Enharmonic
異名同音
意味
名前は違うが音の高さは同じ
解説
C#とDbのように、文脈で役割が変わります。
1000語以上の音楽用語辞典 & チューナー・メトロノーム
異名同音
名前は違うが音の高さは同じ
C#とDbのように、文脈で役割が変わります。
Enharmonic(異名同音)は、名前が違うのに実際の高さが同じ音のこと。嬰ヘと変トは、ピアノでは同じ鍵盤です。
平均律の鍵盤楽器では嬰ヘと変トは同じ音ですが、和声的な意味はまったく異なります。嬰ヘは上へ解決したがる音、変トは下へ解決したがる音です。作曲家がどちらで書いたかは、その音がどこへ向かうかを示しています。演奏でも、上行するなら少し高め、下行するなら少し低めに取ると、方向性が伝わります。
異名同音は、遠い調へ移るための橋渡しとして使われます。ある和音を異名同音として読み替えることで、まったく別の調の和音として機能させられるためです。とくに減七の和音は、読み替えによってどの調へも進めるため、劇的な転調の道具として重用されてきました。
異名同音が完全に同じ高さになるのは、オクターブを12等分した平均律においてです。純正律や中全音律では嬰ヘと変トは異なる高さを持ち、区別されていました。鍵盤楽器が平均律に統一されたことで、あらゆる調が使えるようになった一方、この微細な差は失われました。
ピアノ
物理的に同じ鍵盤なので、読み替えは記譜上の問題です。どちらで書かれているかが解釈の手がかりになります。
弦楽器
音程を自由に取れるため、方向性に応じて微調整できます。上行の嬰音は高め、下行の変音は低めが目安です。
合唱
純正な響きを狙う場合、異名同音を区別して歌うことで和音がより溶け合います。
ベートーヴェン ピアノソナタ第21番「ワルトシュタイン」
異名同音を介した転調が、大胆な和声進行を可能にしています。