Dal niente
ダル・ニエンテ
意味
無から徐々に
解説
静寂の中から、いつの間にか音が生まれてきたように。開始のタイミングを悟らせない繊細なアタックが必要です。
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ダル・ニエンテ
無から徐々に
静寂の中から、いつの間にか音が生まれてきたように。開始のタイミングを悟らせない繊細なアタックが必要です。
Dal niente は「無から徐々に」。静寂の中から音が生まれてくることを求める指示です。al niente の逆向きの動きにあたります。
音が始まった瞬間が聴き手に分かってしまうと、無から生まれた感じにはなりません。目指すのは、いつのまにか音が鳴っていたという状態です。そのため、聞こえるかどうかの境目から立ち上げる必要があります。増大の記号(クレッシェンドの三角)の始点が完全に閉じて書かれることがあり、これがゼロからの出発を示します。
弦楽器では、弓を弦に置いた状態から圧力をかけずに動かし始め、徐々に圧力を加えます。管楽器では、発音の子音を作らずに息だけを通してから音に変えていきます。どちらも、はっきりした発音を避けることが要点です。ピアノでは打鍵の瞬間が必ず音の開始になるため、この効果は原理的に作りにくく、極端に弱い打鍵とペダルによる残響で近づけることになります。
ゼロから立ち上げる音は、会場の静けさに依存します。客席の物音や空調の音がある中では、聞こえ始める地点そのものが変わります。実際の演奏では、その場の静けさの水準に合わせて開始の音量を決めることになります。