Verismo
ヴェリズモ(現実主義)
意味
現実味のある深刻なドラマ
解説
19世紀末イタリア。神話ではなく、市井の人々のむき出しの感情や悲劇を描くオペラ様式。情熱的な叫びが特長です。
音楽用語辞典 & チューナー・メトロノーム
ヴェリズモ(現実主義)
現実味のある深刻なドラマ
19世紀末イタリア。神話ではなく、市井の人々のむき出しの感情や悲劇を描くオペラ様式。情熱的な叫びが特長です。
ヴェリズモは「真実主義」。神話や歴史ではなく、同時代の庶民の生活と激情を描くイタリア・オペラの動向です。
イタリア語の vero(真実)に由来する語で、もとは文学の運動を指しました。ジョヴァンニ・ヴェルガらが、シチリアの農民や貧しい人々の生活をありのままに描く作品を発表し、これがヴェリズモと呼ばれました。オペラのヴェリズモは、この文学の動向を舞台に持ち込んだものです。
マスカーニの《カヴァレリア・ルスティカーナ》(1890年初演)はヴェルガの作品に基づいており、この動向の出発点として扱われます。レオンカヴァッロの《道化師》(1892年初演)も代表作に数えられます。どちらも1時間程度の短い作品で、嫉妬と殺人を扱っています。
登場人物の感情が直接的に表出され、旋律が叫びに近づく箇所が現れます。レチタティーヴォとアリアの区分が曖昧になり、音楽が途切れず流れる書法が用いられます。管弦楽の音量が大きく、歌手には強い声が要求されます。
プッチーニの作品をヴェリズモに含めるかについては見解が分かれます。同時代の題材を扱い、感情の直接的な表出という特徴を共有する一方で、その作風を独立して扱う立場もあります。この語がどこまでを指すかは、論者によって幅があります。
声楽
ヴェリズモの歌唱では、美しさより感情の直接性が優先されます。叫びに近づく箇所では、声を保護する支えを保ったまま、抑えすぎない発声が求められます。
マスカーニ「カヴァレリア・ルスティカーナ」(1890年初演)
ヴェルガの文学作品に基づき、シチリアの農民の嫉妬と殺人を描いた、ヴェリズモ・オペラの出発点とされる作品です。