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vib.

Vibrato

ヴィブラート

奏法 🌐 イタリア語

意味

音を震わせて響かせる

解説

ピッチ(音の高さ)を微細に上下させ、響きに奥行きと温かみ、人間らしい表情を与えます。

Vibrato は vibrare(震わせる)から来た語で、音の高さをわずかに揺らして響きに生命感を与える技法。装飾ではなく、音そのものの一部です。

速さと幅は別々に制御する

ビブラートには「どのくらい速く揺らすか」と「どのくらい広く揺らすか」の二つの要素があり、これらは独立して変えられます。速く狭いビブラートは緊張感を、遅く広いビブラートは温かさを生みます。この二つを混同して一種類しか使えないと、どんな曲でも同じ表情になってしまいます。まず速さだけ、次に幅だけを変える練習を分けて行うのが有効です。

かけ続けないという選択

20世紀の演奏習慣では、すべての音にビブラートをかけるのが一般的でした。しかし古楽の研究が進み、バロックや古典派では装飾的に用いられていたことが分かってきています。かけない音があるからこそ、かけた音が際立ちます。長い音の入りをノンビブラートで始め、途中からかけていく手法は、様式を問わず有効です。

演奏のヒント

弦楽器

指先ではなく腕や手首から動かします。指だけで作ると幅が狭く、音程も不安定になります。

管楽器

横隔膜または喉で作ります。喉のビブラートは速くなりがちなので、息の支えで制御するのが基本です。

声楽

意識的に作るものではなく、脱力した発声から自然に生じるものとされます。

混同しやすい用語

この指示が使われる曲

マーラー 交響曲第5番 第4楽章「アダージェット」

弦のビブラートの質が、そのまま楽章の性格になります。

バッハ 無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータ

ビブラートをかけない選択が、様式判断として問われる作品です。

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