Grave
グラーヴェ
意味
重々しく、荘重に
解説
ただ遅いだけでなく、足取りの重さや、逃れられない運命のような深刻さを伴った遅さです。
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グラーヴェ
重々しく、荘重に
ただ遅いだけでなく、足取りの重さや、逃れられない運命のような深刻さを伴った遅さです。
Grave は「重々しく、荘重に」。ラテン語 gravis(重い)に由来し、速度としては最も遅い部類に入りますが、指しているのは重さと深刻さです。
Largo が空間の広さ、Adagio がくつろぎを指すのに対し、Grave の遅さには重さの理由があります。足取りが重い、逃れられない運命に直面している、そうした状況を音で表す言葉です。したがって同じテンポでも、Grave では音に沈み込むような重量が必要になります。軽く弾くと、ただ遅いだけの演奏になります。
Grave は楽曲の冒頭、とくに序奏に置かれる例が目立ちます。重々しい序奏のあとに速い主部が続くという構成は、バロックのフランス風序曲以来の伝統で、古典派のソナタや交響曲にも受け継がれました。この場合、Grave は主部との対比を作るために存在しているので、続く部分との落差を意識して設計します。
ピアノ
和音は腕の重さを預けて深く。付点リズムの短い音符を短くしすぎると軽くなります。
弦楽器
弓を弦に沈めたまま、ゆっくり大きく使います。圧をかけて速く動かすと潰れます。
管楽器
音の入りから終わりまで息の支えを保ちます。減衰させると重さが失われます。
ベートーヴェン ピアノソナタ第8番「悲愴」第1楽章 序奏
Grave。続く Allegro との落差が、この楽章の劇性を作ります。
バッハ「トッカータとフーガ ニ短調」
冒頭の重々しい語りが、続くフーガとの対比を用意します。