Replica
レプリカ ・ イタリア語
繰り返し
「Da Capo senza replica (繰り返さずに最初へ戻る)」などの形で、反復の有無を指定します。
音楽用語辞典 & チューナー・メトロノーム
277語を掲載(うち143語は詳しい解説ページつき)
このカテゴリには、繰り返しや飛び先を指示する記号と、曲の部分の名前が含まれます。演奏の内容ではなく「進行の道順」を決めるものが中心で、読み違えると本番で事故になります。
D.C.(ダ・カーポ)は曲頭へ、D.S.(ダル・セーニョ)はセーニョ記号へ戻ります。戻ったあとどこで終わるかは、Fine か、コーダ記号(𝄌)と al Coda の指示で決まります。よくある事故は、2回目の通過で1番括弧に入ってしまうこと、そして D.S. al Coda で戻ったあとコーダへ飛ぶのを忘れることです。初見の前に、反復記号だけを拾って進行順を一度書き出しておくと、この種のミスはほぼ防げます。
Coda はイタリア語で「尾」。楽曲や楽章の最後に付け加えられた終結部を指します。単に終わりの数小節という意味ではなく、主要な構造が終わったあとに置かれる補足的な部分という位置づけです。Codetta はその縮小形で、より短い終結や、楽章内の小さな区切りの終わりに使われます。ソナタ形式では提示部の終わりに codetta が置かれることが多く、これが繰り返しの折り返し点になります。
Introduzione(序奏)、Esposizione(提示部)、Sviluppo(展開部)、Ripresa(再現部)、Trio(中間部)といった名前は、楽譜に書かれていなくても構造として存在します。譜読みの最初に、主題が戻ってくる位置と調が変わる位置に印を付けておくと、暗譜も分析も一気に楽になります。特に再現部は、提示部と同じに見えて調だけが違うことが多いので、違いのある小節を先に洗い出しておくと練習の効率が上がります。
simile(同様に)、segue(続けて)、bis(2回)、G.P.(総休止)などは、書くべき内容を省略するための記号です。simile はそれまでのアーティキュレーションやペダルの扱いを継続する指示で、何を継続するのかは文脈から判断します。長休符の数字は小節数を表し、パート譜では数十小節分が1つの記号にまとめられます。こうした省略は紙面を減らすためのものですが、初見では見落としやすい箇所でもあります。
合奏で「Cの4小節前から」と言われたときの C が、リハーサル記号です。アルファベットか数字で示され、多くの場合は構造上の区切りに置かれます。小節番号とは別系統なので、パート譜とスコアで番号が食い違うことがあり、合奏では原則としてリハーサル記号を基準に位置を指定します。譜読みの段階で、リハーサル記号がどの構造の切れ目に対応しているかを確認しておくと、練習中に迷う時間が減ります。
曲の途中で拍子が変わる箇所は、構造上の転換点であることがほとんどです。4分の3から8分の6のように単純拍子と複合拍子のあいだで変わる場合は、どの音価が共通になるか(♩=♩. なのか ♪=♪ なのか)が指定されていることがあり、これを読み違えるとテンポが倍近く変わってしまいます。変拍子が続く曲では、拍子記号だけを先に全部書き出しておくと、拍の組み替え方の見当がつきます。
レプリカ ・ イタリア語
繰り返し
「Da Capo senza replica (繰り返さずに最初へ戻る)」などの形で、反復の有無を指定します。
アッラ・ブレーヴェ ・ イタリア語
2拍子で
4/4拍子を2/2拍子として捉え、大きな流れで演奏します。軽快なテンポや、行進曲などで用いられます。
アルト ・ イタリア語
高音(女声)または中音(器楽)
イタリア語で「高い」が原義。合唱ではソプラノの次、器楽ではヴィオラ等の音域を指します。
アングリカン・チャント ・ 英語
英国国教会風の唱詠
詩篇を歌うためのシンプルな和声形式。静謐で厳かな合唱の響きが特長です。
アンティフォナ(交唱) ・ ギリシャ語/ラテン語
交互に歌われる歌
二つのグループが交互に歌い交わす形式。ステレオ的な響きの対比を生みます。
アラベスク ・ フランス語
アラビア風の装飾的な曲
唐草模様のような、流麗で複雑な装飾的旋律。シューマンやドビュッシーの作品が有名です。
アリア風に ・ イタリア語
歌うように、アリアのような
叙唱(レチタティーヴォ)とアリアの中間。語るようなリズムの中に、旋律的な美しさを伴います。
完全終止 ・ 英語
主和音で終わる終結
属和音から主和音(V-I)へ。楽曲が完全に落ち着き、納得感を持って閉じられる基本形です。
バディナージュ ・ フランス語
冗談、おふざけ
バッハの組曲などに見られる、軽快で楽しげな短い楽曲。遊び心が重要です。
バガテル ・ フランス語
つまらないもの、小品
謙遜的な命名。ベートーヴェンの「エリーゼのために」のような、珠玉のピアノ短編を指します。
バラード(叙事詩) ・ フランス語/英語
物語的な自由曲
英雄譚や悲劇を物語るような、スケールの大きく劇的な展開を持つ器楽曲。
バッロ ・ イタリア語
舞曲、踊り
歌劇の中の舞踊シーン。リズムのキレと、視覚的な動きを連想させる演奏が必要です。
バロック ・ フランス語
歪んだ真珠、バロック様式
1600-1750年頃の様式。装飾豊かで、コントラストの明確なドラマチックな美しさが特長です。
バリトン ・ フランス語
男声の中音域
力強さと柔らかさを兼ね備えた、知的な音域。オペラでは重要な役回りを担います。
バス ・ 英語
低音、最低音域
音楽の土台。全体の響きを支え、和声の進行(重心)を決定する最も重要なパートです。
ベル(鐘) ・ 英語
鈴、鐘、楽器の開口部
澄んだ金属音。また「Bell up (ベルを上げて)」は金管楽器の音をより直接的に聴衆へ向ける指示です。
ビアンカ ・ イタリア語
白い、2分音符
イタリア語で「白」。楽譜上での白い音符(2分音符)を指す伝統的な呼び名です。
