A cappella
ア・カペラ
意味
楽器伴奏なしの歌唱
解説
「礼拝堂風に」。人間の声の重なりだけで、至高の清純さと調和を作り上げます。
音楽用語辞典 & チューナー・メトロノーム
ア・カペラ
楽器伴奏なしの歌唱
「礼拝堂風に」。人間の声の重なりだけで、至高の清純さと調和を作り上げます。
A cappella は「礼拝堂風に」。現在では楽器を伴わない声楽を指しますが、原義は伴奏の有無を指すものではありませんでした。
イタリア語の cappella は礼拝堂を意味し、そこに置かれた楽団も指します。a cappella はもともと、礼拝堂で用いられる様式、すなわち16世紀の教会音楽の様式を指す語でした。そこから、その様式の音楽が声のみで演奏されるという理解が広まり、現在の「無伴奏で」という意味が定着しました。
16世紀の教会音楽が常に無伴奏で演奏されていたわけではなく、オルガンや他の楽器が声部を重ねることもありました。したがって、この語が示す様式と「楽器を使わない」ことは、歴史的には必ずしも一致しません。現在の用法は、後から確立した意味です。
楽器の支えがないため、音程を保つ責任が歌い手にあります。長い曲では全体の高さが徐々に下がることがあり、これを防ぐ意識が必要です。また、和音の各音を歌い手が担うため、和音の中でどの音を歌っているかを把握することが要求されます。第3音を担当する声部の音量が、和音の印象を大きく左右します。
合唱
声部の数が多い無伴奏合唱では、自分の声部が全体の中でどの和音の第何音を担っているかを常に把握し、他の声部が入ってくる瞬間に自分の音程を頼りにできるよう、周囲の和音の響きにも耳を配ります。
タリス《われ、汝のほかに望みなし(スペム・イン・アリウム)》(1570年頃)
5声ずつの8つの合唱隊、計40声部から成る無伴奏の動機で、単独の声から始まって次々と声部が加わり、40声部全員が同時に歌う瞬間を経て、最後にすべての声部が再び合わさる構成を持ちます。伴奏を伴わない声楽の可能性を極限まで広げた作品として知られます。