🎵 おんがく手帳

1000語以上の音楽用語辞典 & チューナー・メトロノーム

← 辞典にもどる

Rubato

ルバート

速度 🌐 イタリア語

意味

自由な速さで、音の長さを伸縮させて

解説

原義は「盗まれた」。基本の拍子感から旋律の音を少しずつ「盗み」、他で補うことで、感情に沿った自然な揺らぎを生みます。

Rubato は rubare(盗む)の過去分詞で、「盗まれた」。テンポを自由に動かす指示ですが、原義が示すのは「どこかで奪った時間は、どこかで返す」という考え方です。

盗んだ時間は返す

tempo rubato の本来の意味は、ある音を長く取ったぶん、別の音を短くして帳尻を合わせることでした。ショパンは「左手は厳格に拍を刻み、右手だけが自由に動く」という形の rubato を弟子に教えたと伝えられています。つまり基準となる拍は保たれたままで、その上で旋律が伸び縮みします。全体が遅くなっていくのは rubato ではなく ritardando です。

やりすぎの見分け方

判断の目安として、rubato をかけた区間の前後で、拍の総数が合っているかを確認してください。合っていれば時間を返せています。また、聴き手が「テンポが揺れている」と意識してしまう段階は、多くの場合やりすぎです。自然な rubato は、揺れとしてではなく表情として受け取られます。メトロノームに合わせて弾いてみて、区間の終わりでずれていないかを確かめる練習が有効です。

演奏のヒント

ピアノ

左手を安定させ、右手だけを動かす練習から始めます。両手が同時に揺れると、単なるテンポの乱れになります。

弦楽器

伴奏者やアンサンブルとの合意が前提です。独りよがりの rubato は合奏を壊します。

管楽器

ブレスのために伸ばした時間は rubato ではありません。息継ぎと表現のための伸縮を区別してください。

混同しやすい用語

この指示が使われる曲

ショパン マズルカ集

民族舞曲のリズムと rubato の関係が、最も具体的に学べる作品群です。

ショパン ノクターン 第2番 変ホ長調

左手の伴奏を保ったまま右手を動かすという、ショパン本来の rubato の教材です。

❤️ 関連する速度用語

← 辞書のトップへ戻る