2部形式 ・ 英語
2つの関連するセクションによる形式
AB、あるいはAA'の形。短くまとまった音楽構成の基本単位です。
ビス ・ ラテン語
2回、もう一度
特定の小節を繰り返す指示。また演奏会での再演要求(アンコール)の掛け声としても使われます。
ブランシュ ・ フランス語
白い、2分音符
フランス語で「白」。2分音符を指します。イタリア語のBiancaに相当します。
ブレヒ ・ ドイツ語
金管楽器セクション
金管楽器の総称。鋭く、ブリリアントな響きを司るオーケストラの要です。
ブルーノート ・ 英語
微妙に低いブルース音
長音階の3, 5, 7度をわずかに下げることで、哀愁とファンキーさを生むJAZZの魂です。
ボレロ ・ スペイン語/フランス語
スペインの舞曲、その独特のリズム
3拍子の一定のリズムを刻み続ける。ラヴェルの作品のように、執拗な繰り返しが高揚感を生みます。
ボンバルド ・ ラテン語/イタリア語
雷鳴のような、豪快な
非常に低い、または力強い音量。地を這うような重厚な響きです。
ブッフ ・ フランス語
喜劇的な、滑稽な
「Opéra bouffe」。笑いを誘う要素。明るく弾けるような表現がポイントです。
ブーレ ・ フランス語
軽快な舞曲
バロック組曲の一部。4分の4拍子系で、アウフタクトから始まる軽やかな踊りです。
ブートン ・ フランス語
ボタン、キイ
管楽器のキイや、アコーディオンのボタン。指先の繊細なタッチが音楽を変えます。
ブラス ・ 英語
金管楽器
真鍮(しんちゅう)で作られた楽器。力強く輝かしいファンファーレが魅力です。
ブレーヴェ ・ イタリア語
短い、2倍全音符
現代では最も長い音符の一つですが、古楽では「短い」を意味しました。Alla breve等の言葉に残っています。
ブリンディジ ・ イタリア語
乾杯の歌
「椿姫」の乾杯の歌のように、賑やかで高揚感溢れる楽しげな楽曲。
ブルラ ・ イタリア語
いたずら、冗談
Scherzoに近い、冗談めいた短い曲。予想外の展開が魅力です。
カッチャ ・ イタリア語
狩り
ホルンの信号や、追いかけ合うようなフーガ形式。野性的で活発なスタイル。
カノン ・ ギリシャ語
追唱、輪唱
一つの旋律を他のパートが厳格に追いかける形式。「パッヘルベルのカノン」が代表例です。
ダル・セーニョ ・ イタリア語
セーニョ記号へ戻る
特定の地点(セーニョ)まで時間を巻き戻します。楽曲の構造を繋ぐ、パズルのピースのような指示です。
→ Dal Segno の詳しい解説を読むセーニョ ・ イタリア語
セーニョ記号
時間の交差点。ここに戻ることで、音楽の迷宮のような繰り返し構造が完成します。
リピート ・ 英語
繰り返し
同じ喜び、同じ感動をもう一度。反復することで、そのメロディの印象をより深く定着させます。
アッタッカ ・ イタリア語
(次の楽章へ)休みなく続けて
余韻を断ち切らず、緊迫感を保ったまま次へ。物語の連続性を強調するための非常にドラマチックな指定です。
→ Attacca の詳しい解説を読むセーグエ ・ イタリア語
切れ目なく続く
自然な流れで次のセクションへ。境界線を曖昧にすることで、広大な一つの世界を作り上げます。
ヴォルティ・スビト ・ イタリア語
すぐに譜をめくれ
演奏者の技術を超えた、極限の状態を暗示することも。一秒も無駄にできない、緊迫した場面の象徴です。
ゲネラルパウゼ ・ ドイツ語
全奏者の完全な休止
オーケストラ全員がピタリと止まる「空白の衝撃」。その沈黙には、どんな音よりも強いメッセージが宿ります。
複縦線 ・ 英語
曲の段落
転調や変拍子、あるいは大きな場面転換を示す区切り。視覚的な段落分けの役割を果たします。
イントロダクション(序奏) ・ 英語
序奏
主部が始まる前の導入部。曲の世界観を提示し、聴衆の心の準備を整える役割があります。
ブリッジ ・ 英語
展開部、橋渡し
異なるセクション(例:AメロとBメロ)を繋ぐ部分。転調などを伴い、新たな緊張感を生みます。
ヴァンプ ・ 英語
伴奏の繰り返しセクション
歌手や独奏者が準備できるまで、あるいは即興演奏のために、短い伴奏パターンを何度も繰り返します。
フェード・アウト ・ 英語
次第に音を消していく結末
録音やDTMで多用される、音が遠ざかるように終わる形式。余韻を持たせた終結です。
フック ・ 英語
サビ、印象的な箇所
聴き手の耳を掴んで離さない、その曲を象徴する魅力的なメロディやフレーズのこと。
スタンダード ・ 英語
定番曲、名曲
時代を超えて多くの演奏者にカバーされ続ける、ジャズや歌謡曲の歴史に刻まれた楽曲群です。
テイク ・ 英語
録音の回数、テイク
レコーディングでの一回の演奏単位。「テイク2」のように、ベストな演奏を選ぶために使われます。
ビート ・ 英語
拍、拍動、リズム
音楽の心臓。4ビートや8ビートのように、音楽の基本的なノリを決定します。
バー ・ 英語
小節
Measureと同義。拍子によって区切られた音楽の最小単位の区画です。
クレフ(音部記号) ・ 英語
音部記号
ト音記号やヘ音記号。楽譜上の線の高さがどの音を指すかを定義する、非常に重要な記号です。
ノート(音符) ・ 英語
音、音符
音楽の最小の構成要素。音の高さと長さ(リズム)を楽譜上に固定します。
レスト(休符) ・ 英語
休み、休符
「音のない音」。沈黙が音楽に緊張感や解放感を与えます。
シャープ ・ 英語
嬰号、半音上げる
元の音を半音高くします。音楽に明るさや、上向きの緊張感を与えます。
フラット ・ 英語
変号、半音下げる
元の音を半音低くします。柔らかさや、落ち着いた情緒を生むことが多いです。
オクターヴ ・ 英語
8度音程
周波数が2倍、あるいは半分の同じ名前の音。広がりや力強さを強調するために使われます。
キー(調) ・ 英語
調
あるスケールを中心とした音楽の枠組み。ハ長調(C major)などのように表現します。
