Allegro
アレグロ
意味
速く、陽気に、快活に
解説
語源は「喜び、陽気」。単なるスピード指定ではなく、音楽がポジティブな活力に満ちている状態を指します。
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アレグロ
速く、陽気に、快活に
語源は「喜び、陽気」。単なるスピード指定ではなく、音楽がポジティブな活力に満ちている状態を指します。
Allegro は「速く」と訳されますが、イタリア語の原義は「陽気な」「快活な」です。テンポの数字より先に、音楽がどんな気分でいるべきかを指定した言葉でした。
Allegro はラテン語の alacer(活発な)を語源とするイタリア語で、日常語としては今も「陽気な、明るい」という意味で使われます。バロック期の楽譜に現れはじめた当初、これは速度ではなく性格の指示でした。速さの意味が前面に出るのは、器楽曲の様式が整い、楽章ごとの速度を区別する必要が生じてからのことです。この成り立ちを知っていると、Allegro を「とにかく速く弾く指示」と受け取るのが、なぜ音楽を痩せさせるのかが見えてきます。
おおよその目安は ♩=120〜168 ですが、この幅の広さ自体が「数字で決まるものではない」ことを示しています。とくに注意したいのが時代差です。メトロノームが普及する1810年代より前の Allegro は、現代の演奏習慣より遅く捉えられていたと考えられており、バッハやヘンデルの Allegro を現代のテンポ感で押し切ると、細部が潰れて騒がしいだけの音楽になります。まず「この曲でいちばん細かい音符が、無理なく粒立って聞こえる速さ」を探し、そこを上限としてテンポを決めるのが安全です。
ピアノ
指を速く動かすことより、拍の頭がそろっているかを優先します。速く聞こえない原因はたいてい右手ではなく、重くなった左手の伴奏形にあります。
弦楽器
弓を使いすぎないこと。中弓から先弓の狭い範囲で動かすほうが、音の粒がそろい、結果として速く聞こえます。
管楽器
タンギングを強くするほど遅く聞こえます。息の流れは止めず、舌は軽く触れる程度に。
モーツァルト「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」第1楽章
Allegro。軽やかさと快活さが、速度そのものより前に立っている好例です。
ベートーヴェン 交響曲第5番 第1楽章
Allegro con brio。「brio(活気)」が加わることで、陽気さより推進力が前面に出ます。