い倍音を出します。
→ Harmonics の詳しい解説を読むFlageolet
フラジオレット ・ フランス語
ハーモニクス
Harmonicsに相当。クリスタルのような、浮世離れした美しく透明感のある響きです。
Bassoon
バスーン(ファゴット) ・ 英語/ドイツ語
低音のダブルリード木管楽器
とぼけたようなユーモラスな音色から、重厚なドラマまでを演じ分ける「オーケストラの道化役」です。
→ Bassoon の詳しい解説を読むSaxophone
サクソフォーン ・ フランス語/英語
アドルフ・サックスが発明した金属製木管楽器
木管の柔軟性と金管のパワーを併せ持つ。ジャズからクラシックまで、人間の声に近い歌心が特長です。
→ Saxophone の詳しい解説を読むTrumpet
トランペット ・ 英語
金管楽器の主役
華やかで鋭い音色。ファンファーレや、輝かしい旋律を奏でる際に圧倒的な存在感を放ちます。
Trombone
トロンボーン ・ 英語/イタリア語
スライドで音程を変える金管楽器
神の楽器。人の声に近い重厚なハーモニーを奏で、スライドによる滑らかな移動(グリッサンド)も得意です。
→ Trombone の詳しい解説を読むBass drum
バス・ドラム(大太鼓) ・ 英語
巨大な太鼓
心臓の鼓動のような深い響き。音楽のスケール感を決定づける、迫力ある低音です。
Cymbals
シンバル ・ 英語
金属製の打楽器
爆発的な閃光。一点で劇的なクライマックスを作り出す、最強のアクセントです。
Harp
ハープ ・ 英語
多数の弦を持つ撥弦楽器
優雅な形状と、天国から降り注ぐようなアルペッジョの美しさ。幻想的な色彩を加えます。
Double bass
ダブルベース(コントラバス) ・ 英語
最大の弦楽器
音楽の、そしてオーケストラの物理的な土台。その重低音が全体を支え、包み込みます。
→ Double bass の詳しい解説を読むLute
リュート ・ 英語
梨型の弦楽器
ルネサンス・バロックを代表する家庭の楽器。内省的で、甘く切ない繊細な響きを持ちます。
Recorder
リコーダー ・ 英語
縦笛の一種
素朴で透明感のある音色。古い時代の純真な響きを今に伝えます。
Viola da gamba
ヴィオラ・ダ・ガンバ ・ イタリア語
脚で持つ弦楽器
チェロの前身にあたる、フレットのある弦楽器。鼻にかかった、高貴で繊細な古い響きです。
Theorbo
テオルボ ・ イタリア語/英語
巨大な長いリュート
非常に長いネックを持ち、深い低音が出る撥弦楽器。バロックの通奏低音で活躍します。
Augmentation
拡大 ・ 英語
音の長さを倍にする
主題のスピードを半分にし、壮大で威厳のある雰囲気を作り出します。フーガの最後に現れることが多いです。
→ Augmentation の詳しい解説を読むInversion
反行(転回) ・ 英語
旋律の上下をひっくり返す
「鏡の中の像」。上がるところを下げ、下げるところを上げる。知性的で新鮮な驚きを与えます。
→ Inversion の詳しい解説を読むRetrograde inversion
逆行反行 ・ 英語
ひっくり返して後ろから弾く
「鏡像の逆走」。極めて高度で数学的な旋律変化。耳では気づきにくいが、構造に深い統一感を与えます。
Sequence
シーケンス(同型反復) ・ 英語
同じ音型を別の高さで繰り返す
「Rosalia(ロザリア)」。エスカレーターのように少しずつ音程を上げ下げし、音楽に推進力を与えます。
Pedal point
ペダル・ポイント(持続音) ・ 英語
低域で一つの音を長く保つ
オルガンの足鍵盤(ペダル)が語源。上に乗る和音が変わっても低音が居座り、緊張感と終結感を作ります。
Organ point
オルゲルプンクト ・ ドイツ語
ペダル・ポイント
Pedal pointのドイツ語。バッハのオルガン曲などで極めて重要な役割を果たす持続音です。
Hemiola
ヘミオラ ・ ギリシャ語