チューン ・ 英語
旋律、楽曲
キャッチーなメロディ。また、楽器を正しい音程に合わせること(チューニング)も指します。
テクスチャ ・ 英語
音楽の密度、織り、質感
薄い、厚い、多声的、単声的など、響きの層の状態を指します。
ハーモニー(和声) ・ 英語
調和、和声
複数のパートが垂直に重なった際の美しさ。音楽に奥行きと広がりをもたらします。
スコア ・ 英語
総譜、楽譜
すべての楽器のパートが一段にまとめられた楽譜。全体の構成を把握するために必須です。
シート・ミュージック ・ 英語
楽譜
演奏に使用する楽譜の総称。個々のプレイヤーが自分のパートを確認するために使います。
コンソナンス ・ 英語
協和音
耳に心地よく響く、安定した和音や音程。音楽の到達点や、癒やしの場面に使われます。
マイクロトーン(微分音) ・ 英語
半音より狭い音程
1/4音など、通常の12音音階では表せない微妙な音程。民族音楽や現代音楽の深みを作ります。
→ Microtone の詳しい解説を読むクォーター・トーン(4分音) ・ 英語
半音の半分の音程
現代音楽やアラブ音楽で多用される、ピアノの鍵盤の間にあるような音。独特の緊張感があります。
→ Quarter tone の詳しい解説を読む図形楽譜 ・ 英語
図形で表された楽譜
五線譜を使わず、図形や絵で音のイメージを伝えます。奏者の自由な解釈を促す現代的な手法です。
→ Graphic notation の詳しい解説を読むモビール・フォーム ・ 英語
断片の順序が自由な形式
曲のパーツがバラバラに用意され、奏者が演奏中に順序を選ぶことができる、偶然性の音楽です。
→ Mobile form の詳しい解説を読むクラスター(トーン・クラスター) ・ 英語
隣り合う音を一斉に鳴らす和音
拳や腕全体で鍵盤を叩くなどして、密度の高い「音の塊」を作ります。強烈な衝撃を与えます。
→ Cluster の詳しい解説を読む加算リズム ・ 英語
リズムの積み上げ
最小単位(8分音符など)を2+3+2のように不規則に積み上げ、躍動的で複雑なノリを作ります。
→ Additive rhythm の詳しい解説を読むポリリズム ・ 英語
複数の異なるリズムが同時に進行すること
3拍子と2拍子が同時に重なるなど、多角的な時間感覚を生みます。民族音楽からジャズまで幅広く見られます。
→ Polyrhythm の詳しい解説を読むガムラン ・ ジャワ語/バリ語
インドネシアの打楽器合奏
青銅器を中心とした、多層的で複雑なリズム、そして美しい残響が重なり合う宇宙的な響きです。
→ Gamelan の詳しい解説を読む複合拍子 ・ 英語
細分化された拍子
8分の6拍子や8分の9拍子のように、拍がさらに細かく分割される拍子。舞曲などでよく使われます。
不規則拍子 ・ 英語
変拍子
5拍子や7拍子のように、通常の2拍子や3拍子ではない拍子。現代音楽や民族音楽で特徴的なリズムを生みます。
コーダ記号 ・ イタリア語
終結部へジャンプする地点
「to Coda」の指示から、この記号が置かれた結尾部へ一気に跳躍します。D.C. al Coda(頭に戻ってコーダへ)やD.S. al Coda(セーニョに戻ってコーダへ)と組み合わせて使われ、繰り返しのあとにエンディングを華やかに演出するための仕掛けです。
オッターヴァ ・ イタリア語
1オクターブ上で
楽譜の可読性を上げるため、加線を使わず1オクターブ高い音で演奏することを指示します。
クインディチェジマ ・ イタリア語
2オクターブ上で
きらびやかな超高音を指示する際に使われます。
ロコ ・ イタリア語
元の高さで
8vaなどのオクターブ移動の指示が終わった後、楽譜通りの高さに戻ることを指示します。
通奏低音 ・ イタリア語
低音の伴奏システム
低音の旋律と、それに基づく即興的な和音。バロック音楽の「魂」とも言える土台です。
トリオ・ソナタ ・ 英語
3つの声部によるソナタ
2つの旋律楽器と通奏低音(通常3〜4人)で演奏する、バロック室内楽の王道形式です。
→ Trio sonata の詳しい解説を読むコンチェルト・グロッソ(合奏協奏曲) ・ イタリア語
小合奏団と大合奏団の対比
少人数の独奏群(コンチェルティーノ)と、大勢の合奏群(リピエーノ)が対比される、バロック特有の形式です。
→ Concerto grosso の詳しい解説を読むオペラ・セリア ・ イタリア語
正歌劇、まじめなオペラ
神話や歴史を題材とした、格調高く厳格なオペラ。英雄的なアリアが主役です。
オペラ・ブッファ ・ イタリア語
喜歌劇
身近な人々や、コミカルな騒動を描く楽しいオペラ。生き生きとした動きとユーモアが満載です。
→ Opera buffa の詳しい解説を読む間奏曲 ・ イタリア語
劇やオペラの幕間の出し物
幕間に演じられた軽いコメディが発展し、やがて独立したオペラ・ブッファとなりました。
ジングシュピール ・ ドイツ語
セリフのあるドイツ歌劇
「魔笛」のように、日常語のセリフと歌が入り混じる、民衆に愛されたドイツ風オペラです。
→ Singspiel の詳しい解説を読むグランド・オペラ ・ 英語/フランス語
壮大なフランス風オペラ
19世紀パリで流行。バレエを伴い、豪華な衣装と舞台装置、壮大な合唱を売りにした大スケールの芸術です。
オペレッタ ・ イタリア語
小規模で軽快なオペラ
「こうもり」のように、華やかなワルツ、ダンス、そしてハッピーエンドを約束する楽しい舞台です。
ミュージカル ・ 英語
歌とダンスと芝居の融合
20世紀に開花。ポップな歌、迫力あるダンス、感動的な物語が一体となった、エンターテインメントの最高峰です。
→ Musical の詳しい解説を読むクーラント ・ フランス語
跳ねるような舞曲
「走る(courir)」が語源。バロック組曲の一部。軽快な3拍子で、流れるようなパッセージが特長です。
ガヴォット ・ フランス語
快活な4拍子の舞曲
