Eco
エコ
意味
こだま、残響
解説
エコー効果。遠くで響くような。
音楽用語辞典 & チューナー・メトロノーム
エコ
こだま、残響
エコー効果。遠くで響くような。
Eco は「こだま」。直前の楽句を音量を落として繰り返す書法、およびそのように演奏する指示を指します。
同じ楽句を、1回目は通常の音量で、2回目は弱く繰り返します。こだまが返ってくるように聞かせる書法で、バロック期に広く用いられました。チェンバロやオルガンでは、鍵盤を持ち替えたりストップを切り替えたりして音量差を作ります。この楽器では連続的なクレッシェンドが作れないため、段階的な音量差を利用したエコーが有効な手段でした。
単に小さく繰り返すだけでは、こだまには聞こえません。こだまは遠くから返ってくる音であり、音量が下がるだけでなく輪郭がぼやけます。したがって、立ち上がりを鈍らせ、倍音を減らす扱いが有効です。また、1回目と2回目のあいだにわずかな間があると、距離が感じられます。
ギリシャ神話の妖精エコーの名に由来します。この妖精は自分から語ることができず、他者の言葉の末尾を繰り返すだけの存在にされたと伝えられます。繰り返すことしかできないという性質が、そのまま音響現象の名になっています。
チェンバロ・オルガン
2段鍵盤の場合、1回目を主鍵盤、2回目を副鍵盤(弱い音栓)で弾き分けます。切り替えの瞬間に音が途切れないよう、次の鍵盤に手を移すタイミングをあらかじめ決めておきます。
バッハ「フランス風序曲」BWV 831 より Echo
曲名がそのまま「エコー」と付けられた、2段鍵盤チェンバロの段階的な強弱を活かす代表例です。