Tempoテンポ
英語
速さ、拍の速度
イタリア語で「時間」。音楽では拍の速さを指し、1分間の拍数で示されることもある。
Tempo(テンポ)はイタリア語で「時間」を意味し、音楽においては拍が刻まれる速さそのものを指す基本語。
表し方
Allegroなど性格を伴う言葉で示される場合と、1分間の拍数(BPM)を示すメトロノーム記号で数値として示される場合がある。
音楽用語辞典 & チューナー・メトロノーム
tempo はイタリア語で「時間」で、音楽では拍の速さを指します。メトロノーム記号(M.M. ♩=120 など)は、その速さを1分あたりの拍数で示します。tempo giusto(正しい速さで)や al rigore di tempo(厳格なテンポで)、a battuta(拍どおりに)は、テンポを揺らさないことを求める指示です。
M.M. は Maelzel's Metronome(メルツェルのメトロノーム)の略です。ベートーヴェンは、自作にメトロノーム記号を付けた最初期の作曲家の一人です。
tempo di marcia(行進曲のテンポで)と tempo di valse(ワルツのテンポで)は、具体的な数値ではなく、その曲種の速さと拍の感じを求める指示です。
giusto(正確な、適切な)は、tempo giusto のほか、ムソルグスキー《展覧会の絵》の〈プロムナード〉の Allegro giusto のように、速度の語に添えても使われます。
英語
速さ、拍の速度
イタリア語で「時間」。音楽では拍の速さを指し、1分間の拍数で示されることもある。
Tempo(テンポ)はイタリア語で「時間」を意味し、音楽においては拍が刻まれる速さそのものを指す基本語。
Allegroなど性格を伴う言葉で示される場合と、1分間の拍数(BPM)を示すメトロノーム記号で数値として示される場合がある。
英語
一定の拍を刻む道具
一定の拍を刻む道具。1815年にメルツェルが特許を取得して広まった振り子式のものが知られる。
Metronome(メトロノーム)は一定の拍を機械的に刻む道具。作曲家が意図したテンポを、演奏者が離れた時代・場所でも数値として再現できるようにする。
メトロノーム記号は速さを数値で示せる一方、曲の中でテンポをどの程度揺らすかまでは示さない。数値は出発点であり、そこからの扱いには演奏者の解釈が表れる。
現在広く知られる振り子式メトロノームは、1815年にヨハン・ネポムク・メルツェルが特許を取得して普及させたが、その基本的な仕組みはディートリヒ・ニコラウス・ヴィンケルが先に考案していたとされ、両者の間で発明の先後をめぐる論争があったことが知られている。ベートーヴェンの楽譜に付された「M.M.」という表記はメルツェルの頭文字に由来する。
共通
メトロノーム記号の数値は、版によって作曲家自身のものか校訂者のものか異なることがあるので、原典に近い版で確認します。
ベートーヴェンの交響曲など
メトロノーム記号を自作に付けた最初期の作曲家の一人で、その数値(速すぎるのではないかという指摘を含む)の解釈は今も議論されています。
英語
具体的な速さの数値
♩=120 のように、1分間の拍数を数値で示す表記。M.M. はメルツェルのメトロノームの略。
Metronome mark(メトロノーム記号)は、1分間に刻む拍の数(BPM)を数値で示す表記。たとえば「♩=120」のように書かれる。
AllegroやAdagioのような言葉による指示が演奏者の解釈の幅を残すのに対し、メトロノーム記号は客観的な数値として速度を固定する点で性格が異なる。
英語
メトロノームのように正確なテンポで
英語で「メトロノームのように正確な」。テンポを揺らさずに演奏することを求める。
Metronomic(メトロノミック)は英語で「メトロノームのように正確な」を意味する形容詞。テンポの揺れを排し、機械的なまでに均一な拍で演奏することを求める指示として使われる。
Metronome(メトロノーム)に形容詞語尾-icを付けた語。
イタリア語
正確な速さで、ふさわしい速度で
giusto は「正しい、適切な」。テンポを揺らさずに、またはその曲にふさわしい速さで、という2通りの意味で読まれる。
Tempo giusto は「正確なテンポで」。giusto は「正しい、適切な」を意味し、揺れのない一定の速度を求めます。
