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Staccato

スタッカート

奏法 🌐 イタリア語

意味

短く、音を切り離して

解説

音の長さを半分程度にし、軽快に跳ねるようなキャラクターを与えます。音楽にリズムのキレと軽やかさをもたらします。

Staccato は staccare(切り離す)の過去分詞で、「切り離された」。「短く」ではなく「切り離す」であることが、この記号を読み解く鍵です。

「短く」と「切り離す」の違い

音価をおよそ半分にする、という説明が広く使われますが、これは目安にすぎません。staccato が求めているのは、前後の音とのつながりを断つことであって、可能な限り短くすることではありません。ゆったりした楽章の staccato は、速い楽章のそれよりずっと長く保たれます。音を短くしすぎると、軽やかさではなく神経質さが出てしまいます。まず「隣の音と切り離す」を満たし、そのうえでテンポと曲想に見合う長さを選んでください。

様式によって別物になる

同じ点の記号でも、時代によって想定される音は大きく異なります。モーツァルトやハイドンの staccato は、音を短く弾き飛ばすというより、一音ずつ独立させて明晰さを出すためのものです。一方、20世紀以降の作品では鋭く打楽器的な発音を求める場合があります。楽譜の点だけを見て一律に処理せず、その作曲家が何を求めているかを、周囲のアーティキュレーションから読み取るのが実践的です。

演奏のヒント

ピアノ

指先だけで弾くと硬くなります。手首の弾力を使い、鍵盤から抜くように。ペダルは原則外しますが、和声を保つために浅く踏む選択もあります。

弦楽器

弓を弦に置いて止めるか(マルテレ系)、弾ませるか(スピッカート)で音色がまったく変わります。楽譜の点だけでは決まらないため、曲想から選びます。

管楽器

舌で音を「止める」のではなく、息は流し続けたまま舌で区切ります。息まで止めると、次の音の発音が遅れます。

混同しやすい用語

この指示が使われる曲

ドビュッシー「子供の領分」より「ゴリウォーグのケークウォーク」

切り離すことでリズムの輪郭が立ち、おどけた性格が生まれます。

モーツァルト ピアノソナタ K.331 第3楽章「トルコ行進曲」

左手の切り離しが、行進の足取りそのものを作っています。

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