Artificial harmonics
人工ハーモニクス
意味
押弦と接触を併用する倍音
解説
一本の指で弦を押さえ、別の指で軽く触れて倍音を出します。複雑な旋律も倍音で奏でられます。
音楽用語辞典 & チューナー・メトロノーム
人工ハーモニクス
押弦と接触を併用する倍音
一本の指で弦を押さえ、別の指で軽く触れて倍音を出します。複雑な旋律も倍音で奏でられます。
人工ハーモニクスは、弦楽器で一本の指で弦を押さえて音の高さを決め、別の指で軽く触れて倍音を出す奏法です。
自然ハーモニクスは、開放弦の特定の位置に指を軽く触れて出します。この場合、出せる音は開放弦の倍音列に限られます。人工ハーモニクスでは、まず1本の指(多くは1の指)でしっかり押さえて弦の長さを短くし、そこを新しい開放弦とみなします。その上で別の指(多くは4の指)を4度上の位置に軽く触れると、押さえた音の2オクターブ上が出ます。押さえる位置を動かせるため、任意の音で倍音を出せます。
押さえる音を通常の音符で、触れる位置をひし形の音符頭で示します。実際に鳴る音は書かれておらず、演奏者が計算します。作曲者が実音を小さく併記することもあります。4度の間隔が最も一般的ですが、5度や長3度の位置に触れる書き方もあり、それぞれ別の倍音が出ます。
押さえる指の力と触れる指の力を同時に別々に制御する必要があります。触れる指が強すぎると通常の音になり、弱すぎると鳴りません。また、二つの指の間隔を正確に保ったまま位置を移動させるため、高い音域では間隔が狭くなり難度が上がります。弓は速く軽く動かすと倍音が出やすくなります。
ヴァイオリン
押さえる指と触れる指の間隔を、高い音域へ移動するときほど正確に保つ必要があります。移動中に間隔がわずかでも狂うと倍音が鳴らなくなるため、2本の指を1つの形として一緒に動かす意識が助けになります。
ラヴェル「ツィガーヌ」冒頭の無伴奏カデンツァ
曲全体の半分近くを占める無伴奏ヴァイオリンのカデンツァで、グリッサンド、トリル、オクターブの重音に加えて人工ハーモニクスが多用され、「恐ろしいほどの」超絶技巧の連続として評されます。