Augmented chord
ぞうさんわおん
意味
増三和音
解説
長3度を2つ積み重ねた和音で、外側の音程が増5度になります。上へ広がっていくような、方向の定まらない浮遊感が特徴です。19世紀後半以降の作品で、調性をあいまいにする効果を狙って多用されました。
音楽用語辞典 & チューナー・メトロノーム
ぞうさんわおん
増三和音
長3度を2つ積み重ねた和音で、外側の音程が増5度になります。上へ広がっていくような、方向の定まらない浮遊感が特徴です。19世紀後半以降の作品で、調性をあいまいにする効果を狙って多用されました。
増三和音は、長3度を2つ積み重ねた和音です。外側の音程が増5度になり、上へ広がっていくような、方向の定まらない浮遊感が生じます。
ド・ミ・ソ♯がその形です。ドとミが長3度、ミとソ♯も長3度、外側のドとソ♯が増5度になります。長三和音の第5音を半音上げた形とも言えます。完全5度の枠が半音広げられているため、内側へ収まる感覚が失われます。
長3度が2つ等間隔に積まれているため、転回しても同じ構造が保たれます。ド・ミ・ソ♯を転回するとミ・ソ♯・ド(=ミ・ソ♯・シ♯と読み替え可能)となり、やはり増三和音です。したがってどの音を根音と見なすこともでき、根音が確定しません。これが方向の定まらない響きの理由です。減七の和音と同じ性質を、3音で持っています。
根音が確定せず、どの調に属するかも定まらないため、この和音は調性の輪郭をぼかす効果を持ちます。19世紀後半以降の作品で、この効果を狙って多用されました。全音音階に含まれる和音でもあり、印象主義の書法とも結びついています。
オーケストラ全般
根音が確定しない性質を生かすには、和音の中の特定の音を強調しすぎないことが有効です。どれかの音を根音のように扱うと、あいまいさが消えてしまいます。
リスト「ファウスト交響曲」冒頭
22小節にわたって増三和音が連続し、半音階的に移動しながら12音すべてを提示する序奏として知られます。調性の輪郭を意図的にぼかす、この和音の用途を示す代表例です。