Fugue
フーガ
意味
遁走曲
解説
「逃げる」。高度な対位法の粋。一つの主題が多層的に追いかけ合い、複雑で完璧な宇宙を構築します。
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フーガ
遁走曲
「逃げる」。高度な対位法の粋。一つの主題が多層的に追いかけ合い、複雑で完璧な宇宙を構築します。
Fugue はラテン語 fuga(逃走)に由来し、日本語では遁走曲。一つの主題が各声部に次々と現れ、追いかけ合うように進む対位法の形式です。
フーガは、一つの声部が主題を単独で示すところから始まります。続いて別の声部が、主音ではなく属音の高さで同じ主題を答えます。これを応答と呼びます。主題を終えた声部は対旋律に移り、すべての声部が主題を一度ずつ提示するまでこれが繰り返されます。この部分を提示部と呼び、フーガの設計はここでほぼ決まります。
フーガの演奏では、いま主題がどの声部にあるかを聴き手に伝えることが最優先です。主題を担当する声部をわずかに前に出し、他を控えるだけで、複雑に聞こえていた音楽の構造が見えてきます。鍵盤楽器では同じ手が複数の声部を担当するため、指ごとに音量を変える技術が必要になります。まず各声部を単独で歌えるようにするのが近道です。
提示部のあとは、主題を断片化したり、拡大・縮小したり、上下を反転させたりしながら展開します。複数の声部が主題を重ねて追いかけるストレッタは、緊張を高める代表的な技法です。楽譜を読むとき、主題がどこに何回現れるかを鉛筆で印を付けていくと、曲の設計が浮かび上がります。
ピアノ
同じ手の中で声部を弾き分けます。旋律側の指に重心を移し、他は指を寝かせて軽く。
弦楽器
アンサンブルでは、主題を持つ奏者が明確に前に出ます。他は音量だけでなくビブラートも控えます。
オルガン
ストップの選択で声部を色分けできます。主題を持つ声部が聞こえる音色設計を先に決めます。
バッハ「平均律クラヴィーア曲集」
48曲のフーガが、あらゆる書法の実例になっています。
バッハ「トッカータとフーガ ニ短調」
オルガン曲。声部の分離が音色で示される好例です。