小気味よいスタッカートと、中間から始まる独特のリズム。素朴な可愛らしさが魅力です。
パスピエ ・ フランス語
急速な3拍子の舞曲
メヌエットよりさらに速く、浮き立つような軽やかさを持つ、優雅ながらも活発な踊りです。
シチリアーナ ・ イタリア語
牧歌的な舞曲
付点リズムを伴う、ゆったりとした6/8拍子。羊飼いを連想させる、素朴でどこか哀愁のある調べです。
パッサカリア ・ イタリア語
低音を繰り返す変奏曲
同じ低音フレーズ(シャコンヌ・バス)の上に、次々と新しい旋律が重なり、壮大なクライマックスを築きます。
→ Passacaglia の詳しい解説を読むシャコンヌ ・ フランス語/イタリア語
低音主題に基づく変奏曲
パッサカリアに似て、重厚で威厳のある様式。バッハの無伴奏ヴァイオリン・パルティータが究極の傑作です。
→ Chaconne の詳しい解説を読む模倣 ・ 英語
旋律の一部を別のパートが真似ること
対位法の核。前のパートのアイディアを引き継ぎ、追いかけっこをすることで、楽曲に統一感が生まれます。
→ Imitation の詳しい解説を読むストレット ・ イタリア語
主題を重なり合わせて追い込む
フーガの後半などで、主題を前の音が終わる前に重ね、音楽に圧倒的なスピード感と緊張感を与えます。
対唱題 ・ 英語
フーガの主題を支える第2の旋律
主題の影のように寄り添い、ハーモニーを豊かにしながら、主題が飽きられないよう変化をつけます。
エピソード(挿入句) ・ 英語
主題が現れない自由な箇所
フーガやロンドにおいて、次の主題が劇的に現れるための「つなぎ」。多様な展開やリラックスを与えます。
主題(テーマ) ・ 英語
楽曲の主役となる旋律
フーガやソナタの「顔」。これを覚え、その変化を追うことがクラシック鑑賞の最大の楽しみです。
答唱(アンサー) ・ 英語
主題に応える旋律
フーガで、最初の主題(提示)に対して、別の高さから応える旋律。対位法の対話の始まりです。
真実答唱 ・ 英語
正確に高さを移した答唱
主題の音程関係をそのまま完全に保ったまま、別の高さで弾く応答のことです。
調性的答唱 ・ 英語
調に合わせて微調整された答唱
調性を維持するため、主題の音程をわざと一部変えて応答する、対位法の高度な工夫です。
グラウンド・バス ・ 英語/イタリア語
繰り返される低音旋律
バロックの変奏技法の基礎。パッサカリアの土台となる不変の低音です。
ドローン ・ 英語
絶え間なく鳴り続ける低音
バグパイプや民族楽器に見られる、変化しない低音。音楽に静止感と、ある種のトランス状態をもたらします。
リズム(律動) ・ 英語
音の強弱や長短の周期的な並び
音楽の「骨組み」であり「心拍」。生命力を生み出し、聴き手の身体を突き動かす根源的な要素です。
→ Rhythm の詳しい解説を読むモノフォニー ・ ギリシャ語/英語
単一の旋律のみの音楽
伴奏のない独唱や、全員が同じメロディを歌う状態。原始的で純粋な力強さがあります。
ホモフォニー ・ ギリシャ語/英語
主旋律と伴奏による音楽
現代のポップスや古典派音楽の主流。一つの美しいメロディを和音で支える、明快な形式です。
ポリフォニー ・ ギリシャ語/英語
複数の独立した旋律が同時に進行する音楽
対位法を駆使した、複雑で豊かな響き。バッハのフーガに代表される、知的な音楽の極致です。
ヘテロフォニー ・ ギリシャ語/英語
一つの旋律が少しずつズレて重なる音楽
アジアの伝統音楽などに多く見られる、自然な揺らぎ。計算された和声とは異なる、有機的な美しさです。
モジュレーション(転調) ・ 英語
曲の途中で調を変えること
ストーリーの転換点。風景が一変するように、聴き手の感情を新しい場所へ連れて行きます。
→ Modulation の詳しい解説を読む五度圏 ・ 英語
調の関係を円状に図示したもの
音楽理論の地図。隣り合う調がどれだけ近いか、転調の可能性を視覚的に理解するためのツールです。
→ Circle of fifths の詳しい解説を読むコンソナント(協和音の) ・ 英語
安定して心地よく響く
数学的に整った振動比を持つ。安らぎや終結感を音楽に与えます。
ディソナント(不協和音の) ・ 英語
不安定で緊張を伴う響き
濁っているが、それが解決(協和音へ移動)する瞬間にこそ、音楽の最大の快感があります。
レゾリューション(解決) ・ 英語
不安定な音が安定した音へ進むこと
緊張からの解放。このプロセスを繰り返すことで、音楽は前へと進み続けます。
サスペンション(繋留音) ・ 英語
前の音をわざと遅らせて解決させること
切ない溜め。期待をじらすことで、解決した時の喜びや美しさを倍増させます。
不協和音 ・ 英語
濁った響き
これがない音楽は、塩のない料理のようなもの。緊張感こそが美しさを際立たせます。
アトナリティ(無調性) ・ 英語
中心となる調を持たないこと
シェーンベルクらの革命。ドミナント(支配)からの解放。新しい音響の可能性を切り拓きました。
十二音技法 ・ 英語
12個の音を均等に使う作曲法
特定の音が目立たないよう計算された数学的音楽。無調音楽に厳格な秩序をもたらしました。
セリエリズム ・ フランス語/英語
音の全ての要素を数列化する手法
音高だけでなく、長さや強さも組織化。究極の制御を目指した、戦後現代音楽の潮流です。
ミニマリズム ・ 英語
最小限の素材を繰り返す音楽
ライヒやグラスなど。変化の乏しい反復が、いつしか聴き手を壮大な陶酔へと誘います。
→ Minimalism の詳しい解説を読むアレアトリー(偶然性の音楽) ・ ラテン語
サイコロのように偶然に任せる音楽
ジョン・ケージの思想。「音そのもの」を受け入れるため、演奏の選択肢を作曲家が手放します。
→ Aleatory の詳しい解説を読むミクロ・ポリフォニー ・ 英語
無数の旋律が雲のように重なり合う状態
リゲティが創始。個々の音は見えず、全体として巨大な音の塊、揺らぎとして立ち現れます。
