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音楽用語辞典 & チューナー・メトロノーム

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フランス語の速度表示 — lent・modéré・vif など

ドビュッシーやラヴェルなど、フランスの作曲家の楽譜では、速度や性格の指示がフランス語で書かれることが多くあります。lent(遅く)、modéré(中くらいの速さで)、vif(生き生きと、速く)、animé(活気づいて)、calme(静かに)などが基本の語彙です。

イタリア語との対応

おおよそ lent は Lento、modéré は Moderato、vif は Vivace、animé は Animato、calme は Tranquillo、gravement は Grave に相当します。

度合いと変化を表す語

très(とても)、assez(かなり)を添えて度合いを調整します。cédez(緩めて)、en serrant・en pressant(せき立てて)はテンポの変化を示し、cédez のように動詞の命令形で書かれることもあります。

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Lentラン

フランス語

遅く

フランス語で「遅く」。イタリア語の Lento に相当する。

Lent(ラン)はフランス語で「遅く」を意味し、イタリア語のLentoに相当する速度指示。

フランス語の速度語彙

ドビュッシーやラヴェルなど、フランス語で書かれた楽譜ではイタリア語に代わってフランス語の速度用語が使われることが多く、Lentはその基本語のひとつ。

混同しやすい用語

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Tres lentトレ・ラン

フランス語

とても遅く

フランス語で「とても遅く」(正しい綴りは très lent)。

Très lent はフランス語で「とても遅く」。辞典にはアクサン記号のない Tres lent の形で収録されていますが、正しい綴りは Très lent です。

成り立ち

très(とても)と lent(遅い)の組み合わせです。lent はラテン語の lentus(緩慢な、粘り気のある)に由来し、イタリア語の lento と同じ語根を持ちます。

フランス語の程度副詞

très は形容詞や副詞の前に置いて程度を強めます。イタリア語の molto、ドイツ語の sehr に対応する語です。フランス語で書かれた楽譜では、très calme(とても静かに)、très doux(とても柔らかく)のように、この語を伴った指示が頻繁に現れます。

極端に遅いテンポの扱い

テンポが遅くなるほど、拍の間隔が広がって拍節の感覚が失われやすくなります。この状態で各音を独立に置くと、音楽が進まなくなります。遅い箇所では、より大きな単位(2小節や4小節)を一つのまとまりとして感じることで、進行が保たれます。

混同しやすい用語

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Modéréモデレ

フランス語

中くらいの速さで

フランス語で「中くらいの速さで」。イタリア語の Moderato に相当する。

Modéré はフランス語で「中くらいの速さで」。イタリア語の Moderato に対応します。行きすぎないことを求める語で、速さの中間点を指すだけの語ではありません。

ラテン語 modus(尺度)から

動詞 modérer(節度を保つ、加減する)の過去分詞で、ラテン語の moderari に由来します。その語根は modus(尺度、限度)で、英語の moderate、mode、modest も同じ語根を持ちます。示しているのは「尺度の内に収まっている」状態であり、中間の速さはその結果です。

節度という含み

語源に「限度を守る」という意味があるため、この指示は速度だけでなく表現の度合いにも及びます。極端に振らないこと、行きすぎないことが求められます。したがって、正しいテンポで弾いていても表情を過剰に付ければ、この語の方向から外れます。

混同しやすい用語

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Vifヴィフ

フランス語

快速に、生き生きと

フランス語で「生き生きと、速く」。イタリア語の Vivace に相当する。

Vif(ヴィフ)はフランス語で「生き生きと、快活に」を意味し、イタリア語のVivaceに相当する速度指示。

関連するフランス語の指示

Animé(生気を持って)やTres vite(とても速く)などとともに、フランス語の楽譜で速度と性格を同時に示す語のひとつとして使われる。

混同しやすい用語

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Tres viteトレ・ヴィト

フランス語

とても速く

フランス語で「とても速く」(正しい綴りは très vite)。

Tres vite(トレ・ヴィト、正しくは Très vite)はフランス語で「とても速く」を意味する速度指示。

成り立ち

très(とても)+ vite(速く)という2語の組み合わせで、ドビュッシーやラヴェルなどフランス語で書かれた楽譜に見られる。

混同しやすい用語

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Assez viteアッセ・ヴィト

フランス語

かなり速く

assez(かなり、ほどほどに)+ vite(速く)。très vite(とても速く)ほどではない速さ。

Assez vite(アッセ・ヴィト)はフランス語で「かなり速く」を意味する速度指示。

成り立ち

assez(かなり、ほどほどに)+ vite(速く)の組み合わせ。楽譜の assez は「十分に」より「かなり、ほどほどに」の意味で読まれる。Tres viteほどの極端な速さではなく、ほどよい快活さを示す。