3拍子の中で2拍子のリズムを感じさせる技法
バロックやブラームスで頻出。拍の伸縮による心地よい揺らぎや、終結への「溜め」を作ります。
→ Hemiola の詳しい解説を読むDjembe
ジェンベ ・ アフリカ諸語
西アフリカの杯型太鼓
手で叩く。大地を揺らす重低音から突き抜ける高音まで。生命の躍動そのものである圧倒的なリズムを刻みます。
→ Djembe の詳しい解説を読むJam Session
ジャム・セッション ・ 英語
即興的な共同演奏
事前の打ち合わせなし。互いの音を聴き、その場で音楽を組み立てていく、ライブならではの醍醐味です。
Beatboxing
ボイスパーカッション ・ 英語
口や喉で打楽器の音を出す技法
自分自身がドラムセット。ヒップホップやアカペラで、驚異的なリズムと音響効果を生み出します。
Coloratura
コロラトゥーラ ・ イタリア語
華麗な装飾を伴う歌唱
超高音域のトリルや速いパッセージを駆使した、技巧的で華やかな歌。オペラのヒロインが感情を爆発させる場面に現れます。
Falsetto
ファルセット ・ イタリア語
裏声(仮声)
地声とは異なる、頭のてっぺんから抜けるような高い声。繊細で透明感のある表現や、超高音域のカバーに使用します。
→ Falsetto の詳しい解説を読むIdiomatic
イディオマティック ・ 英語
その楽器にふさわしい
楽器の特性を最大限に活かした書き方や奏法。弦楽器なら開放弦の響き、ピアノなら自然な手の動きに基づいた表現を指します。
Keyboard
鍵盤 ・ 英語
鍵盤、キーボード
ピアノ、オルガン、チェンバロ、シンセサイザー等の総称。多彩な音域と和音を一人で司る「小さなオーケストラ」です。
Melisma
メリスマ ・ ギリシャ語/イタリア語
一つの音節に多くの音を当てる歌唱
言葉の意味よりも、旋律の流麗さや感情の揺れを強調します。グレゴリオ聖歌から現代ポップスまで見られる技法です。
→ Melisma の詳しい解説を読むRecitativo
レチタティーヴォ ・ イタリア語
叙唱、語るような歌
物語を前進させるセリフのような歌。伴奏は最小限に抑えられ、歌手は言葉のイントネーションを重視して演奏します。
→ Recitativo の詳しい解説を読むXylophone Style
シロフォン・スタイル ・ 英語
木琴のような乾いた音色で
音の余韻を残さず、一音一音を短く硬く弾くことで、打楽器的なユーモラスな響きを作ります。
Yodel
ヨーデル ・ ドイツ語/英語
地声と裏声を交互に出す歌唱
アルプスの民俗音楽。大きな音程の跳躍を伴い、山々に響き渡るような開放的で楽しげな響きです。
Bel canto
ベル・カント ・ イタリア語
美しい歌
無理のない発声で、滑らかに、かつ華麗に歌う伝統的な唱法。イタリア・オペラの黄金時代を支えました。
Glissato
グリッサート ・ イタリア語
滑らせて弾く
Glissandoの変形。一気に撫でるように音を繋ぎ、音楽に水の流れや突風のような動きを与えます。
Just intonation
ジャスト・イントネーション(純正律) ・ 英語
濁りのない完全な和音の調律
主要な和音が唸りを伴わず完璧に美しく響く調律。合唱やブラスアンサンブルで、至高の透明感を作り出します。
→ Just intonation の詳しい解説を読むKlavier
クラヴィーア ・ ドイツ語
鍵盤楽器の総称
「Das Wohltemperierte Klavier(平均律クラヴィーア曲集)」のように、チェンバロやピアノ、オルガンを含みます。
Parlando
パルランド ・ イタリア語
言葉を話すように
滑らかなレガートを避け、音節のキレを重視します。コミカルな場面や、訴えかけるような場面で効果的です。
Tessitura
テシトゥーラ ・ イタリア語
その曲で最も使われる音域
実際の音域(レンジ)だけでなく、最も長く歌い、中心となる高さの状態。奏者の負担や響きの質を左右します。
Vocalise
ヴォカリーズ ・ フランス語