→ Micropolyphony の詳しい解説を読むオーバー・トーン(倍音) ・ 英語
一つの音に含まれる高い周波数の音
音色の正体。これが豊かに響くことで、楽器の声は艶やかで深みのあるものになります。
自然倍音列 ・ 英語
自然界の音の並び
ドレミの起源。宇宙の物理法則が生み出した、最も自然で美しい和音のバランスです。
ソナタ形式 ・ 英語
対立する主題を展開し、解決する形式
「提示」「展開」「再現」。クラシック音楽最大のドラマ装置であり、ベートーヴェンが完成させました。
ロンド形式 ・ 英語
主題が何度も戻ってくる形式
「A-B-A-C-A」。懐かしい顔に何度も出会うような、親しみやすさと遊び心のある形式です。
主題と変奏 ・ 英語
一つのテーマを様々に変化させる形式
同じ物語を、別の視点や衣装で何度も語り直すような、アイディアの豊かさを楽しむ形式です。
3部形式 ・ 英語
中間に別の部分を挟む形式
「A-B-A」。旅をして、再び懐かしい家に戻ってくるような、安定した終結感があります。
オーバーチュア(序曲) ・ 英語/フランス語
オペラや劇の開始を告げる音楽
幕が開く前のワクワク感。劇中の主要な旋律を散りばめるなど、全体の予告編の役割も担います。
→ Overture の詳しい解説を読むプレリュード(前奏曲) ・ 英語/フランス語
導入として演奏される自由な曲
特定の形式にとらわれない即興的な性格。ショパンやドビュッシーの作品が有名です。
エチュード(練習曲) ・ フランス語
特定の技術を習得するための曲
単なる練習台ではなく、リストやショパンのように、高度な芸術性と技巧が融合した「演奏会用」も。
アンプロンプチュ(即興曲) ・ フランス語
即興的な気まぐれさを持ちつつ、形式を整えた小品
その場の思いつきのような自由な発想と、抒情的な美しさが特長。シューベルトの傑作が有名です。
→ Impromptu の詳しい解説を読むノクターン(夜想曲) ・ フランス語
夜の情緒を表現した抒情的な楽曲
静かな夜の雰囲気、揺らめく灯火。繊細な装飾に彩られた、夢心地のメロディが魅力です。
ポロネーズ ・ フランス語
ポーランドの勇壮な舞曲
騎士道精神を体現する、堂々とした3拍子。独特の装飾とアクセントが、祖国への誇りを物語ります。
マズルカ ・ ポーランド語/フランス語
ポーランドの土着的で気まぐれな舞曲
2拍目や3拍目に予想外のアクセントが来ます。素朴な郷愁と、洗練されたリズム感覚が融合しています。
ワルツ(円舞曲) ・ ドイツ語
華やかな3拍子の舞曲
「回転する」。社交界の華やかさ、優雅な回転、あるいはウィーン特有の「溜め」のリズムが特長です。
タランテラ ・ イタリア語
急速で激しい南イタリアの舞曲
毒蜘蛛に刺された者が踊り続けるという伝説。熱狂的で、息を呑むような超高速なリズム感が命です。
ハバネラ ・ スペイン語
キューバ起源の気だるい2拍子の舞曲
オペラ「カルメン」が有名。特徴的な付点リズムが、背徳的で抗いがたい情熱と魅惑を演出します。
タンゴ ・ スペイン語
アルゼンチン発祥の情熱的な舞曲
鋭いスタッカート、急停止。憂愁と攻撃性が隣り合わせの、ドラマチックで鋭利なリズムが特長です。
ウォーキング・バス ・ 英語
4拍子を一歩ずつ歩くようなベースライン
ジャズのビートを作る心臓。淡々とした歩みの中にも、スイングする独特の弾みが潜んでいます。
バッソ・コンティヌオ ・ イタリア語
通奏低音
低音楽器と鍵盤楽器が即興的に和音を補う、バロック音楽の土台です。アンサンブルの要(かなめ)となります。
カウンターポイント(対位法) ・ 英語
複数の旋律を織り交ぜる技法
「音対音」。独立した旋律が同時に進行し、調和を作り出します。バッハのフーガが最高の結実です。
→ Counterpoint の詳しい解説を読むジーグ ・ フランス語
活発な舞曲形式
バロック組曲の最後に置かれることが多い、3拍子系の速い舞曲。エネルギーに満ち、躍動感あふれる終結を作ります。
ナチュラル ・ 英語
本位、元の音に戻す
変化(♯や♭)していた音を本来の高さに戻します。迷いから醒めるような、清涼感のある響きをもたらすこともあります。
オペラ(歌劇) ・ イタリア語
歌、音楽、演劇を融合した芸術
究極の総合芸術。オーケストラの深みと、歌手の超人的な表現、そして物語が一体となり、観客を異世界へ誘います。
→ Opera の詳しい解説を読むパントマイム ・ 英語/フランス語
言葉のない無言劇
音楽と仕草だけで物語を伝えます。ストラヴィンスキーやモーリス・ラヴェルのバレエ音楽で重要な要素です。
→ Pantomime の詳しい解説を読むクァルテット ・ ドイツ語/イタリア語
四重奏、4人組
4つのパートが対等に語らう形式。特に弦楽四重奏は、作曲家の内面が最も深く現れるジャンルとされます。
→ Quartett の詳しい解説を読むトッカータ ・ イタリア語
即興的で技巧的な器楽曲
「触れる(toccare)」が語源。鍵盤を叩く指の動きが強調され、目が眩むような速いパッセージが特徴です。
ヴァリエーション(変奏) ・ 英語
主題の変化、変容
一つの主題をリズム、和音、楽器編成などで様々に変化させます。多角的な視点から主題の魅力を引き出します。
→ Variations の詳しい解説を読むサルスエラ ・ スペイン語
スペイン独自の歌劇形式
セリフと歌が入り混じる、スペイン版のオペレッタ。郷土色豊かなリズムと情緒に溢れています。
カヴァティーナ ・ イタリア語
短く抒情的なアリア
技巧よりも、旋律の美しさと素直な感情表現を重視した歌。オペラの登場シーンなどでよく歌われます。
ファンファーレ ・ 英語/フランス語
金管楽器による祝典的な響き
開始を告げたり、勝利を祝ったりする際のごく短い力強い曲。明るい音色と明快なリズムが特長です。
→ Fanfare の詳しい解説を読むマドリガル ・ イタリア語
叙情的な世俗合唱曲
