Andante
アンダンテ
意味
歩くような速さで
解説
人間が自然に歩く程度の、無理のないテンポ。音楽が停滞せず、前向きに流れていることが重要です。
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アンダンテ
歩くような速さで
人間が自然に歩く程度の、無理のないテンポ。音楽が停滞せず、前向きに流れていることが重要です。
Andante は「歩くような速さで」。動詞 andare(歩く、行く)から来た言葉で、止まっていない状態そのものを指します。この用語で最も多い失敗は、遅くしすぎることです。
Andante はイタリア語 andare(歩く、進む)の現在分詞で、直訳すれば「歩いている」。過去形でも命令形でもなく、進行中の状態を表す形であることに意味があります。指定しているのは到達点ではなく、前へ進み続けているという運動の質です。18世紀には「流れるように」に近いニュアンスで用いられており、遅さを表す言葉ではありませんでした。
目安は ♩=76〜108 程度。ただしテンポを合わせただけでは Andante になりません。判断の基準は「音楽が前に進んでいるか」で、これは拍の数え方で大きく変わります。4分の4拍子を1拍ずつ律儀に数えると、テンポが正しくても停滞して聞こえます。2拍のまとまりで感じ、フレーズがどこへ向かっているかを決めてから弾くと、同じテンポでも歩いている音楽になります。歌詞のある曲では、まずブレスの位置を決めてしまうのが近道です。
Andantino は「Andante より少し速く」と説明されるのが一般的ですが、実は歴史的に混乱のある用語です。ベートーヴェンは出版者ジョージ・トムソンへの手紙で、Andantino は Andante より速いのか遅いのか教えてほしい、という趣旨のことを書き残しています。当時から解釈が割れていたわけです。実際の演奏では、前後の楽章との関係や曲想から判断するほかありません。
ピアノ
左手の和音が拍ごとに落ちると足が止まります。小節単位で方向を持たせ、次の小節へ渡す意識を持つと歩き出します。
弦楽器
弓の配分を先に決めます。返しの位置が音楽の切れ目と一致していないと、テンポが正しくても不自然に停滞します。
管楽器
ブレスの位置がフレーズの区切りを決めます。息が続くかどうかではなく、音楽としてどこで区切りたいかから決めてください。
モーツァルト ピアノ協奏曲第21番 第2楽章
Andante。歩みを止めない伴奏の上に旋律が乗る、Andante の典型です。
ハイドン 交響曲第94番「驚愕」第2楽章
Andante。淡々と歩き続けるからこそ、あの一撃が効きます。