Harpsichord
ハープシコード(チェンバロ)
意味
爪ではじいて鳴らす鍵盤楽器
解説
バロック時代を象徴する楽器。音量の強弱はつけにくいが、きらびやかで繊細な響きが魅力です。
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ハープシコード(チェンバロ)
爪ではじいて鳴らす鍵盤楽器
バロック時代を象徴する楽器。音量の強弱はつけにくいが、きらびやかで繊細な響きが魅力です。
ハープシコードは、弦を爪ではじいて鳴らす鍵盤楽器です。ピアノのように鍵を押す強さで音量を変えることができません。
鍵を押すと、ジャックと呼ばれる部品が持ち上がり、そこに取り付けられた爪(プレクトラム)が弦をはじきます。はじく動作は爪が弦を通過することで完結するため、鍵を押す速さは弦をはじく強さにほとんど影響しません。これが音量を変えられない理由です。ピアノは弦を叩く仕組みで、打つ速度が音量に直結します。この構造の違いが、両者の表現の違いを生んでいます。
打鍵で変えられない代わりに、別の手段があります。複数の弦の列(レジスター)を持つ楽器では、ストップの操作で鳴らす列を増減できます。鍵盤が2段ある楽器では、段を持ち替えることで音色と音量を変えられます。これらの切り替えは段階的なので、連続的なクレッシェンドは作れません。バロック音楽の強弱が段で切り替わる書き方は、この構造を前提としています。
音量が使えない代わりに、音の長さと出るタイミングが表現の中心になります。音を保つ長さを変える、和音の音をわずかにずらして鳴らす、装飾を加える、といった方法で重みや強調を作ります。同じ音を強く聞かせたいときは、その直前にわずかな間を置くと際立ちます。
イタリア語では clavicembalo または cembalo、フランス語では clavecin、ドイツ語では Cembalo。日本語では「チェンバロ」が定着していますが、これはドイツ語・イタリア語由来の呼び方です。