ルネサンス期に隆盛。詩の内容を音で描写する(ワードペインティング)技法が、精緻に組み込まれています。
→ Madrigal の詳しい解説を読むオラトリオ ・ イタリア語
聖書などを題材とした大規模な叙事楽曲
オペラのような劇要素を持ちますが、演技や舞台装置は伴わず、音楽のみで深い感動を描き出します。
→ Oratorio の詳しい解説を読むラプソディ(狂詩曲) ・ 英語/ギリシャ語
自由な形式による情熱的な曲
民族的な主題や、即興的な展開。ガーシュウィンの「ラプソディ・イン・ブルー」のように、熱気に溢れた自由な音楽です。
→ Rhapsody の詳しい解説を読むホール・トーン(全音階) ・ 英語
すべて全音で構成される音階
半音を含まないため、重心が定まらない不思議で浮遊感のある響きが生まれます。印象派音楽の魔法のような色彩の源です。
→ Whole tone の詳しい解説を読むエア(アリア) ・ 英語/フランス語
旋律的な歌、アリア
「Air on the G String(G線上のアリア)」のように、落ち着いた優美な旋律線を持った楽曲を指します。
→ Air の詳しい解説を読むクライマックス ・ 英語
楽曲の絶頂、最高潮
エネルギーが最大に達し、感情が爆発する瞬間。ここへ向けてテンションを積み上げることが演奏の醍醐味です。
→ Climax の詳しい解説を読むデュエット(二重奏) ・ 英語
2人の演奏者によるアンサンブル
究極のコミュニケーション。相手の呼吸を感じ、旋律と和音を相互に補い合いながら一つの音楽を紡ぎます。
→ Duet の詳しい解説を読むアンコール ・ フランス語
「もう一度」、再演
演奏終了後の喝采に応えて披露される小品。奏者と聴衆が一体となり、演奏会の余韻を楽しむ特別な時間です。
→ Encore の詳しい解説を読むフガート ・ イタリア語
フーガ風の短いセクション
独立したフーガではなく、ソナタや交響曲の一部にフーガの技法が導入され、音楽に知的な厚みを与えます。
→ Fugato の詳しい解説を読むキー・シグネチャー(調号) ・ 英語
調号、調の指定
楽曲全体の色彩と世界観を決定する、楽譜の冒頭に置かれる記号。音楽の「重心」をプレイヤーに示します。
→ Key signature の詳しい解説を読むムーヴメント(楽章) ・ 英語
大きな作品の一部をなす独立した部分
交響曲などの一つの章。それぞれが異なる性格(速さや表情)を持ち、全体として大きな物語を構築します。
→ Movement の詳しい解説を読むG線上のアリア ・ 英語
G線一本で弾けるアリア
バッハの名曲。バイオリンの最も低い「G線」のみで奏でる深みのある旋律が、至高の安らぎを与えます。
→ Air on the G String の詳しい解説を読むアニュス・デイ ・ ラテン語
神の小羊
ミサ曲の終章。世の罪をあがなう静かな祈り。深い慈悲と平安を願う、澄んだ響きが求められます。
ベネディクトゥス ・ ラテン語
祝福されたれ
ミサ曲のサンクトゥスの一部。穏やかで崇高な、光が差し込むような旋律が特長です。
グローリア ・ ラテン語
栄光
父なる神への賛美。金管楽器のファンファーレや、輝かしく力強い合唱で表現される祝典的な章です。
キリエ ・ ギリシャ語
あわれみの賛歌
「主よ、あわれみたまえ」。ミサの冒頭で奏でられる、静謐で切実な祈り。厳かな静寂から始まります。
サンクトゥス ・ ラテン語
聖なるかな
三聖唱。天を仰ぐような壮大な高揚感と、神聖な威厳を伴う壮麗な合唱が中心となります。
レクイエム ・ ラテン語
死者のための安息
「安息を(レクイエム)」。死者の安らかな眠りを祈るための教会音楽。劇的で深い悲しみから癒やしまでを描きます。
アヴェ・マリア ・ ラテン語
めでたし、マリア
聖母マリアへの祈り。シューベルトやグノーの作品のように、この世のものならぬ清らかな旋律が魅力です。
→ Ave Maria の詳しい解説を読むスターバト・マーテル ・ ラテン語
悲しみの聖母
十字架の傍らに立つ、嘆きの母の姿。胸を締め付けるような不協和音と、深い悲哀の旋律が交差します。
→ Stabat Mater の詳しい解説を読むヒンターグルント・ムズィーク ・ ドイツ語
背景音楽
いわゆるBGM。主役を立て、空間に溶け込みながらも、その場の雰囲気(テクスチャ)を決定づける音楽です。
→ Hintergrundmusik の詳しい解説を読むウンターハルトゥングス・ムズィーク ・ ドイツ語
娯楽音楽
軽音楽やポピュラー音楽の総称。聴き手を楽しませること、リラックスさせることを第一の目的とします。
→ Unterhaltungsmusik の詳しい解説を読むゲブラウホス・ムズィーク ・ ドイツ語
実用音楽
教育や社会的な行事、家庭での演奏のために書かれた、機能的で演奏しやすい音楽を指します。
→ Gebrauchsmusik の詳しい解説を読む子供の情景 ・ ドイツ語
子供の心を描いた曲
シューマンの作品。大人の視点から見た子供の世界。純粋で、どこか懐かしい思い出を呼び起こします。
→ Kinderszenen の詳しい解説を読む詩人の恋 ・ ドイツ語
詩人の愛
ハイネの詩に基づくシューマンの歌曲集。憧れから始まり、皮肉や絶望、そして深い諦観へと至る感情の旅です。
→ Dichterliebe の詳しい解説を読むます ・ ドイツ語
ます(の歌)
清らかな川の流れを象徴するピアノ伴奏。跳ねる魚の活気と、不意の悲劇が巧みに描かれた名曲中の名曲です。
→ Die Forelle の詳しい解説を読む歓喜に寄せて ・ ドイツ語
歓喜の歌
ベートーヴェンの「第九」の終楽章。すべての人類が兄弟となることを願う、人類史上最高のユートピア賛歌です。
→ An die Freude の詳しい解説を読むトリスタン和音 ・ ドイツ語
ワーグナー特有の和音
解決を先延ばしにする、憧れの象徴。音楽史上の転換点となった、官能的でどこへ行くか分からない神秘的な響きです。
