和音の基本 — 三和音と七の和音
公開 2026-10-19
高さの違う音を同時に鳴らしたものが和音です。ここでは、和音の定義、基本となる三和音の4種類、主要三和音、七の和音、そして和音の転回について、事典の記述に沿ってまとめます。
和音とは
デジタル大辞泉は、和音を、二つ以上の高さの異なる音が同時に鳴るときの合成音の響きとしています。一方、世界大百科事典(改訂新版)は、異なった3個およびそれ以上の音が同時に響いたものを和音とし、2音のみの場合は音程というか、和音のいずれかの音の省略と考えると述べています。日本大百科全書も、通常、楽音は三つ以上必要で、二つだけの場合は音程といって和音とは区別すると説明しています。数え方は資料によって異なります。
三和音
デジタル大辞泉は、三和音を、ある音を根音とし、その上に3度および5度をなす2音を重ねて作った和音としています。音楽用語ダスは、基本形では、最低音が根音(ルート音)、中間音が根音から3度、最高音が根音から5度であると説明しています。
三和音の4種類
日本国語大辞典は、三和音に、長三度と完全五度による長三和音、短三度と完全五度による短三和音、長三度と増五度による増三和音、短三度と減五度による減三和音の別があると説明しています。日本大百科全書も、もっとも基本的なものとして、この4種を挙げています。また、日本国語大辞典は、減三和音を不協和音の一種としています。
協和音と不協和音
世界大百科事典(改訂新版)は、長3和音と短3和音の2種のみを協和和音といい、他のすべての和音を不協和音というと説明しています。日本大百科全書も、長三和音と短三和音が協和音に属し、その他のすべての和音は不協和音に属するとしています。
主要三和音
音楽用語ダスは、主音、下属音(サブドミナント)、属音(ドミナント)の上に重なる三和音を主要三和音というとしています。世界大百科事典(改訂新版)は、主要三和音などの名は、和音の構造(種類)名ではなく、和声法における機能上の名称であると説明しています。たとえば、ハ・ホ・トの和音は、ハ長調では主和音、ヘ長調では属和音、ト長調では下属和音となり、一つの和音が多様に解釈されることになります。
七の和音
世界大百科事典(改訂新版)は、三和音の第5音の上に、さらに3度(根音から7度)の音が加えられた和音を、7の和音または4(音)和音というとし、代表的なものとして、属7和音、長7和音、短7和音、減7和音、半減7和音を挙げています。日本大百科全書は、4音から構成される和音を、根音と4番目の楽音との音程関係が7度であることから七の和音とよび、構成音の音程関係によって、属七の和音、長七の和音、短七の和音、導七の和音、減七の和音の5種類があると説明しており、種類の数え方が異なります。音楽用語ダスは、属七の和音を、属音上に構成される4和音とし、ハ長調の属七の和音はG7であると例を挙げています。世界大百科事典によると、属7和音は、本来は機能名ですが、ロマン派時代から独立して用いられたため、構造名としても定着しました。
九の和音以上
日本大百科全書は、5音から構成されるものを九の和音、6音を十一の和音、7音を十三の和音とよび、構成音が多いため、根音と第3音、最上音の3音以外の楽音を省略する場合が多いと説明しています。
基本位置と転回
日本大百科全書は、根音を最低音に置く和音を基本位置(または根音位置)とよび、それ以外のバリエーションを総称して転回和音とよぶと説明しています。転回和音は、最低音が第3音か、第5音か、第7音かによって、第1転回、第2転回、第3転回に分類されます。世界大百科事典(改訂新版)は、第1転回形の和音を6の和音、第2転回形を4、6の和音ともいうとし、和音が転回されても、根音、第3音、第5音などの名称や、長3和音、短3和音などの名称は変わらないと述べています。
コードネーム
日本大百科全書は、コードネームを、調に関係なく、根音の音名と和音の種類によって名づけたものとし、Cを根音とする長三和音はC、Dを根音とする短三和音はDm、増三和音と減三和音は、音名の横にそれぞれaug.やdim.と添えると説明しています。