混同しやすい用語

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Animéアニメ

フランス語

活気を持って

フランス語で「活気づいて」。イタリア語の Animato に相当する。

Animé(アニメ)はフランス語で「生気を持って、活気づけられて」を意味し、イタリア語のAnimatoに相当する指示。

語源

動詞animer(生命・活気を与える)の過去分詞形で、Animatoと同じラテン語animus(生命、心)に由来する。

混同しやすい用語

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Calmeカルム

フランス語

静かに、穏やかに

フランス語で「静かに、穏やかに」。イタリア語の Tranquillo に相当する。

Calme はフランス語で「静かに、穏やかに」。イタリア語の Tranquillo に対応します。語源をたどると「真昼の暑さ」に行き着く語です。

「真昼の暑さ」という語源

ギリシャ語の kauma(焼けつく暑さ)が後期ラテン語 cauma を経てイタリア語 calma になり、フランス語に入りました。英語の calm も同じ経路です。真昼の暑い時間帯は人も動物も動きを止めて休むため、「暑さ」から「静けさ」へ意味が移りました。風がやんだ海の状態を指す語としても使われます。

静けさは音量ではない

この指示は音量記号ではありません。弱く弾いても落ち着きがなければ静けさは生まれず、ある程度の音量があっても動きが収まっていれば静けさは成立します。テンポの安定、音の立ち上がりの穏やかさ、フレーズの起伏の小ささが、この語に応える要素です。

フランス語の指示の中で

フランス語で性格を指定する作曲家の楽譜では、très calme(とても静かに)や calme et doux(静かに柔らかく)のように、他の語と組み合わせて現れることがあります。フランス語の指示は、イタリア語の定型よりも文として書かれる傾向があります。

演奏のヒント

共通

音量を落とすだけでなく、フレーズの起伏を穏やかにし、アタックを柔らかくすると calme な性格が出ます。

混同しやすい用語

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Gravementグラーヴマン

フランス語

荘重に

フランス語で「重々しく」。イタリア語の Grave に相当する。

Gravement はフランス語で「重々しく、荘重に」。イタリア語の Grave に相当します。フランス語の grave には「低い音の」という意味もあり、この語源が音楽と直接つながっています。

ラテン語 gravis(重い)から

形容詞 grave に副詞語尾 -ment を付けた形です。ラテン語の gravis(重い)に由来し、英語の grave、gravity、gravitate も同じ語根を持ちます。重さという物理的な性質が、そのまま深刻さや荘重さという意味へ広がった語です。

「低い音」という意味

フランス語では son grave が「低い音」を意味し、高い音を指す aigu と対をなします。低音は物理的に振動が遅く、重い弦や長い管から出ます。重さと低さが同じ語で結ばれているのは、この物理的な対応があるためです。

演奏上の判断

重々しさは音量では作れません。テンポを広く取り、音を鳴らしきり、次の音へ急がないことで重心が生まれます。速く弾くと、音量が大きくても軽く聞こえます。逆に、遅くしただけで支えが抜けると、重さではなく緩みになります。

混同しやすい用語

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Cedeセード

フランス語

だんだん遅く、力を緩めて

フランス語 cédez(緩めて)。テンポを緩める指示(正しい綴りは cédez)。

Cédez はフランス語の動詞 céder(譲る、緩める)の命令形で、テンポを緩めることを示します。辞典にはアクサン記号のない Cede の形で収録されています。

ラテン語 cedere(譲る、退く)から

céder はラテン語の cedere に由来し、英語の cede、concede、recede、precede も同じ語根を持ちます。原義は「退く、場所を譲る」です。したがってこの指示は、単に遅くすることではなく、押していた力を引く動きを表します。

ritardando との違い

ritardando は「遅らせる」、cédez は「譲る、緩める」で、語が示す像は異なります。ただし楽譜上はどちらもテンポを緩める指示として使われ、演奏上の区別を定めた一般的な規則はありません。

命令形で書かれる指示

フランス語の楽譜では、動詞の命令形で指示が書かれることがあります。cédez(緩めて)、retenez(引き止めて)、pressez(急いで)、serrez(詰めて)などがその形です。イタリア語が「〜しながら」の形(ritardando、accelerando)で過程を示すのに対して、フランス語は演奏者への呼びかけとして書かれます。

演奏のヒント

共通

テンポを譲る(緩める)指示なので、直後の a tempo や cédez の解除の位置を先に確認してから減速の量を決めます。

混同しやすい用語

この指示が使われる曲

ドビュッシー「前奏曲集」

フレーズの終わりでテンポを緩める cédez の指示が随所に見られます。

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En serrantアン・セラン

フランス語

せき立てて

Stringendoと同義。

En serrant(アン・セラン)はフランス語で「締め付けながら、せき立てて」を意味し、イタリア語のStringendoに相当する速度指示。

語源

動詞serrer(締める、詰める)の現在分詞形で、Stringendoの語源であるラテン語stringere(締める)と発想が共通している。

混同しやすい用語

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En pressantアン・プレッサン

フランス語

急いで、せき立てて

フランス語で「急いで、せき立てて」。テンポを速めていく指示。

En pressant(アン・プレッサン)はフランス語で「急いで、押し進めて」を意味し、動詞presser(急がせる、押す)の現在分詞形。

語源

英語のpress(押す)と同じ語根を持ち、テンポを前へ押し進めるような加速のニュアンスを示す。

混同しやすい用語

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