→ Tristan-Akkord の詳しい解説を読むビーダーマイヤー ・ ドイツ語
市民的な、日常的な様式
19世紀前半のドイツ。過度な情熱を避け、家庭的で素朴な楽しさを重んじる親しみやすいスタイルです。
→ Biedermeier の詳しい解説を読むギャラント様式 ・ フランス語/英語
優雅で軽快な様式
複雑な対位法を排し、明快なメロディと伴奏による「歌うような」心地よさを追求した初期古典派のスタイルです。
→ Galant style の詳しい解説を読む数字付き低音 ・ 英語
数字で示された和音指示
低音音符の上に書かれた数字を見て、鍵盤奏者が即興的に和音を補う、バロック音楽の「暗号」です。
→ Figured bass の詳しい解説を読む通奏低音(英語) ・ 英語
Basso continuoの英語名
「楽曲を通して流れる低音」。音楽の構造的中心を指す、歴史的に極めて重要な用語です。
→ Thoroughbass の詳しい解説を読むカントゥス・フィルムス(定旋律) ・ ラテン語
固定された旋律
多声音楽の核となる、既存の聖歌などの旋律。これを土台に、複雑な対位法が編み上げられていきます。
→ Cantus firmus の詳しい解説を読むグレゴリオ聖歌 ・ 英語
キリスト教の無伴奏単旋律聖歌
中世ヨーロッパ音楽の源流。拍子を持たず、祈りの言葉に寄り添う、静謐で深遠な響きです。
→ Gregorian chant の詳しい解説を読むアルス・ノーヴァ(新芸術) ・ ラテン語
14世紀フランスの音楽様式
複雑なリズムが可能になり、表現の幅が一気に広がった時代。ギヨーム・ド・マショーが代表です。
→ Ars Nova の詳しい解説を読む第一様式 ・ イタリア語
伝統的な厳格対位法
パレストリーナ風の、言葉よりも響きの調和を優先するバロック以前の様式。
→ Prima prattica の詳しい解説を読む第二様式 ・ イタリア語
言葉の内容を優先する新しい様式
モンテヴェルディが提唱。ドラマ(物語)の感情表現のためなら、不協和音も厭わない革新的な考えです。
→ Seconda prattica の詳しい解説を読む表現様式 ・ イタリア語
初期オペラの語るようなスタイル
音楽を演劇に従属させ、真実味のある感情を吐露することを目指した、オペラ誕生の礎(いしずえ)です。
→ Stilo rappresentativo の詳しい解説を読むモノディ ・ ギリシャ語/イタリア語
和声伴奏付きの単旋律歌曲
複雑なポリフォニーへの反発から生まれた、旋律と言葉を最も際立たせるスタイル。オペラへの道を開きました。
→ Monody の詳しい解説を読むカメラータ ・ イタリア語
芸術家・学者の集まり
16世紀末フィレンツェ。古代ギリシャ悲劇の復活を目指し、結果として「オペラ」という新芸術を生みました。
→ Camerata の詳しい解説を読むインテルメディオ ・ イタリア語
祝祭劇の幕間の出し物
オペラの前身。幕間に演じられた豪華な歌と踊りが発展し、やがて独立したオペラとなりました。
→ Intermedio の詳しい解説を読むヴェリズモ(現実主義) ・ イタリア語
現実味のある深刻なドラマ
19世紀末イタリア。神話ではなく、市井の人々のむき出しの感情や悲劇を描くオペラ様式。情熱的な叫びが特長です。
→ Verismo の詳しい解説を読むライトモチーフ(示導動機) ・ ドイツ語
特定の人物や概念を表す短い旋律
ワーグナーが確立。特定の旋律を繰り返すことで、言葉で語らずとも特定の人物や運命を暗示します。
→ Leitmotif の詳しい解説を読む総合芸術(ゲザムト・クンスト・ヴェルク) ・ ドイツ語
あらゆる芸術を一つに融合すること
ワーグナーの理想。音楽、詩、演劇、美術すべてが対等に融合し、一つの巨大な物語を創り上げます。
→ Gesamtkunstwerk の詳しい解説を読む循環形式 ・ 英語
全楽章に同じモチーフを登場させる形式
ベルリオーズやフランクが多用。楽曲全体を一つのモチーフ(イデー・フィクス)で統一し、強固な構造を作ります。
→ Cyclic form の詳しい解説を読むイデー・フィクス(固定観念) ・ フランス語
特定の固定された旋律
ベルリオーズ「幻想交響曲」で、恋人を表す旋律として全楽章に形を変えて現れます。
→ Idée fixe の詳しい解説を読む標題音楽 ・ 英語
物語や情景を描写する音楽
絶対音楽(純音楽)に対し、詩や絵画、自然などの具体的な内容を音楽で表現しようとする試みです。
→ Program music の詳しい解説を読む絶対音楽 ・ 英語
音楽以外の要素を排した純粋な音楽
ブラームスが代表。物語や絵画を介さず、音の構造と美しさそのものを追求する音楽の立場です。
→ Absolute music の詳しい解説を読む交響詩 ・ 英語
詩的、絵画的物語を持つ管弦楽曲
リストが創始、シュトラウスが完成。楽章の枠を超えた自由な形式で、一つの物語をオーケストラで描きます。
→ Symphonic poem の詳しい解説を読む発展的変奏 ・ 英語
一音からすべてを発展させる技法
ブラームスの核心。一つの小さなモチーフを無限に形を変えて展開させ、論理的で濃密な音楽を作ります。
→ Developing variation の詳しい解説を読む印象派 ・ フランス語/英語
光と色彩を重んじる音楽様式
ドビュッシーが確立。明確な輪郭を避け、移ろう光や影、香りを音の響き(色彩)だけで捉えようとします。
→ Impressionism の詳しい解説を読む表現主義 ・ ドイツ語/英語
内面の深い絶望や不安を描画する様式
シェーンベルクら。表面的な美しさではなく、人間の無意識や極限状態の心理を、不協和音を駆使して描き出します。
→ Expressionism の詳しい解説を読む新古典主義 ・ 英語
バロックや古典派の様式への回帰
