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Appoggiatura

アッポジャトゥーラ

奏法 🌐 イタリア語

意味

前打音、倚音(いおん)

解説

旋律の骨格となる音の前に置かれる装飾音。不協和音から協和音への解決を演出し、強い感情の揺れを生みます。

Appoggiatura は appoggiare(もたれかかる)から来た語で、前打音。主要な音の直前に置かれ、和音の外の音から解決へ向かう装飾です。

「もたれかかる」という原義

appoggiatura は単なる飾りではなく、和声的な緊張を作る音です。和音に属さない音が拍の上に置かれ、そこから半音または全音で和音の音へ解決します。原義の「もたれかかる」は、この不安定な音が解決先へ寄りかかっている状態を表しています。したがって演奏では、装飾音のほうを強く、解決音を弱く弾くのが原則です。

長さは書かれていないことが多い

古典派までの記譜では、appoggiatura の長さは慣習に委ねられていました。一般には主要音の半分(付点の場合は3分の2)を取るとされますが、テンポや曲想で変わります。19世紀以降は実際の音価で書かれることが増えました。古い楽譜では、書かれた通りの短さで弾くと和声的な意味が失われることがあるため、注意が必要です。

演奏のヒント

ピアノ

装飾音を拍の上に置きます。拍の前に押し込むと acciaccatura のようになり、性格が変わります。

弦楽器

装飾音にも十分な弓を配分します。急いで弾くと和声的な緊張が伝わりません。

管楽器

装飾音のタンギングを主要音より明確にし、解決を柔らかく収めます。

混同しやすい用語

この指示が使われる曲

モーツァルト「アヴェ・ヴェルム・コルプス」

前打音による緊張と解決が、和声の色を作っています。

バッハ「マタイ受難曲」より「憐れみたまえ」

嘆きの表情が、前打音の連続によって作られています。

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