Addolorato
アドロラート
意味
悲しみでいっぱいに
解説
深い悲痛さを湛え、溜め息のようなメロディラインを強調します。胸が締め付けられるような表現です。
音楽用語辞典 & チューナー・メトロノーム
アドロラート
悲しみでいっぱいに
深い悲痛さを湛え、溜め息のようなメロディラインを強調します。胸が締め付けられるような表現です。
Addolorato は「悲しみに満ちて」。dolore(痛み、苦しみ)を語根に持ち、深い悲痛を求めます。
dolore(痛み)から動詞 addolorare(苦しめる)が作られ、その過去分詞が addolorato です。したがって原義は「苦しめられた」で、外から与えられた苦痛を受けている状態を指します。同じ語根から dolente(痛みを伴って)、doloroso(苦しげに)、con dolore(痛みをもって)といった語形が生まれています。
過去分詞であるため、この語は苦しむ過程ではなく、苦しめられた状態を指します。すでに傷を負っている状態であり、その重みが響きに現れることが求められます。低音を厚く扱い、フレーズが上へ向かわない扱いが語に合います。
溜め息のような下降音型が書かれていることが多く、それを生かすことがこの指示に応える方法です。フレーズの後半で押さずに抜けていく処理になります。ただし支えが失われると、悲痛ではなく弛緩になります。
声楽・弦楽器
下降する溜め息の音型では、頂点の音を強く突かず、そこから力を抜きながら下ることで、外から押しつけられた重さが表現できます。
ペルゴレージ「スターバト・マーテル」
歌い出しの歌詞 "Stabat mater dolorosa"(悲しみの母が立っていた)の dolorosa が addolorato と同じ dolore を語根に持ち、この語の指す深い悲痛を音楽と言葉の両面で示す作品として知られます。