Developing variation
発展的変奏
意味
一音からすべてを発展させる技法
解説
ブラームスの核心。一つの小さなモチーフを無限に形を変えて展開させ、論理的で濃密な音楽を作ります。
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発展的変奏
一音からすべてを発展させる技法
ブラームスの核心。一つの小さなモチーフを無限に形を変えて展開させ、論理的で濃密な音楽を作ります。
発展的変奏は、小さな動機を絶えず変形しながら音楽を進める技法です。シェーンベルクがブラームスの書法を説明するために用いた概念です。
ドイツ語の entwickelnde Variation という語は、シェーンベルクが著作や講義で用いたものです。ブラームスの音楽が、主題を反復するのではなく絶えず変形しながら進んでいることを指摘し、これを作曲上の原理として評価しました。ブラームス自身の用語ではなく、後世の分析概念です。
変奏曲形式では、主題が提示された後、それを保ったまま各変奏で装飾や和声が変えられます。区切りが明確で、どこからどこまでが1つの変奏かが分かります。発展的変奏では、変形が連続的に進み、区切りがありません。同じ素材が形を変え続けるため、聴き手は絶えず新しいものを聞きながら、同じものを聞いていることになります。
シェーンベルクは、この技法を自身の12音技法の先行例として位置づけました。少数の素材から全体を導くという考え方が共通しているためです。この見方は、ブラームスを保守的な作曲家とする当時の評価を組み替えるものでもありました。ただしこれはシェーンベルクの立場からの解釈であり、ブラームス研究の唯一の枠組みではありません。
素材が絶えず変形されるため、どこで何が変わったかを聴き手が追えることが重要になります。共通する要素を保ちながら性格の違いを示すという、両立の難しい扱いが求められます。