母音だけで歌う歌
歌詞を排し、声という楽器の純粋な響きと旋律そのものを味わいます。ラフマニノフの作品が有名です。
→ Vocalise の詳しい解説を読むGrand piano
グランドピアノ ・ 英語
大演奏会用ピアノ
水平に張られた弦と複雑なアクションが、圧倒的なダイナミクスと表情の豊かさを可能にする鍵盤楽器の王様です。
Intonation
イントネーション(抑制) ・ 英語
正確な音程のコントロール
「音の高さ」だけでなく、旋律の中での言葉のような抑揚。演奏の清潔感と説得力を決める最も基本で重要な要素です。
Neck
ネック ・ 英語
楽器の首、指板の部分
弦楽器の音程を決める場所。奏者の指の動きが最も活発に行われる、表現の接点です。
Mannheim rocket
マンハイム・ロケット ・ ドイツ語/英語
急速に上昇する分散和音
マンハイム楽派が確立。下から上へ突き抜けるような上昇フレーズで、音楽に強烈な推進力を与えます。
→ Mannheim rocket の詳しい解説を読むInequality
イネガリテ(Notes inégales) ・ フランス語/英語
均等な音符を不均等に弾く
フランス・バロック奏法の粋。楽譜通りの8分音符を長短を付けて弾くことで、優雅な「揺らぎ」を生みます。
→ Inequality の詳しい解説を読むDouble dotting
複付点(バロック奏法) ・ 英語
付点音符をより鋭く弾く
序曲などで、付点音符を極限まで短く、鋭く弾くことで、威厳と緊張感に満ちた祝典的な響きを作ります。
→ Double dotting の詳しい解説を読むImprovisation
インプロヴィゼーション ・ 英語
即興演奏
楽譜に頼らず、その瞬間のインスピレーションで音楽を紡ぎます。高い技術と理論、そして感性が要求される究極の表現です。
Overdrive
オーバードライブ ・ 英語
歪んだ音色
アンプの過大入力などによって生まれる、温かくも荒々しい音色。ロックギターを象徴する力強い響きです。
Distortion
ディストーション ・ 英語
強烈に歪んだ音色
オーバードライブよりも激しく、持続音の長いノイズ混じりの音。感情の爆発や圧倒的なパワーを表現します。
Reverb
リバーブ ・ 英語
残響効果
広いホールや教会で音が響くような余韻を加えます。空間の広がりや神秘的な雰囲気を作るのに不可欠です。
Delay
ディレイ ・ 英語
遅延効果
弾いた音がやまびこのように遅れて繰り返される効果。幻想的な空間や複雑なリズムパターンを作ります。
Sustain
サステイン ・ 英語
音の持続、余韻
音が鳴り始めてから消えるまでの時間。ピアノのペダルやアンプの効果を使い、響きの豊かさを調整します。
Legato sempre
レガート・センプレ ・ イタリア語
常に滑らかに
曲の終わりまで一貫した姿勢。
All’ ottava
アロッターヴァ ・ イタリア語
オクターブ上で
楽譜の表記より1オクターブ高く。
Articulato
アルティクラート ・ イタリア語
はっきりと発音して
一音一音の輪郭を明快に。
Bassa
バッサ ・ イタリア語
低く
1オクターブ低く演奏する指示。
Col basso
コル・バッソ ・ イタリア語
低音部と一緒に
低音楽器と同じ動きを指示する。
Coperto
コペルト ・ イタリア語
覆われた、弱音器をかけた
ティンパニ等に布を被せる指示。
Equivalente
エクィヴァレンテ ・ イタリア語
同等の、同じ価値の
音価や強さを揃える。
Ettacca
エッタッカ ・ イタリア語
休みなく次に続く
Attaccaの別表記。
Flagelletto
フラジェレット ・ イタリア語
ハーモニクス
倍音を利用した透明な高音。
Gaucher
ゴーシェ ・ フランス語
左手で
左手のみ、または重視。
Col pollice
コル・ポッリチェ ・ イタリア語
親指で
ピアノやギターで親指の使用を明示する。
Muta in...