この語には2つの読み方があります。一つは「テンポを揺らさず正確に」という、rubato を禁じる意味。もう一つは「その曲にふさわしい速度で」という、常識的なテンポを求める意味です。自由なテンポの部分の直後に置かれていれば前者、曲の冒頭に単独で置かれていれば後者と読むのが自然です。
テンポを揺らさないことと、表情がないことは別です。tempo giusto の箇所でも、音量、音色、アーティキュレーションによる表現は可能です。むしろテンポという最も分かりやすい手段を封じられるぶん、他の要素での表現力が問われます。
共通
メトロノームと合わせて、無意識の揺れがないかを確認します。とくにフレーズの終わりで緩みがちです。
ピアノ
跳躍や難所で遅くなっていないか確認します。技術的な理由の揺れが最も多い原因です。
イタリア語
厳格なテンポで
ルバートを禁じ、拍を正確に刻む。
Al rigore di tempo(アル・リゴーレ・ディ・テンポ)はイタリア語で「厳格な速さで」を意味し、テンポの揺れ(ルバートなど)を排して正確な拍を保つことを求める指示。
名詞rigore(厳格さ、厳密さ)に由来し、rigoroso(厳格な)という形容詞とも語根を共有する。
イタリア語
拍、拍子、打ち方
「拍、小節」。a battuta(拍どおりに)の形で、自由に扱った箇所のあとに厳格な拍へ戻ることを示す。
Battuta(バットゥータ)はイタリア語で「拍、打ち方、小節」を意味する名詞。楽譜上ではa battuta(正確な拍子で)という形で使われ、rit.などで緩めたテンポを、指揮者の打つ拍に厳格に合わせて戻すことを指示する。
動詞battere(打つ)に由来し、指揮者が拍を「打つ」動作、あるいは小節線で区切られた「打拍の単位」を指す語として使われてきた。
イタリア語
行進曲のテンポで
「行進曲のテンポで」。
Tempo di marcia(テンポ・ディ・マルチャ)はイタリア語で「行進曲のテンポで」を意味し、規則正しい足取りを思わせる速度を示す。
AllegroやModeratoのような単純な速さの指定ではなく、行進曲というジャンルが持つ規則的で力強いリズム感そのものを楽曲に求める指示である。実際のテンポの数値は曲によって幅があるが、共通するのは拍の刻みがはっきりと感じられる歩みである。
行進曲そのものではない楽章の中に、行進曲的な性格を持つ部分を挿入する際にこの指示が用いられることがある。
イタリア語
ワルツのテンポで
「ワルツのテンポで」。
Tempo di valse(テンポ・ディ・ヴァルス)はイタリア語で「ワルツのテンポで」を意味し、3拍子の優雅な舞踏を思わせる速度を示す。
Tempo di marciaと同様に、単なる速度の数値ではなく、ワルツという舞曲が持つ独特の弾みとリズム感を楽曲に求める指示である。多くのワルツでは、1拍目にやや重心を置き、2拍目・3拍目が軽く流れるような特有の拍の感覚が特徴とされる。
ワルツそのものではない楽章や楽曲の一部に、この舞踏的な性格を取り入れたい場合に用いられることがある。
イタリア語
正確な、適切な
「正しい、適切な」。tempo giusto の形で使われることが多い。
Giusto は「正確な、適切な」。ラテン語の iustus(正しい)に由来し、行き過ぎを戒める語です。
ラテン語の ius(法、権利)から派生した iustus に由来します。英語の just、justice、adjust も同じ語根です。原義は「法にかなった」で、そこから正確な、適切なという意味が生じました。恣意的でないこと、基準に合っていることを述べる語です。
最もよく見るのは tempo giusto という形です。厳格に一定のテンポを保つという意味と、その曲にふさわしい適切なテンポという意味の両方で用いられてきました。前者は rubato の反対、後者は速度の指定にあたり、内容が異なります。どちらの意味かは文脈で判断することになり、この語の解釈は一義的に定まっていません。
他の語に添えて、その指示を行き過ぎない範囲に収めることを求める用法もあります。表現を抑制する方向の語であり、自由さを求める a piacere や rubato とは反対の位置にあります。
共通
直前に rubato の箇所があった場合、tempo giusto は「元のテンポに戻る」合図でもあります。戻る瞬間のテンポを、曲の最初に示されたテンポと同じに揃えておくと、指示の意図が明確に伝わります。
ショパン ワルツ 作品70の2
tempo giusto の指示が現れる、この語の実例として知られる作品です。