Tritone
トライトーン
意味
三全音、増4度/減5度
解説
全音3つ分(半音6つ)離れた音程で、オクターブのちょうど半分にあたります。きわめて不安定で緊張感が強く、中世には「音楽における悪魔」と呼ばれ忌避されました。現在では属七の和音に含まれ、主和音へ解決したいという推進力の源になっています。
音楽用語辞典 & チューナー・メトロノーム
トライトーン
三全音、増4度/減5度
全音3つ分(半音6つ)離れた音程で、オクターブのちょうど半分にあたります。きわめて不安定で緊張感が強く、中世には「音楽における悪魔」と呼ばれ忌避されました。現在では属七の和音に含まれ、主和音へ解決したいという推進力の源になっています。
三全音は全音3つ分、半音6つ分の音程です。オクターブのちょうど半分にあたり、西洋音楽で最も不安定に響く音程として扱われてきました。
半音12個でオクターブになるため、その半分の6半音がこの音程です。真ん中にあるということは、上下どちらの端からも等距離にあるということで、どちらへ収まるべきかが決まりません。この方向の定まらなさが不安定さの理由です。増4度(ファとシ)と減5度(シとファ)は同じ半音6つの幅を持ち、音程としては同一の響きになります。
中世の理論では、この音程は歌ってはならないものとして扱われ、diabolus in musica(音楽における悪魔)という表現で呼ばれました。当時の協和の基準は単純な整数比に基づいていたため、比が複雑なこの音程は枠の外にありました。回避のために音を半音変える操作が行われ、これが臨時記号の使用の一因になっています。
ハ長調の属七の和音(ソ・シ・レ・ファ)には、シとファという三全音が含まれています。シは主音ドへ半音上がりたく、ファはミへ半音下がりたい。二つの半音が外側と内側へ同時に解決することで、主和音へ向かう強い推進力が生まれます。忌避された音程が、調性音楽では最も重要な進行の原動力になっているという逆転がここにあります。
この音程は解決を前提として書かれています。したがって、含まれる和音でテンポを緩めたり音量を落としたりすると、行き先を失って響きだけが濁ります。緊張を保ったまま次の和音へ渡すのが基本です。20世紀以降の作品では解決を伴わずに使われることもあり、その場合は不安定さそのものが目的になっています。
声楽
中世には「悪魔の音程(diabolus in musica)」と呼ばれ、避けられていました。単独で歌う練習をすると、その不安定さがよく分かります。
鍵盤
属七の和音の中にある三全音(第3音と第7音)を弾き、その2音だけを解決させる練習をすると、和声進行の推進力の正体が見えてきます。
バーンスタイン「ウエストサイド物語」より Maria
冒頭の跳躍が増4度(三全音)で、不安定な響きが劇的な効果として使われています。