ムータ・イン... ・ イタリア語
〜に持ち替える
管楽器やティンパニの調子の変更を指示。
Cuivre
キュイヴレ ・ フランス語
金属性の音で、強烈に
真鍮が鳴り響くような、バリバリとした強音。
Melismatic
メリスマ的な ・ 英語
1音節に多くの音を当てる
装飾的な歌唱スタイル。
Syllabic
シラブル的な ・ 英語
1音節に1音を当てる
言葉をはっきりと伝えるスタイル。
Accento
アッチェント ・ イタリア語
アクセント。強調。
明確な際立ち。
Alzamano
アルツァマーノ ・ イタリア語
手を上げて
特定の休止や動作の指示。
Arpeggiato
アルペッジャート ・ イタリア語
アルペジオで弾かれた
ハープのように一音ずつ。
Attaccare
アッタッカーレ ・ イタリア語
攻撃するように、すぐに着手する
休止なき開始。
Battitacco
バッティタッコ ・ イタリア語
(靴の)かかとで拍子を取る
民俗的な、あるいは前衛的な指示。
Colla destra
コッラ・デストラ ・ イタリア語
右手で
ピアノ等で右手の使用を指示。
Frappe
フラッペ ・ フランス語
叩かれた
鋭い衝撃。
Glissandando
グリッサンダンド ・ イタリア語
滑らせながら
連続的な音高変化。
A due
ア・ドゥーエ ・ イタリア語
二人(二つの楽器)で一緒に
1番と2番の奏者が同一のパートを奏でる指示。
Dampfer auf
デンプファー・アウフ ・ ドイツ語
弱音器をつけて
管楽器や弦楽器の消音指示。
Dampfer ab
デンプファー・アップ ・ ドイツ語
弱音器を外して
通常の音色に戻す指示。
Main droite
マン・ドロワット ・ フランス語
右手で
ピアノ等の右手演奏指示。
Main gauche
マン・ゴーシュ ・ フランス語
左手で
ピアノ等の左手演奏指示。
Ossia
オッシア ・ イタリア語
あるいは、または(代奏案)
技術的な難易度を下げたり、異なる装飾の代案を示す。
Cembalere
チェンバレーレ ・ イタリア語
チェンバロのように弾く
古楽器風のアーティキュレーションの要求。
Détaché
デタシェ ・ フランス語
弓を返すごとに1音ずつ独立させて弾く
なめらかでありながら粒立ちのある発音を作る、弦楽器の基本ボウイング。
Martelé
マルテレ ・ フランス語
「打たれたように」鋭く区切って弾く
弓を弦に止めてから勢いよく離し、各音の始まりに鋭いアクセントを与える。
Louré
ルーレ ・ フランス語
1弓の中で音をわずかに区切りながら滑らかに弾く
レガートに近いが、音と音の間に弓の圧をわずかに緩める間を作る奏法。
Ricochet
リコシェ ・ フランス語
弓を弦の上で跳ねさせ、連続した音を出す
弓を落とした勢いのまま自然に跳ねさせ、一弓で複数の短い音を生む。
Jeté
ジュテ ・ フランス語
弓を投げるように弦に落とし、跳ねさせる
弓を跳ねさせて連続音を出す奏法。Ricochetとほぼ同義で使われる。
Bariolage
バリオラージュ ・ フランス語
開放弦と押さえた弦で同じ音を交互に弾く
弦を素早く行き来し、音色が明滅するような効果を生む奏法。
Bisbigliando
ビズビリアンド ・ イタリア語
「ささやくように」
ハープで、同じ音を異名同音の弦で交互に弾き、震えるような効果を作る。
Circular breathing
サーキュラー・ブレシング ・ 英語
循環呼吸
鼻から息を吸いながら頬の空気で楽器を鳴らし続け、音を途切れさせない管楽器の呼吸法。
Una corda
ウナ・コルダ ・ イタリア語
「1本の弦で」。ピアノの左ペダルの指示
鍵盤とハンマーの位置をずらし、打つ弦の数を減らして音色を柔らかくする。
Tre corde
トレ・コルデ ・ イタリア語
「3本の弦で」。ウナ・コルダを解除する指示
左ペダルを戻し、通常どおりすべての弦を打たせる状態に戻す。
Sul G
スル・ソル ・ イタリア語
「G線上で」
ヴァイオリン属で、指定した音をすべて最も低いG線だけで弾かせる指示。
Legno battuto
レーニョ・バットゥート ・ イタリア語
弓の木の部分で弦を叩く
col legnoの一種。弓の毛ではなく木部で弦を打ち、乾いた打楽器的な音を出す。
Legno tratto
レーニョ・トラット ・ イタリア語
弓の木の部分で弦をこすって弾く
col legnoの一種。弓の木部を弦に当てたまま動かし、かすれた特殊な音色を作る。
Open string
オープン・ストリング ・ 英語
開放弦
左手で弦を押さえず、弦全体をそのまま響かせて出す音。小さな円の記号で示される。
Thumb position
サム・ポジション ・ 英語
親指ポジション
チェロなどで、左手の親指を弦の上に横向きに乗せて押さえる高音域の奏法。
Nail pizzicato
ネイル・ピッツィカート ・ 英語
爪を使ったピッツィカート
指の腹ではなく爪で弦をはじき、通常より硬く鋭い音を出す。
Natural harmonics
ナチュラル・ハーモニクス ・ 英語
自然倍音奏法
弦を押さえきらず軽く触れることで、基音を消してその上の倍音だけを響かせる。
→ Natural harmonics の詳しい解説を読むString crossing
ストリング・クロッシング ・ 英語
移弦
弓で複数の弦を素早く行き来する技術。滑らかな移弦と跳ねる移弦の両方がある。
Vibrato ondulato
ヴィブラート・オンドゥラート ・ イタリア語
波打つように揺れ動くヴィブラート
通常より幅の広い、うねるようなヴィブラートを指示する。楽譜には波線で示されることが多い。