Sul tasto
スル・タスト
意味
指板の上で弾いて
解説
指板(指で押さえる板)の上で弓を動かします。音がこもり、フルートのような柔らかい音色になります。
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スル・タスト
指板の上で弾いて
指板(指で押さえる板)の上で弓を動かします。音がこもり、フルートのような柔らかい音色になります。
Sul tasto は「指板の上で」。弓を指板の上あたりで弾くことで、柔らかく、芯のない、遠くから聞こえるような音色を作ります。
駒から離れて指板寄りで弾くと、高次の倍音が減り、基音が相対的に強くなります。その結果、輪郭のぼやけた、丸く霞んだ音になります。sul ponticello とは正反対の効果で、両者は弾く位置という同じパラメータの両端に位置しています。この関係を理解しておくと、指示がない場面でも音色の設計に応用できます。
sul tasto では自然に音量が下がりますが、これは音色を得た結果であって目的ではありません。p や pp と併記されることが多いものの、f で sul tasto という指定もあり得ます。音量を落としたいだけなら弓の圧を減らせばよく、わざわざ位置を変えるのは音色が目的だと考えてください。
弦楽器
弓速を保たないと音が消えます。圧は軽く、しかし弓は動かし続けます。
ヴィオラ・チェロ
弦が太いぶん、位置による音色差がヴァイオリンより穏やかに出ます。
ドビュッシー 弦楽四重奏曲
音色の変化が構造の一部として扱われます。