ストラヴィンスキーら。過度な主観性を排し、透明な形式美と節度を取り戻そうとした20世紀の動向です。
→ Neo-classicism の詳しい解説を読む12音音楽 ・ ギリシャ語/英語
12音技法と同義
12個の半音を同じ重みで扱う、伝統的な「美」の概念を根底から覆した20世紀の大発明です。
→ Dodecaphony の詳しい解説を読むアレアートリー(偶然性の音楽) ・ 英語
偶然の要素を取り入れた音楽
ジョン・ケージら。サイコロを振ったり、奏者の自由な選択を認めたりすることで、一度きりの響きを生みます。
→ Aleatory music の詳しい解説を読む不確定性 ・ 英語
偶然性の音楽の別名
予測不可能な音の出現。作曲家がすべてを支配することをやめ、音そのものの「あるがまま」を肯定します。
→ Indeterminacy の詳しい解説を読むミニマル・ミュージック ・ 英語
反復と微小な変化による音楽
短いモチーフを絶え間なく繰り返し、位相をずらすことで、陶酔的な響きと時間の流れを生み出します。
→ Minimal music の詳しい解説を読むスペクトル楽派 ・ ドイツ語/フランス語
音の倍音構造を分析し利用する様式
音の物理的な響き(スペクトル)そのものを音楽の素材とします。これまでにない幻想的で自然な響きが魅力です。
→ Spektralmusik の詳しい解説を読むミュージック・コンクレート ・ フランス語/英語
録音された具象音を用いる音楽
電車の音や鳥の声などを録音・加工して構成する音楽。電子音楽の先駆けとなりました。
→ Concrete music の詳しい解説を読むコンピュータ・音楽 ・ 英語
電子計算機を用いた音楽制作・演奏
アルゴリズム作曲や、リアルタイムの音響処理。人間の手を超えた精緻な音響空間を構築します。
→ Computer music の詳しい解説を読むワールド・ミュージック ・ 英語
各地の民族音楽とその融合
西洋音楽の枠にとらわれず、世界各地の独特なリズムや楽器を取り入れ、新たな共生を目指す音楽です。
→ World music の詳しい解説を読む民族音楽学 ・ 英語
各地の音楽を文化として研究する学問
音楽を譜面上の音としてだけでなく、人々の生活や信仰の一部として捉え、その本質を探ります。
→ Ethnomusicology の詳しい解説を読むサンプリング ・ 英語
過去の音源の一部を利用すること
既存の名演の一部を「引用」し、新たなビートに乗せる手法。ヒップホップの核心的なアイディアです。
→ Sampling の詳しい解説を読むアンビエント(環境音楽) ・ 英語
空間に溶け込み、意識を邪魔しない音楽
ブライアン・イーノが提唱。聴いても聴かなくても良い、空間の雰囲気を豊かにするための音の風景です。
→ Ambient の詳しい解説を読むチル・アウト ・ 英語
リラックスするための落ち着いた音楽
ダンスの後の「クールダウン」を目的とした静かな電子音楽。心身を解放する役割があります。
→ Chill out の詳しい解説を読むサウンドトラック ・ 英語
映画、ゲーム等の劇伴音楽
物語の背景で感情を増幅させ、場面を一瞬で彩る。単体でも芸術的な価値を持つ名曲が数多くあります。
→ Soundtrack の詳しい解説を読む展開部 ・ 英語
主題をもみほぐすセクション
提示された主題が、転調や断片化を繰り返し、最も劇的で不安定な高揚感を生むソナタの核心部です。
→ Development の詳しい解説を読む再現部 ・ 英語
主題が再び現れるセクション
冒頭の主題が、本来の調性に戻り、納得感と安定を伴って帰結する納得の場面です。
→ Recapitulation の詳しい解説を読む裏メロ(対旋律) ・ 英語
主旋律を支え、際立たせる別の旋律
主旋律の裏側で、主役の隙間を埋めるように歌います。音楽の奥行きを深くする魔法の脇役です。
→ Counter-melody の詳しい解説を読む推移部 ・ 英語
主題と主題を繋ぐ転調箇所
ある場所から別の場所へ向かう「橋」。これから何が起こるか期待を煽る役割があります。
→ Bridge passage の詳しい解説を読む複調 ・ 英語
異なる調性が同時に進行すること
ストラヴィンスキーなどが用いた手法。複数の調が重なることで、複雑で多層的な響きと強い緊張感を生みます。
→ Polytonality の詳しい解説を読むダ・カーポ・アル・フィーネ ・ イタリア語
最初に戻り、Fineの表示まで演奏して終わる指示
Da capo(頭から)とal fine(終わりの印まで)を組み合わせた反復指示。
ヴィーデ ・ ラテン語
「見よ」。カット箇所の始点・終点を示す記号
演奏を省略する区間の両端に置かれ、対になったVideの間を飛ばして進むことを示す。
ウニゾノ ・ イタリア語
「一つの音で」。複数のパートが同じ音を演奏すること
分かれていた声部やパートが再び同じ音(またはオクターブ違いの同じ旋律)を演奏する状態に戻ることを示す。
コッラ・ヴォーチェ ・ イタリア語
「声(歌手)に合わせて」
伴奏者が独唱者や独奏者のテンポの揺れに合わせて演奏することを指示する。
リピエーノ ・ イタリア語
「満たされた」。合奏協奏曲における合奏部
独奏群(コンチェルティーノ)に対する、全奏者からなる合奏部分を指す。
センツァ・ミズーラ ・ イタリア語
拍子を計らずに
小節線や拍の規則的な単位に縛られず、自由なリズムで演奏することを指示する。
オブリガート ・ イタリア語
「省略できない」。主旋律に絡む重要な助奏
伴奏でありながら省略できない、独立した重要性を持つ助奏パートを指す。
キュー ・ 英語
演奏の合図、または他パートの旋律を小さく記した音符
長い休符の後に正しく入るための目印として、他パートの旋律を小さく示したもの。
ダブリング ・ 英語
同じ旋律を別の楽器やオクターブで重ねること
音に厚みや異なる音色の彩りを加えるために、同じ旋律線を複数の楽器・声部で重複させる技法。