ポピュラー音楽の曲の部分 — bridge・hook・vamp
ポピュラー音楽では、それまでと異なる旋律・和声を持つ部分を bridge(ブリッジ)、聴き手の記憶に残る短いフレーズを hook(フック)、次の合図まで繰り返す伴奏パターンを vamp(ヴァンプ)と呼びます。
録音にかかわる語
fade-out は音量を徐々に下げて曲を終える録音の手法、take は録音における1回分の演奏の単位です。standard は、多くの演奏家によって長く演奏・録音されてきた楽曲を指します。
展開部、橋渡し
異なるセクション(例:AメロとBメロ)を繋ぐ部分。転調などを伴い、新たな緊張感を生みます。
Bridge はポピュラー音楽の形式用語で、それまでのセクションとは異なる旋律・和声を持ち、曲中に一度だけ現れることが多い部分を指します。
32小節形式での用法
ジャズのスタンダード曲でよく使われる32小節形式(AABA)では、2回のAセクションの後に置かれる異なる8小節のセクションを bridge と呼びます。それまでの繰り返しに変化を持ち込み、最後のAセクションへの橋渡しをする役割からこの名があります。
サビ、印象的な箇所
聴き手の耳を掴んで離さない、その曲を象徴する魅力的なメロディやフレーズのこと。
Hook はポピュラー音楽で、聴き手の注意を引きつけて記憶に残る、短く反復的な旋律やフレーズを指す語です。
「サビ」との違い
日本語の「サビ」がしばしば曲の中で最も盛り上がるコーラス部分全体を指すのに対し、hook はコーラスの一部や、イントロのリフ、タイトルを歌う一小節など、曲中のどこにあってもよい、より短い単位を指すことがあります。
伴奏の繰り返しセクション
歌手や独奏者が準備できるまで、あるいは即興演奏のために、短い伴奏パターンを何度も繰り返します。
Vamp は同じ短い伴奏パターンを、次の展開の合図があるまで繰り返すセクションを指す語です。
可変長のセクション
ミュージカルやジャズでは、歌手が登場するまでの時間稼ぎや、ソロ奏者が即興を始める前の土台として使われます。長さがあらかじめ決まっておらず、指揮者や演奏者の合図で次に進む、可変長のセクションであることが特徴です。
次第に音を消していく結末
録音やDTMで多用される、音が遠ざかるように終わる形式。余韻を持たせた終結です。
Fade out は録音において、演奏を止めるのではなく音量を徐々に下げていくことで曲を終わらせる手法です。
録音時代の技法
生演奏では実現しにくく、ミキシングの操作によって可能になる技法のため、主にレコード時代以降のポピュラー音楽で広まりました。曲の構造上、明確な終止(cadence)を書かずに済むため、演奏がずっと続いているような印象を残したいときに使われます。
定番曲、名曲
時代を超えて多くの演奏者にカバーされ続ける、ジャズや歌謡曲の歴史に刻まれた楽曲群です。
Standard は、特定の作者や初演者に限定されず、長期間にわたり多くの演奏家によって繰り返し演奏・録音されてきた楽曲を指す語です。
ジャズにおける用法
特にジャズの文脈で使われることが多く、ミュージカルや映画のために書かれた楽曲が、元の文脈を離れて即興演奏の共通の題材(レパートリー)として定着したものを指します。
録音の回数、テイク
レコーディングでの一回の演奏単位。「テイク2」のように、ベストな演奏を選ぶために使われます。
Take は録音において、1回分の演奏の収録単位を指す語です。
使われ方
同じ曲・同じ箇所を複数回録音し直した場合、それぞれを「テイク1」「テイク2」のように区別して呼びます。発表される音源は、複数のテイクの中から最良のものを選ぶか、複数のテイクの良い部分をつなぎ合わせて作られることもあります。